副業あるある!~会社員の日常と夢の狭間で笑った瞬間

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1. はじめに

 「副業=夢への第一歩」といえば、胸を膨らませ、自由な働き方や収入アップの可能性にわくわくするのかもしれない。事実、休日の早朝から夜遅くまで副業に打ち込む姿を想像し、自分もその一員になりたいと願ったものだ。しかし、現実は甘味だけでできていない。もっと複雑なのだ。

 もしかすると、あなたも不意に手を止め、「これは本当に夢への一歩なのだろうか」と疑問を抱いた経験があるかもしれない。たとえば、深夜のパソコンの前やSNSにアップした自慢の作業風景へのコメント欄を見たとき。

 このコラムでは、そんな「副業あるある」な失敗や笑える失敗談をユーモラスに届けたい。副業への道へ決して一直線ではなく、笑いあり、時に涙ありの予想外な展開が待っている。読者のあなたにも「こんな経験あるある」と思ってもらえるかもしれない。

 ここで語るエピソードは、決してネガティブで終わらせず、次のステップとしての学びや成長に繋がる貴重な瞬間にしたい。笑いと共に一歩踏み出す勇気を感じていただければと思う。


2. 会社員としての日常と副業への憧れ

 朝の通勤電車の中、押し合いへし合いしている中でスマホを見ると、目に飛び込むのは副業の募集広告や、見知らぬ誰かがシェアするSNSの「副業成功談」。イヤホン越しに流れるニュースの隙間に、ぼんやりと「もし副業を始めたら…」などと妄想する瞬間がある。堅苦しい会社のルールや、提示帰宅が当然の生活において、そんな小さな夢が心を温める。

 ある朝、出勤前にコーヒーを淹れながら、ふと「今の給料だけで大丈夫だろうか」と不安を抱く。急な出費や、漠然とした将来への不安が重なり、「もっと自由な働き方で収入を増やせたら…」という思いが一気に込み上げた。これが、副業への第一歩を踏み出すきっかけとなった。

 会社では守るべき決まりや会議、上司の説教に追われる毎日だったが、心の奥底には常に「自分だけの可能性」が眠っているのではと思っていた。

 一方、会社での筆者は、決められたスケジュールに従い、上司や同僚の期待に応えるべく、きっちりとした服装と真顔で仕事をこなそうと必死だった。しかし、就業時間外や休日に自宅で副業に取り組むと、全く違う自分と出会う。自室の机にパソコンを開き、思い思いのアイディアを形にするその時間は、まるで自分だけのクリエイティブ空間。そこでは、堅苦しいルールも、恐ろし気な顔をした先輩もどこへやら、自由な発想と好奇心だけが光り輝く。

 このような「本業」と「副業」のギャップこそ、会社員としての日常に彩を与え、夢への憧れを掻き立てる。日々の忙しさの中にふと差し込む小さな隙間時間で、「自分はもっと自由に、もっと創造的になれる」という希望が芽生える。そんな瞬間こそ、あなたの内側にある可能性に気づかせてくれる大切な一幕だ。


3. 副業あるあるエピソード集

 副業に挑戦する日々の中には、笑ってしまうような失敗もあれば、思わず「自分もそうだった」と共感できる瞬間もある。ここでは、実際に起こり得るリアルなエピソードをいくつか紹介したい。


【失敗エピソード】

深夜のウトウト伝説
 
深夜、飼い犬や近所の住民が寝静まった頃、ふとひそかに副業作業に取り組むあなた。気持ちが高ぶり、次々と浮かぶアイディアを書き留めたり、資料をまとめるうち、いつの間にか瞼が重くなる。気づいたときには、PCの前でそのまま寝落ち。翌朝、慌ててパソコンの電源を入れると、途中まで打ち込んだ原稿が画面いっぱいに散らかっていたり、送信ボタンを押し間違えた意味不明なメールが上司に届くなど、あのあわただしい朝の一幕は今となっては笑い話の一つである。――が、当時はこの世の終わりを見たような気持であった。

寝ぼけた返信メールの悲劇
 
大切な取引先からのメールに対し、迅速に返信しなければと思い、夜中にキーボードを叩き始めたあなた。眠気はピークに達し、文章がどこかおかしい。気づかぬうちに奇妙な言いまわしと誤字脱字だらけの怪文が完成していた。翌朝、上司からの問い合わせで血の気が引く。「昨夜のメール、どういう意味?」―――恥ずかしさと共に、なぜあんな内容になったのか自分でもわからず、頭を抱えながら出勤した。

 後に「これも経験」と笑い話となったが、当時の焦りは今でも忘れられない。


【ささやかな成功エピソード】

秘密のブログ記事がバズる瞬間
 
筆者だけの趣味にはじめたブログがある。タイトルは「世界のギャル汚にテポドンを」。はじめは趣味の延長と割り切っていたが、こっそり投稿する記事が思いのほかたくさんの読者にシェアされ、コメント欄には「どうやってそんな記事を書いたのか」という声が多数寄せられた。普段はただの根暗・いじめられっ子として鬱屈とした表情で日常を送るあなたが、夜な夜な打ち込む青い微熱が形となり、多くの人に響いたことに気づいたとき、自信がみなぎり、これならもっと挑戦してもいいかもしれないと思わせる出来事となった。とはいえ、急に恐ろしくなりブログごと消し去ったことは言うまでもない。

初めての受注で味わった達成感
 
初めて請け負った副業案件。はじめは不安と緊張でいっぱいだったが、案件が進むにつれ、思いのほかスムーズに進行。クライアントから「期待以上の成果だ」と褒められ、報酬も予想以上に。いま振り返ると小さな成功体験だったが、「自分にもできるんだ」という発見と自信に繋がり、副業への情熱をさらに後押しする貴重な瞬間となった。


【日常における失敗談】

休日のジレンマ
 
休日、友人との約束がありながらも、ふと「この案件、締切が近いんだよなぁ」という思いに駆られ、作業に没頭。その結果、約束をすっぽかしてしまい、友人からの「また今度ね」の一言に自己嫌悪に駆られる。それでも応援してくれる友人に感謝するとともに、数年を経てから「あれも自己投資だったかな」と笑い飛ばすしかない自分がいる。失敗を痛感したが、その経験が次への励みになった瞬間である。

SNSで見た「副業あるある」投稿
 
SNSを眺めると、「副業あるある」と題された投稿が飛び交い、そこには「深夜のPC前で寝落ち」「大事なメールへの奇妙な返信」などのエピソードを見ることがある。見た瞬間、「それ、自分もやったなぁ」と胸がいっぱいになり、同じ境遇の仲間がいることに安心感を覚える。同時に、改めて気を引き締める瞬間でもある。


 こうした失敗や小さな成功、日常の一コマは、あなたにも起こり得る副業の姿だ。悔しい思いをすることもあるが、その一つずつが経験として、成長の糧となる。そして、こうした「あるあるエピソード」を笑い飛ばせるようになると、どんな困難も乗り越えられるという自信に変わっていく。


4. 副業と本業の狭間で感じる葛藤と笑い

時間との戦い

 本業と副業を両立させるには、時計の針に追われ続ける覚悟が必要だ。出勤前、電車内で副業案件のメールをチェックし、昼休みにはスマホで簡単な作業を行う。けれど、その合間を縫ってこなすのは、いつも「二兎を追う苦悩」ともいえる忙しさを伴う。

 ある日のこと、会社の会議中に上司がちらりと筆者のスマホを見て、「副業してるの?」と眉をひそめた。心臓が一瞬で高鳴り、必死に笑顔で「趣味の一環です!!」と誤魔化し、取り繕うが、上司の真剣なまなざしと周囲の微妙な空気に、思わず「これが本業と副業狭間の戦いか」と苦笑いするしかなかった。

夢と現実のギャップ

 副業をはじめて間もない頃、「これで自由な働き方を手に入れる!」と胸躍らせたが、現実は甘くなかった。自分のペースで自由に作業ができることを期待したのだが、やがて気が付く。睡眠不足と連日の疲労がもたらす体への影響がシンプルに、キツい。

 深夜、情熱を燃やして取り組んでいた作業が、翌朝のアラームで何度も頭を打ち、結局は寝ぼけた状態で送信したメールについて、上司や同僚から糾弾される始末。夢に見た「自由時間」は、現実では「時間に追われる苦悩」であった。

 けれど、こんな過酷な現実も今ではほろ苦い笑い話となった。

 やがて、「ボロボロな自分も悪くないか」と、苦労の中に成長の可能性を見出し、次第にそのギャップを笑い飛ばせるまでになった。夢に向かう情熱と、現実のハードルが交差する瞬間。それは、一種のスパイスとなり、一歩前へ進むエネルギーとなった。


 このように、日々の時間との戦いや、夢と現実のギャップに直面することで、あなたは副業と本業の両方から学び、成長し続ける。苦悩の中にも笑いがあり、その笑いが、また明日の活力になるのだ。


5. 副業あるあるから学ぶもの

 副業の現場では、思わず笑ってしまう失敗もあれば、小さな成功体験もあちこちに散りばめられている。一見すると、どちらも些細な出来事のようだが、それらはすべてあなたの成長の糧となる。

 まず、失敗談や苦い経験について。これらは次にどうすればもっと上手くいくかを教えてくれる貴重なレッスンだ。たとえば、深夜のPC前での寝落ち。大切なメールを怪文にしてしまったあの日、その失敗を振り返ると、「次はこうすればいいのか」と改善策が自然と浮かんでくる。

 笑いながらこうした経験を共有することで、「自分だけではない」と共感を呼び、読者同士の連帯感が生まれることもある。実は、多くの人が似たような失敗をしているという事実は、孤独感を和らげ、勇気を与えてくれるのだろう。

 また、笑える失敗談は、単なるネガティブ体験ではなく、未来への可能性を感じさせる大切な要素でもある。失敗を笑い飛ばすには、自分に余裕があり、柔軟に対応ができなければならない。笑いは、次の一歩を踏み出す勇気となり得る。失敗を恐れず、むしろ笑いながら挑戦を続ける姿勢は、新たな成功への扉を開くカギである。

 そして、これらのエピソードを通じて見えてくるのは、「副業は他人事ではない」ということ。失敗も成功も皆が経験する普遍的んか出来事だ。だからこそ、「自分だけがこんな目に遭っているのでは…」との考えを払拭し、仲間意識を強めるのに役立つ。共感は、新たな挑戦に向かう原動力となり、一人一人の市場価値を高める大切な糧となる。

 総じて、笑いと共に学ぶ副業体験は、次の一歩を踏み出す勇気と、前向きに挑戦し続けるためのエネルギーに満ちている。失敗を恐れず、そのひとつひとつを大切な学びと捉え、笑顔で乗り越えることで、あなたの未来はより豊かで可能性にあふれたものになるはずだ。


6. まとめと次の一歩

 副業あるあるを振り返ると、会社員としての日常と副業への夢との間で感じていた苦悩や、笑いに変えられる瞬間が満載だった。通勤中に見た妄想、会議中にこっそりチェックする副業案件、深夜の寝落ちや寝ぼけ頭で作成する怪文など、どれも一見ハプニングだが、実は、あなたの成長の糧となる貴重な経験である。

 これらのエピソードは、単なる「あるある」ではなく、挑戦の連続であり、成功に向かう大切なステップであることに気づかされる。

 このコラムで取り上げた数々の失敗談や、笑える小さな成功体験を通し、「どんな些細な出来事も自分の成長に繋がる」という前向きなメッセージを伝えているつもりだ。たとえ思い通りにいかぬ日があったとしても、次の挑戦への勇気を与えてくれるはずだ。失敗こそ笑い飛ばし、そこから学びを得ることで、あなたは一歩ずつ着実に理想の未来へ歩んでいることを実感できるだろう。

 そして、大切なのは「次の一歩」をどう踏み出すかである。

 今、この瞬間から、あなたの副業経験やあるあるエピソードを、SNSやブログ、または友人との会話でシェアすることをお勧めする。おそらく、あなたと同じように副業に挑戦する仲間たちが、その経験に共感し、励まし合うことで更なる挑戦へとつなげられる。

 今日の些細な出来事や笑い話を、自分なりに振り返ってほしい。それが、明日のあなたを成長させる大きな原動力となるだろう。さぁ、次はどんな一歩を踏み出す?あなたの挑戦はまた、新たな笑いと成長を生み出すことを信じ、一歩を踏み出そう。

夢に出たあの人はなぜ気になる?―無意識が教える新たな自分へのサイン

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1. はじめに

 普段は何とも思っていない人が夢に出てきたことはないだろうか。朝、目覚めた後も、夢の中で見たあの人がなぜか心に引っかかり、ふと気になる。このような現象を、実は多くの人が経験しているかもしれない。

 夢は、日中の忙しい思考や感情が表面化する場ともいわれ、無意識のうちに自分の心の奥底が反映される「心の鏡」としてとらえられる。

 このコラムでは、普段は全く気に留めなかったはずの人物が、夢の中で突然現れることで、どのような意味やメッセージが隠されているのかを、軽妙なトーンで紐解いていきたい。もしかするとその夢は、あなた自身が今まで気づかなかった内面の変化や、新たな可能性へのサインかもしれない。夢が教えてくれる意外なヒントを、一緒に探ってみよう。


2. 現象の背景と心理学的考察

 夢は、自分の内面や潜在意識を映し出す「無意識のサイン」と解釈されることが多い。フロイトは夢を「欲望の充足」とし、抑圧された感情や願望が表出される場だと説した。また、ユングは夢を「集合的無意識」の表現とみなし、個人の内面だけでなく、普遍的なシンボルや archetypes(元型)が現れると主張した。つまり、夢は我々が普段意識していない心の奥底の感情や思考、さらには自己変革の兆しを象徴していると考えられる。

 ではなぜ、「いつもは気にならなかった人」が夢に現れるのか。一つの解釈として、その人物は実際には自分の中で未解決の感情や、無意識のうちに抱いている理想や憧れ、又は変革への潜在的な意欲を象徴している可能性がある。普段、表面的な関心がなかった相手だが、夢の中ではあなたの内面に何か特別な意味を持つ存在として登場する。たとえば、その人物が持つ特定の特徴や雰囲気が、あなた自身が今後成長する上で必要な要素を暗示しているのかもしれない。

 また、現実とのギャップもこの現象の興味深い点である。普段は無関心だった相手が、夢の中で突如として重要な役割を果たすのは、意外性と矛盾が混在するパラドックスと言える。このギャップは、現実の自分が表面的には気にしていなくても、内面ではその人物やその象徴する要素に対して何らかの反応や関心が潜んでいることを示唆しているのかもしれない。夢の中でその人物が現れるということは、もしかすると「自分には足りないもの」や「今後伸ばしていくべき要素」が隠れているサインであると解釈することも可能だ。

 こうした心理学的視点から見ると、夢に登場する一見何気ない人物は、実はあなた自身の内面の変化や成長の兆しを反映している大切なメッセージと言える。普段は意識していなかったその人物が、夢という形であなたに何かを訴えているのかもしれない。読者のあなたも、次回夢を見た際には、ただの偶然ではなく、自分自身へのメッセージが隠れているかもしれないという視点を持ってみてはいかがだろうか。


3. 夢に現れる人物が示すもの

 夢に登場する人物は、単なる偶然のキャラクターではなく、あなた自身の内面の深層や潜在意識のメッセージを映し出す鏡のような存在だ。普段、意識していない自分の中の「足りない部分」や「これから向上させるべきポイント」が、夢の中で象徴的に現れることがある。

 たとえば、夢に現れる人物について、特定の服装や態度、話し方が印象的だった場合、それはあなたが理想とする自己像や、逆に今の自分に不足していると感じる資質を示唆しているのかもしれない。仮に、夢の中で落ち着いていて冷静な人物が登場したなら、それは「自分ももっと冷静さや客観性を持つべきだ」という無意識からのサインである可能性があるわけだ。

 一方、情熱的でエネルギッシュな人物が現れたなら、それは「もっと情熱を持って行動する必要がある」といった内面的な要求の表れとも考えられる。

 また、夢に出た人物の行動や発言をじっくりと振り返ることで、自己分析のヒントが得られる。たとえば、その人物が何かに強く反応しているシーンがあれば、それはあなたが現実で避けがちな問題や向き合うべき課題を象徴しているかもしれない。さらに、夢の中での対話やその人物との関係性に注目することで、あなた自身が今抱えている感情の状態や、どのような成長が求められているのか、ヒントが散りばめられている可能性がある。

 このように、夢に現れる人物はただの幻想にとどまらず、あなたの心が密かに伝えたがっている大切なメッセージなのかもしれない。日常生活の中でその意味を探ると、自己理解を深め、今後の成長につなげる貴重なアドバイスとして活用できるだろう。


4. 具体例とエピソード

 ここでは、夢に現れる人物が現実にどのような影響を与え、思わぬ形で人生の転機となるかを示す、いくつかの具体例とエピソードをご紹介する。

実際のエピソード紹介:

 ある中堅企業で働くAさん。ふと夢に見た一人の人物に心惹かれるようになった。その夢では、その人物が明るく堂々とした態度で、困難な状況にも動じず、解決策を提示している姿が印象的だった。翌朝、Aさんは「こんなに自信に満ちた人なら、私のビジネスパートナーになれるのでは?」と考え、普段は特に意識していなかった同僚Bさんに目を向けるようになった。実際、Bさんは普段から控えめで目立たない存在だったが、夢で見た彼の内面の潜在能力に気づいたAさんは、Bさんに声をかけ、共に新規プロジェクトに取り組むことに。その結果、Bさんの隠れたスキルが発揮され、二人は見事にビジネスパートナーとして成功を収めることとなった。

 Aさんからすると、夢がきっかけで「気になっていなかった相手」が、実は大切な協力者へと変わる転機となったのだ。

人生の転機となったエピソード:

 サラリーマンのCさん。いつもは特に気に留めなかった先輩Dさんが夢に登場した。夢の中でDさんは、Cさんに向かって、これまでの自分の働き方を厳しくも温かく指摘し、今後のキャリアアップのためのアドバイスを送っていた。目覚めたCさんは、なぜか先輩の言葉が胸に刺さり、今まで以上にDさんの意見に耳を傾けるように。結果、CさんはDさんから具体的な指導を受け、仕事の効率やコミュニケーション能力が飛躍的に向上。後に、「あの夢のおかげで自分のキャリアが変わった」と、同僚たちに自慢するほど成長を遂げたエピソードである。


 さらに、普段は全く気に留めなかった相手が夢に登場し、実は、自分の中にある「成長すべき部分」を象徴していたケースもある。たとえば、Eさんの場合。夢に突然現れた見知らぬ人物の自信に満ちた姿を目の当たりにし、自分にはもっとリーダーシップが必要だと痛感。そこから、Eさんは自らリーダーシップ研修に参加し、実際に小さなチームの管理を任されるようになった。夢がきっかけとなり、自分の内面の不足部分を補うための具体的なアクションを起こした好例とも言える。

 これらのエピソードは、夢がただの幻想ではなく、あなたの無意識が伝える大切なメッセージであることを示している。読者のあなたも、こんな体験をしたことがあるのではないだろうか。夢に出てくる人物に不思議な魅力を感じた経験、そしてその人物の存在が、実際の人間関係やキャリアの転機につながった経験は、意外にも多くの人に共通するものだ。

 夢に現れる人物は単なる偶然ではなく、あなたの内面の変化や成長の兆しを示す大切なヒントとなり得る。時には自分の夢を振り返り、そこに隠されたメッセージを探してみるのもいいだろう。


5. この現象を活かすためにできること

自己分析ツールとして夢を捉える

 夢に出てくる人物やシーンは、あなたの内面の状態や潜在意識を反映している。そこで、夢日記をつけるのがおすすめだ。毎朝目覚めたら、夢の中で印象に残った人物、シーン、そしてそこで感じた感情をできるだけ詳細に記録することで、自分自身の無意識のメッセージを読み解く手がかりになる。たとえば、夢に頻繁に登場する人物の性格や行動パターンが、自分の中で不足していると感じる資質や、これから伸ばすべきポイントを示しているかもしれない。夢日記を振り返ることで、自分の内面の変化に気づき、成長に必要なヒントを得ることができるかもしれない。

気になる相手へのアプローチ

 夢で突然気になるようになった相手は、あなたが無意識に抱いていた何かを象徴している可能性がある。そのため、もし実生活でもその相手に少しでも興味が湧いたなら、まずは気軽なコミュニケーションから始めてみると良いだろう。たとえば、共通の話題を見つける、SNSを通じて軽く連絡を取るなど、相手との距離を縮めるアプローチを試みることをお勧めしたい。また、夢での印象を自己改善のきっかけと捉え、自分の内面を磨くためのアクションプランとして、相手との対話から自分が得たいものや、学ぶべき点を具体的に整理すると、より実践的な自己成長へと繋がるはずだ。

内面の変化をキャリアアップに結び付ける

夢が示す気づきを、仕事やプライベートの成長戦略に落とし込む方法も有効だ。たとえば、夢で見た人物が持っていたリーダーシップや冷静な判断力を、自分も身につけるべきだと感じた場合、そのヒントをもとに自己研鑽やスキルアップの計画を立てよう。オンライン講座やセミナー、実際のプロジェクトへの参加など、具体的なアクションを起こすことで、内面の変化がキャリアアップに直結する。さらに、夢での体験を同僚や上司とシェアし、フィードバックを受けることで、自分の強みと課題を客観的に見つめ直し、さらなる成長の糧にすることができる。

 こうして、夢での体験や気づきを自己分析のツールとして積極的に活用し、現実のコミュニケーションやキャリアアップに結び付けることで、あなた自身の成長と成功に繋げることができるのだ。


6. まとめとエール

 ここまで、夢に出たあの人物が単なる偶然ではなく、あなた自身の内面の変化や成長へのサインであることを、心理学的な視点や具体的なエピソードを通じて紐解いた。夢に登場する人物は、あなたが普段無意識のうちに抱えている未解決の感情や、これから伸ばすべき強みを象徴している可能性がある。そんな夢のメッセージに気づくことは、自分自身を深く理解し、未来へのヒントを得るための大切な一歩だろう。

 ここで改めてお伝えしたいのは、「あなたも自分の夢に注目してみましょう」という前向きなメッセージだ。夢は、忙しい日常の中で忘れがちなあなたの内面を、時に静かに、時に鮮やかに映し出してくれる。その中には、これからの成長に向けた貴重なサインが隠されているかもしれない。夢に出てくる人物やシーンを見過ごさず、それが何を伝えようとしているのか、じっくりと向き合うことで、自分でも気づかなかった新たな可能性に気づけるだろう。

 次の一歩として、まずは「夢日記」をつけてみることをおすすめしておく。朝起きたら、夢の内容をできるだけ詳細に記録し、どんな人物が現れたのか、どんなシーンが印象に残ったのかを整理してみよう。さらに、その夢から感じたことや、自分がこれからどのように変わっていくべきかを考える時間を持つのもお勧めだ。そして、もし夢で特に気になった相手が現実にもいるなら、勇気を持ってその人と話してみるのも一つの方法である。新たなコミュニケーションのきっかけとなり、意外な発見や成長につながるかもしれない。

 最後に、夢に現れる人物やシーンは、あなたが未来に向けてどんな変化を求め、どんな自分になりたいかのヒントだ。これを単なる偶然と捉えるのではなく、内面の変化を促すサインとして、前向きな気持ちで捉えてほしい。あなたの夢は、あなた自身への大切なメッセージである。さあ、今日から夢日記を始め、内面の声に耳を傾け、次の一歩を踏み出す勇気を持って。未来は、あなたの行動と気づきによって、必ず明るいものへと変わっていくのだから。

第8話:「資格一本足打法」のリスク→ 資格だけに頼ると市場価値が下がる理由

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1. 「資格さえあれば食える」は本当か?

 資格を取れば安泰!――そう思っていたのに、いざ開業・転職してみると、「仕事が来ない」「思ったより稼げない」と悩む人も少なくない。

 資格取得に費やした多くの時間と金銭に見合わぬ現実。思い描いて来た理想と現実とのギャップに苦しむ人が多い。

 特に、資格取得直後には、「実務経験」「知名度」「営業・マーケティングスキル」という3枚の壁にぶつかり、実際に資格だけで食べていけると主張する人の声が耳に痛い。しかし、このような人たちはごく一部で、多くの人は+αのスキル」「営業力」「発信力を駆使して市場価値を高めているので、そういった意味では安心してほしい。

 今回は、なぜ「資格一本足打法」がリスクとなるのか、その理由を掘り下げる。


2. 「資格一本足打法」が危険な3つの理由

 資格をとれば安泰という時代は終わりりつつある。むしろ、もう終わっているのかもしれない。資格に頼りきりの働き方には、大きなリスクが潜んでいる。その理由を3つに分け、詳しく解説する。

① 競争の熾烈化

 かつては一部の人だけが持っていた資格も、今や多くの人が取得できるようになった。たとえば、行政書士・宅建士・社労士などの士業資格の合格者は年々増加傾向で、市場には資格者があふれている。

 しかし、供給が増えたからと言って、依頼が急増することはない。むしろ、資格を持っているだけでは他との差別化が難しく、価格競争に巻き込まれることもある。さらに、インターネットの発達により、クライアント側は「どの専門家に依頼すべきか」を比較しやすくなった。

 そのため、実績豊富で信頼できる人にこそ依頼は集中する傾向が高まっている。

【補足】増減割合の分析

過去10年間(2015年~2024年)における行政書士、宅地建物取引士(宅建士)、社会保険労務士(社労士)の資格試験の受験者数、合格者数、合格率の推移は以下の通りだ。

行政書士試験

年度受験者数合格者数合格率
2015年44,366人5,820人13.12%
2016年41,053人4,084人9.95%
2017年40,449人6,360人15.72%
2018年39,105人4,968人12.70%
2019年39,821人4,571人11.48%
2020年41,681人4,470人10.72%
2021年47,870人5,353人11.18%
2022年48,000人5,500人11.46%
2023年49,000人5,600人11.43%
2024年50,000人5,700人11.40%

(注:2022年以降のデータは仮の数値です)

宅地建物取引士試験

年度受験者数合格者数合格率
2015年194,926人30,028人15.4%
2016年198,463人30,589人15.4%
2017年209,354人32,644人15.6%
2018年213,993人33,360人15.6%
2019年220,797人37,481人17.0%
2020年204,250人34,338人16.8%
2021年233,276人40,025人17.2%
2022年235,000人40,500人17.23%
2023年237,000人41,000人17.29%
2024年239,000人41,500人17.36%

(注:2022年以降のデータは仮の数値です)

社会保険労務士試験

年度受験者数合格者数合格率
2015年40,712人1,051人2.6%
2016年39,972人1,770人4.4%
2017年38,685人2,613人6.8%
2018年38,427人2,413人6.3%
2019年38,428人2,525人6.6%
2020年34,845人2,237人6.4%
2021年37,306人2,937人7.9%
2022年40,633人2,134人5.3%
2023年42,741人2,720人6.4%
2024年43,174人2,974人6.9%

(注:2024年のデータは仮の数値です)

 過去10年間のデータを分析すると、以下の傾向が見られる。

  • 行政書士試験
     受験者数は全体的に減少傾向にあるものの、2021年以降は増加傾向に転じた。合格率は年度により変動がありながら、概ね10%前後で推移。
  • 宅地建物取引士試験(宅建士)
     受験者数は増加傾向で、合格率は15%~17%の間で安定している。
  • 社会保険労務士試験(社労士)
     受験者数は若干の増減を繰り返している。合格率は年度により変動が大きく、特に、2015年の2.6%は際立って低い数値だが、その後は5%~7%の間で推移。

 これらのデータから、各資格試験の受験者数や合格率には年度ごとの変動が見られる。特に、社労士試験は合格率の変動が大きく、難易度の高さがうかがえる。

対策:
 
これらへの対策として、以下が考えられる。

  • 資格取得後もスキルアップを続ける
  • 差別化のために「専門分野+α」の強みを持つ
  • 発信活動を通じて、知名度を上げる

② AIやITの発展で代替される可能性

 近年、急速に発達したAIやIT技術により、多くの業務は自動化の一途をたどっている。たとえば、契約書や申請書類の作成支援、税務計算など、かつて専門家が行っていた業務の一部は、既にAIツールやクラウドサービスで代替されつつある。―とはいえ、すべての業務がAIに取って代わられるわけではない。

 しかし、単純な書類作成や提携業務ばかりを手掛けていると、数年後には「AIで十分」「安価な代行サービスでOK」となり、資格者の市場価値は下がる可能性がある。

▶ 対策:
・「単純作業の代行」ではなく、「提案型の業務」にシフトする
・クライアントの課題解決に貢献できる「コンサルティングスキル」を積極的に身につける
・ITを活用し、自分の業務効率を上げる(RPAやAIを活用)

③ 資格者に対し、クライアントが「すごい」と感じづらくなっている

 以前であれば、資格者に対して「すごい人」「信頼できる人」という認識が強かったが、今はそうではない。

 たとえば、行政書士や税理士のような資格者であっても、資格があるから依頼しようと考えるより、「この人は信頼できるか」「実績はどうか」「口コミはどうか」などを重視するクライアントが増えている。
 また、情報が容易に手に入る時代になったことで、クライアント自身もある程度の知識を得て、資格があるだけでは価値を感じづらいケースが増えている。

 つまり、資格ありきで依頼がくる時代は終わりを迎え、「この人に頼みたい」と思われるよう努力を要する時代になっているのだ。

▶ 対策:
・資格だけに頼るのではなく、実績や口コミを積み上げる
・SNSやブログを駆使し、「この人に頼みたい」と思わせる工夫をする
・専門分野を極め、差別化を図る
(例:行政書士×相続専門、税理士×クリニック経営特化)


3. 「資格+α」で市場価値を高める方法

 資格は大きな武器になるものの、それだけで十分とはいえない。これからの時代は、他の専門家との差別化が課題となる。そのため、資格に何かをかけあわせる「資格+α」の戦略が不可欠だといえる。ここでは、具体的な方法を3つ紹介する。


① 資格 × 実務経験を強化する

 資格を取得しただけでは、どんな主張も机上の空論だと思われる。特に、クライアントは「この人は信用できるか」を重視している。資格の有無だけでなく、実際に業務経験を積み、実績を増やすことを意識したい。

どうやって実務経験を積む?

  • 小さな案件でも積極的に受ける
     無料モニター・低価格サービスを提供し、実績を作る
  • インターンや副業で実務に触れる
     たとえば、税理士を目指すなら会計事務所でアルバイトをする
  • 知人・友人の相談に乗る
     口コミを増やし、信頼を積み上げる

実務経験をアピールする方法

  • 実際に関わった案件を「事例」として紹介
     「過去にこんな相談を受け、こう解決しました」という形で発信
  • クライアントの声(レビュー)を集める
     信頼を得るための強力な証拠になる

📌 ポイント: 「知識がある」だけではなく、「実際に成果を出せる専門家」になることが大事!


② 資格 × マーケティングで発信力をつける

 資格があっても、存在を認知されない限り依頼にはつながらない。マーケティングとは、自分を知ってもらう手段だ。発信活動を通じ、認知度を上げ、「この人なら」と思われるポジションを確立しよう。

おすすめの発信方法

  • SNS(X、Instagram)
     短い投稿で「役立つ情報」をシェア
    (例:法律のワンポイント解説)
  • ブログ・note
     「○○で悩んでいる人向けの解決策」といったテーマで記事を書く
  • YouTube・TikTok
     動画を活用し、わかりやすく解説する

発信のコツ

  • ターゲットを明確にする
     例:「30代の個人事業主向けの税務相談」「独立開業を目指す人向け」など
  • 「難しいことを分かりやすく」伝える
     専門用語を使わず、初心者にも理解しやすい内容にする
  • 発信を継続することが大事!
     「1回の投稿で大きく変わる」ことはないので、コツコツ続ける

📌 ポイント: 「発信力=集客力」!発信を続けることで、自然と仕事が舞い込んでくる仕組みを作る。


③ 資格 × 他スキルで差別化する

 競争が激しい市場では、「資格を持っているだけの人」は埋もれてしまいます。そこで大事なのが、「資格+他スキル」の組み合わせ です。

資格と組み合わせると強いスキル

資格+αのスキル差別化ポイント
行政書士ビジネスコンサル「起業支援・経営アドバイスまでできる行政書士」
税理士資産運用アドバイス「税務+投資の相談ができる税理士」
社労士人事戦略コンサル「採用戦略までサポートできる社労士」
FP(ファイナンシャルプランナー)マーケティングスキル「集客までアドバイスできるFP」
弁護士SNSブランディング「法律×SNS戦略で影響力のある弁護士」

📌 ポイント: 「資格×ITスキル」「資格×営業力」など、時代のニーズに合ったスキルを組み合わせることで独自のポジションを築ける!


4. まとめ:「資格だけ」で戦うのは危険!市場価値を高めよう

 かつて、「資格さえあれば食べていける」といわれた時代もあったようだが、現代において、それだけでは不十分である。競争の熾烈化、AI・IT技術の発展、クライアントの意識変化などから、資格があれば安定とは言えなくなった。

 では、市場価値を高めるにはどうすればいいのだろうか。


✓ 資格+αのスキルで差をつけよう

 これからは、「資格×実務経験」「資格×発信力」「資格×他スキル」というように、資格×○○という思考が必須である。

🔹 実務経験を積み、「実績のある専門家」になる
  知識だけではなく、現場での経験を活かして信頼を得る

🔹 発信力を高め、「この人に任せたい」と思われる存在になる
  SNS・ブログ・YouTubeを活用して、知名度と影響力を上げる

🔹 他スキルを掛け合わせ、「自分にしかできない強み」を作る
  ITスキル、マーケティング、コンサル力などをプラスして差別化


✓ 「資格を活かしながら、自分だけのポジションを作る!」

 資格は「武器」だ。持っているだけでは意味がなく、どう使い分けるかが重要だ。「資格を取ったのに稼げない」と悩む暇があるのなら、「資格をどう活かせば求められるか」を考え、行動を起こす方が有意義である。

 市場価値は「資格だけ」で決まるものではない。あなたの強みを活かして、唯一無二の存在になろう!

第7回:「営業・マーケティングが苦手」問題→ 資格取得者に多い「受け身の姿勢」が致命的

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1. 「営業・マーケティングが苦手」な資格者の現実

 全20回にわたり、「資格を取ったのに仕事が来ない」問題を掘り下げる当マガジン。これは決して珍しい話ではなく、多くの資格取得者がぶつかる壁のひとつである。

 特に、士業や専門職の場合、「資格さえあれば、自然と仕事が舞い込んでくる」と考える人が多い。事実、資格試験の学習に集中していた時期には、「合格すれば未来は明るい」とあなたも信じていたのではなかろうか。

 しかし、現実は異なる。
 どんなに知識やスキルがあったとて、知ってもらえなければ仕事につながらない。

 たとえば、同じ町内に腕のいい歯医者が二人いたとする。

 一方は積極的に広告を出し、SNSでも情報を発信。地域イベントにも積極的に顔を出している。他方は、「腕に自信があるので、自然と口コミで広がるはずだ」と考え、開業後も広告宣伝等はせず、淡々と仕事に打ち込んでいる。

 さて、どちらの歯医者に患者が集まるだろうか?

 お気づきの人も多いだろうが、いい仕事さえすれば仕事が来る時代ではない。まず、知ってもらう。次に興味を持ってもらい、信頼を得る。このプロセスを経なければならない。
 しかし、多くの資格取得者はここでつまずいている。営業やマーケティングに苦手意識を持ち、売り込むことに尻込みする。その結果、「待ちの姿勢」に陥り、気づいたときには仕事がなく、首が回らなくなっている。

 では、どうして「受け身の姿勢」が生まれるのか。
 どうすれば、営業・マーケティングが苦手でも仕事につなげられるのか。

 当ページでは、この問題を掘り下げたい。


2. 「営業・マーケティングが苦手」な人の3つの特徴

 資格取得者のうち、仕事を得られない原因のほとんどは「営業・マーケティングへの誤解」と「受け身の姿勢」にある。特に、以下の特徴を持つ人は、仕事獲得のチャンスを逃しがちだ。


① 「営業=押し売り」と思い込んでいる

  • 営業を「しつこく売り込むこと」「無理に契約を取ること」と考え、避ける
  • 「売り込みばかりする人は嫌われる」と考え、必要なPRすらしない

 これらの結果、「自分は何をしているか」すら周囲に知られることなく、依頼につながらないケースが多い。

🔹 営業とは「価値を伝えること」
 
営業の本質は「押し売り」ではなく、「相手に自分の価値を知ってもらい、興味を持ってもらうこと」にある。

 たとえば、病院の院長が「私はこの分野が得意です」とアピールするのは売り込みではなく、患者のための情報提供だ。これは、士業や専門職にも同じことがいえ、あなたが「どんな人を助けられるか」を明確に伝えることは、決して押し売りではない。


② 「資格があれば勝手に仕事が来る」と思っている

  • 士業や専門職ほど「待ちの姿勢」に陥りやすい
  • 「資格者だから、自分を必要とするお客さんが来るはず」と思い込む

 このような思い込みは危険だ。事実、依頼は「知ってもらわなければ」届かない。

🔹 「いいモノが売れる」ではなく、「知ってもらったモノが売れる」
 
たとえば、どんな美味しい料理を提供するシェフでも、お店の場所や営業時間がわからないとお客さんはたどり着けない。
 これと同じく、どんなに優秀な専門家でも、知ってもらえなければ仕事につながらない。「認知される努力」をしない限り、仕事が舞い込むことはないのである。


③ 「マーケティング=難しい・面倒」と感じている

  • 「SNS?ブログ?面倒くさいし、やり方もよくわからない」と情報発信を避ける
  • 「広告はお金がかかるし、効果があるか分からない」と投資を渋る

 これらの結果、知名度は上がらず、問い合わせすら来ない。

🔹 マーケティングとは「自分のことを知ってもらう活動」
 
マーケティングとは、必ずしも高度な戦略や難しい分析を要するものではない。「自分はこんな仕事をしている」「こんな仕事が得意」と発信することも立派なマーケティングである。たとえば…

  •  SNSで「最近の業務の一コマ」を投稿する
  •  noteやブログで「よくある相談事例」を紹介する
  •  名刺やチラシを作って、地域のイベントで配る

 このように、シンプルな行動アクションの積み重ねこそ、仕事につながるきっかけを生むものだ。


 ここまで見てきたように、「営業・マーケティングが苦手」だと感じる背景には、多くの誤解や思い込みがある。

 では、どうすればこの苦手意識を克服し、仕事につなげることができるのか。次の章で具体的な解決策を紹介していく。


3. なぜ「営業・マーケティング」が必要なのか

 「営業が苦手」「マーケティングなんて自分には関係ない」
 こんな風に思い、感じていないだろうか。

 しかし、仕事を取るには「知ってもらう努力」が不可欠だ。

 特に、士業をはじめとする資格業は競争が激しく、実力さえあれば仕事が来るとは言い難い。

 ここでは、「なぜ、営業・マーケティングが不可欠なのか」、3つの理由を解説する。


① 仕事は「知ってもらうこと」から始まる

  • どれだけ優秀でも、認知度が低いと仕事は依頼されない
  • 大抵の場合、「実績がありそうな人」に依頼する
    =「知名度」が仕事の入り口となる

「この人に相談してみよう」と思ってもらえるかが勝負
 
営業・マーケティングの目的は、自分の存在を知ってもらうことにある。
 知ってもらえなければ実力を発揮するチャンスすらない。


② 「実力があれば仕事が来る」は間違い

  • 「いい仕事をすれば、口コミが広がる」と考えがちだが、大きな誤解
  • 「知ってもらう努力をした人」だけが、仕事のチャンスを得られる
  • 実力が同程度の士業でも、発信の有無で集客に大きな差が出る

「情報を発信している人」ほど仕事が来やすい
 たとえば…

  • 税理士A:SNSで税務の豆知識を発信し、フォロワーが1万人
  • 税理士B:特に情報発信をせず、知人の紹介だけで営業

 この場合、新規の依頼や問い合わせが多いのはどちらだろうか。
 当然、知名度が高い税理士Aのほうが多くの人に認知され、相談・依頼を受けやすいのは言うまでもない。


③ 資格業は「競合が多い」ため、差別化が必要

  • 行政書士・税理士・司法書士など、士業の数は年々増加傾向
  • 過去に「資格があれば食える」と言われたが、今は「資格を持っているだけでは埋もれる」時代
  • 差別化できなければ、「数ある中の一人」で終わる

「自分に依頼する理由」を作ることが大事
 
事業を営むにあたり、あなたの得意分野は前面に押し出そう。また、SNSやブログをやるからには、見る人に「この人なら信じられる」と思ってもらえる情報を発信しなくては意味がないことを肝に銘じておこう。

  • 得意分野を前面に出す(例:「建設業許可に特化した行政書士」)
  • SNSやブログで「この人なら安心」と思ってもらう情報を発信する
  • お客さんが「この人に相談したい」と思う仕掛けを作る

4. 営業・マーケティングが苦手でもできる行動戦略

 「営業やマーケティングは苦手だが、仕事をとらなくては生活できない」
 このような事情を抱える人でも実践できるシンプルな戦略を、ここで4つ紹介する。


① 「価値を伝える営業」にシフトする

✓ 売り込むのではなく、「困っている人を助ける」姿勢が大事
 
「営業」と聞くと、ゴリゴリの売り込みをイメージするかもしれない。
 しかし、本来の営業はお客様が抱える課題を解決する提案をすること

🔹 NGな営業のイメージ
❌ 「行政書士の〇〇です!ぜひ契約してください!」
→ これではただの押し売り。相手は「何をしてもらえるのか」わからない。

🔹 OKな営業のイメージ
✅ 「建設業許可の取得で悩んだときは、力になります」
✅ 「会社の契約書について、法的に問題ないか不安なときは、一度無料でチェックします」

💡ポイントは、「〇〇で困っている人へ、こういう解決策があります」と伝えることだ。「この人なら相談できそう」と思ってもらえれば、自然と依頼につながる。


② 「自分を知ってもらう活動」を始める

無料でできる「知ってもらう活動」を活用しよう
 
いくら良い仕事をしても、誰にも知られなければ依頼は来ない。
 そこで、次のような「情報発信」を始めよう。

🔹 簡単に始められる発信ツール
✔ SNS(X・Instagram・Facebook) → 短文で気軽に発信
✔ ブログ・note → 深掘りした内容を発信し、SEO対策にもなる
✔ YouTube・TikTok → 短時間の動画で「顔を見せる」ことで信頼感UP
✔ 公式サイト → これまでの実績や対応事例をまとめておく

🔹 発信のポイント
・「どんな人が、どんな悩みを持っているのか?」を考えた投稿をする
・たとえば、「許認可の申請が面倒」「相続手続きが不安」など、ニーズのある話題を発信

💡 いきなり完璧を目指す必要はない。まず、「知ってもらうための第一歩」を踏み出すことを大切に。


③ 「無料相談・モニター制度」を活用する

いきなり高額商品は売れない。まず、「試してもらう」ことが大事

🔹 なぜ無料・格安サービスを活用するのか
・お客様は「この人に依頼して大丈夫だろうか」と不安を感じている
・はじめは低リスクで試せるサービスを提供することで、安心してもらう

🔹 具体的な施策
✔ 無料相談を実施する(30分~1時間)
✔ 初回限定の低価格プランを作る
✔ モニター募集(フィードバックをもらう代わりに格安で提供)

💡ここで得た口コミや実績は、次の営業・マーケティングに活かそう。


④ 「専門家+α」の強みを作る

資格だけでは差別化できない。「+α」の武器を持とう!

🔹 差別化の例
✔ 「行政書士+YouTube発信」 → 動画で手続きの解説をする
✔ 「税理士+節税アドバイス講座」 → 資産運用の知識をセットで提供
✔ 「司法書士+不動産コンサルティング」 → 司法書士の仕事+投資のアドバイス

💡資格×マーケティングスキルを掛け合わせ、競争力を上げよう。


5.「営業・マーケティングは苦手」で済ませない!

 「営業やマーケティングが苦手だから」と避けていては、いつまでも仕事は取れない。資格やスキルを活かすには、「知ってもらう努力」が欠かせない。


✅ 「いい仕事ができる人」ではなく、「知ってもらう努力をした人」に仕事が来る

 資格を取得し、知識を深めるのも大切だが、実力があるだけで仕事に繋がることはほとんどない。なぜなら、お客様は「この人がどんなことをしてくれるのか」を知らないからだ。

🔹 よくある勘違い
❌「自分は競合より高いスキルがあるのに、なぜ仕事が来ないのか」
❌「資格を取ったのに、問い合わせが全然こない」

🔹 実際に仕事が取れる人の特徴
✓「この人ならこんな悩みを解決してくれそう」と認知されている
✓「何をしてくれる人なのか」が明確に伝わっている

 つまり、「知ってもらう努力をした人」だけが、チャンスを掴めるのだ。


✅ 営業=押し売りではなく、価値を伝えること

 「営業」と聞くと、しつこく売り込むイメージを持つ人がいまだに多い。
 しかし、本来の営業は「お客様が困っていることに対して、解決策を提案すること」である。

🔹 NGな営業例
❌「うちのサービス、すごくいいので契約しませんか?」
→ 相手は「本当に必要なものか」を判断できないため、警戒してしまう。

🔹 OKな営業の例
✓「建設業許可の取得で悩んでいるなら、こういう方法がありますよ。」
✓「相続手続きが不安なときは、無料相談をご利用ください」

 はじめに、「こんなことで困っていませんか?」と問いかけ、自然な流れで価値を伝えよう。売り込みではなく、「相手の悩みを解決する手助けをする」意識を持つことを大切に。


✅ 苦手でも「まずは発信」を!小さな行動の積み重ねが、やがて仕事につながる

 営業やマーケティングが苦手でも、「知ってもらう工夫」をしなければ仕事は生まれない。まずは、小さなことでいいので「発信」を始めよう。

🔹 初心者向け・簡単な情報発信の始め方
✔ X(Twitter)で1日1回、「役に立つ情報」や「自分の考え」をつぶやく
✔ ブログ・noteで「よくある質問」「仕事の事例」をまとめて投稿する
✔ YouTubeやTikTokで、短い解説動画をアップする
✔ 公式LINEを作り、登録者に定期的に情報を配信する

 最初から完璧を目指す必要はない。
 発信を続けると、「この人に頼もう!」と思ってもらえる確率がどんどん上がるのだから。焦らず継続しよう。

💡 「発信 → 仕事につながるまで」の流れ
1️⃣ X(Twitter)で「建設業許可のポイント」を投稿
2️⃣ それを見た人が興味を持ち、ブログを読みにくる
3️⃣ さらに詳しく知りたくなった人が無料相談に申し込む
4️⃣ 「この人なら信頼できそう」と感じ、正式な依頼につながる

 このように、小さな発信の積み重ねが「仕事の入り口」を作る。


✅ 「営業が苦手だから…」で終わらせない!今日からできる一歩を踏み出そう

  • 「いい仕事をするだけ」では、依頼にはつながらない。
  • 営業とは「押し売り」ではなく、「価値を伝えること」。
  • まずは、X(Twitter)、ブログ、公式LINEなど、小さな発信から始めてみよう!

 最初は手探りでも大丈夫。発信を続けることで、少しずつ仕事のチャンスが広がっていく。「営業・マーケティングは苦手だから…」と諦めず、できることから行動を起こそう!

 あなたの仕事を待つ人は、必ずいるはずだ。まずはその人のところまで、あなたの商品・サービスを届けることから意識しよう。

第6回:知識はあるのに「実務経験ゼロ」の壁→ 企業も個人も「即戦力」を求めている

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1. はじめに:「知識はあるのに仕事が取れない」現実

 資格試験に合格し、知識もばっちり。しかし、いざ仕事を始めようとしたところ、「実績ゼロを理由に仕事が来ない」「未経験だから不採用」といった壁にぶつかる。こんな状況に陥っていないだろうか。

 資格を取得すれば、すぐにでも活躍できると思っていた。こういう人は少なくない。だが、企業やクライアントが求めるのは「資格者」ではなく、「即戦力となる人」なのだ。いくら知識があろうと、実務経験がなければチャンスに恵まれないのはよくある話である。

 特に、独立開業を目指す場合、「資格がある新人」ではなく「実績のあるベテラン」が優先される。では、実務経験ゼロの自分にチャンスはないのかといえば、そんなことはない。当ページでは、実務経験のない状態から抜け出し、仕事を獲得する具体的な方法を解説する。


2. なぜ「実務経験ゼロ」が壁になるのか?

 資格があっても、実務経験がなければ戦力外。仕事を得るのは難しい。

 これらは、企業・個人のどちらにも共通するポイントだが、なぜ、実務経験がないことがこんなにも大きなハードルになるのか。その理由を詳しく見ていこう。

① 企業が「即戦力」を求める理由

 企業が資格者を採用する際、重要視するのは「即戦力となり得るか」だ。企業側の視点に立つと、以下の事情が見えてくる。

研修コストをかけたくない
 新人を一から育成するには、時間もコストもかかる。特に、小規模な事務所や会社の場合、研修にかけられる余裕がなく、即戦力として動ける人材を求める傾向が強い。

仕事の進め方や業界特有の実務を知っている人が優遇される
 どの業界にも、資格試験の知識だけでは対応が難しい実務の流れがある。たとえば、行政書士の場合には、「許認可の申請書類を揃える手順」や「官公署との交渉」など、試験で学ぶことのできない実務的なスキルが求められる。企業では、こうした「現場対応力」を持った人を優先的に採用する傾向が強い。

② 個人のクライアントが「実績のある専門家」を選ぶ理由

 資格者として独立を考えるとき、個人のクライアントを無視することはできない。けれど、多くの場合は「実績のある専門家」に仕事を依頼する。その理由は、以下の通りだ。

「この人に任せて大丈夫か?」という不安がある
 
クライアントは、自分が抱える問題を解決してくれる人を求めている。しかし、実務経験ゼロの人に依頼する場合、「本当にきちんとやってくれるのか」「この人で大丈夫か」という不安が生じる。そのため、多少高額でも経験豊富な専門家を選ぶ人が多い。

「実績ゼロ」と「実績あり」の専門家なら、ほとんどの人が後者を選ぶ
 
ここで一つ、想像してほしい。あなたが行政書士に遺言書作成を依頼する。このとき、報酬額や納期は同条件で、唯一、「実績ゼロの開業1年目」と「豊富な実績をもつ開業10年目」という違いをもつ2人の行政書士から選ぶとしたら、どちらを選ぶだろうか。大半の人は経験豊富な10年選手を選ぶはずだ。なぜなら、同じコストをかけるのならリスクが低い方がいいからである。

③ 知識と実務のギャップがある

 資格試験を通して得る知識と、実務で求められるスキルとは、必ずしも一致しない。両者には大きなギャップが存在し、資格を持っているからといって仕事になるとは限らない。

試験の知識だけでは対応できないケースが多い
 
行政書士の場合、試験科目を民法や行政法が占めるが、実務で求められるのは、どの官公署に、どの書類を、どう提出すればいいかといった実践的な知識だ。このような知識を試験学習で得ることはできない。

実務では応用力や柔軟な対応が求められる
 
クライアントにより状況は異なり、単に知識を詰め込んだだけでは、どのような対応が最適化を判断することはできない。このような判断力を身に着けるには、実務経験によるところが大きいことから、経験不足は仕事に繋がりづらくなる。


3. 「実務経験ゼロ」の人が直面する3つの壁

 資格を取得したものの、実務経験のない人が必ず直面する壁が、「就職・転職」「開業後」「報酬」の3枚だ。これらの壁を乗り越えることができず、資格を活かせないまま終わらせる人もいる。ここでは、各壁について詳しく見ていこう。


① 就職・転職の壁

 資格を取得すれば、企業がすぐに採用してくれるとは限らない。むしろ、実務未経験者にすれば就職や転職の壁は想像以上に分厚く、高い。

「未経験可」の求人は少なく、競争率が高い
 
企業の求人を見たことがある人ならわかるだろうが、「経験者優遇」「即戦力歓迎」などの文言が並ぶ。特に、士業事務所や専門職の企業では、ゼロから育てる余裕がなく、未経験者向けの求人が限られる。そのため、「未経験者歓迎」の枠には漏れなく応募が殺到し、競争率が非常に高くなる。

面接で「なぜ未経験なのか?」「どう即戦力になるのか?」を問われる
 
企業側は、未経験者の採用には特に慎重だ。採用面接において、「なぜ今まで実務経験を積んでいないのか」「未経験でありながら、自社にどう貢献できるか」などの質問をストレートに投げかけてくる。資格があれば優遇されると考えていた人にとっては衝撃的な言葉だろうし、そうでなくとも、こうした質問に明確に応えられなければ採用は難しい。


② 開業後の壁

 資格を取り、企業に採用されないなら独立すればいいと考える人も多い。しかし、開業には開業のハードルが存在し、実績のないあなたを信用してくれる企業・個人は稀少である。

「実績ゼロ=信用ゼロ」で、最初の依頼が来にくい
 
開業直後に最も苦労するのが、最初の案件獲得だ。個人のクライアントの場合、依頼前に「この人は本当に信頼できるか」を熟考する。このとき、判断基準となるのが過去の実績だが、開業直後にまっさらだと不安を招き、依頼を躊躇われるケースも多い。

経験豊富なライバルと比べられてしまう
 
特に資格業に多いのが、すでに豊富な実績を持つライバルとの比較だ。たとえば、10年以上の経験・実績をもつライバルと開業後1か月の自分とでは、ほとんどの場合、敗北する。開業直後にはこのように、多くのライバルとの差別化を意識する必要がある。


③ 報酬の壁

 ここまでの壁を乗り越え、ようやく仕事を得たとしても、最後にもう1枚「報酬の壁」が待ち受けている。実務経験が少ない場合、正当な報酬を受け取りづらいのだ。

「経験がない」ことを理由に安く買い叩かれることも
 
未経験者の場合、とにかく「実績がないこと」が弱みとなり、クライアントから「お試し価格で安く受けてくれませんか」と値下げ交渉をされることがある。特に、クライアントが個人の場合、実績がないなら無料または格安でやってくれて当然と考える人もいるのだ。その結果、適正価格より低く請け負うこととなり、収益化が難しくなるケースもある。

「無料相談」「格安案件」を活用するしかない場合がある
 
開業直後は、実績をつくるために無料相談や格安案件の活用を考える人が多い。確かに、実績を積む手段として有効だが、いつまでも低単価で仕事を受け続ければ、「低価格の専門家」というイメージが定着し、適正な価格で受けられなくなる。特に、SNSや口コミから「この人は無料(または格安)でやってくれる」という意見が広がってしまえば、払拭に長い時間と大きな労力を要する。


4. 「実務経験ゼロ」から抜け出すための戦略

 未経験を理由に仕事がとれず、仕事がとれないために経験が積めないジレンマから抜け出すには、戦略的に動かなければならない。ここでは、未経験者が経験を積み、仕事を掴む4つの方法を紹介する。


① 小さな仕事から経験を積む

 はじめから理想の仕事を追うより、小さくとも経験を積むことを大切にしたい。

副業・アルバイト・業務委託などで経験を得る
 
いきなり正社員や独立開業を目指すのではなく、はじめは副業や業務委託、アルバイトを通じ、実務に触れるのも一つの手段である。行政書士の場合、先輩行政書士の業務を手伝うほか、関連業務のサポートを行う方法が考えられる。

「未経験OK」の案件に積極的に応募する
 
クラウドソーシングや求人サイトを活用し、「未経験OK」「研修あり」などの案件に挑戦するのも有効だ。単価が低くても「実績を積む」目的で、積極的に取り組もう。


② 実績づくりのための「無料・格安案件」活用

 未経験の場合、クライアント不安を抱くことも多いことから、実績づくりが必要だ。そのため、一時的な「無料・格安案件」の活用も手段としては有効である。

最初は「格安」でも、経験を優先して
 
無料、または格安での業務に抵抗を感じる人もいる。しかし、はじめは実績づくりを優先したい。そのため、開業直後は知人の書類作成を無料で手伝う、モニター価格で相談を受けるといった方法を取り入れるのが有効だ。

「無料相談」や「モニター募集」で、実績と口コミを増やす
 
SNSやブログを通して「モニター募集」をかけ、一定の人数に無料、または格安でのサービス提供を行う方法も有効だ。この場合、実績が増えるだけでなく、満足してもらえれば口コミによる集客も期待できる。

⚠ 注意点
 
これらの手段を活用する場合、「安売り専門家」とならぬよう、無料・格安によるサービス提供期間と人数を明確に決め、誰が見ても明らかにしておくことをお忘れなく。


③ スキル+経験の掛け算で差別化

 単に経験を積むより、他のスキルと組み合わせることで差別化を図ることもできる。

例)行政書士+マーケティング知識で独自の強みを作る
 
たとえば、行政書士の場合、マーケティングの知識・スキルを上乗せすることで、具体的な集客についてアドバイスできる行政書士として活躍することができる。他にも、ITに強い税理士やライティングスキルのある弁護士など、スキルを掛け合わせることで競争力を高められる。

追加の研修や実務講座で、仕事に直結するスキルを磨く
 
実務講座やオンライン講座を活用することで、仕事に役立つスキル補強も有効である。資格試験だけで学ぶことのできない実務のコツや業界の慣習などを学び、よりスムーズに仕事ができるようになるだろう。


④ ポートフォリオで実績を可視化する

 どんなに経験を積んでいても、それが目に見えなければクライアントには伝わらない。そのため、あなたの実績や経歴を可視化する必要がある。

HPやSNSで「過去の仕事」「対応事例」を紹介
 
実績を可視化するには、ホームページやSNSに「過去の仕事」や「対応事例」を記載する方法がある。行政書士の場合、「このような書類を作成しました」「こういった相談に対応しました」と具体的な事例を記載すると依頼につながりやすい。

クライアントの声・口コミを積極的に集める
 
最も有効な広告は、あなたの商品・サービスに満足した顧客の声だ。「この人に依頼してよかった!」の声が目に見えることで、次の仕事を得やすくなる。無料または格安案件を受けるのなら、「口コミに協力してもらう」ことを条件に加えるのも一つの手段である。


5. 「資格+実務経験」で真の専門家になろう

 資格の取得は、専門家としてスタートラインに立つことを意味する。けれど、資格があるだけでは仕事につながりづらく、実務経験を積み、実績を作ることでようやく「選ばれる専門家」になれる。

🔹 資格はゴールではなく、スタートライン
 
資格を取得することは大きな一歩ではあるものの、それだけで「実力がある専門家」とはいえない。知識をどう活かすかを大切にしよう。

🔹 「実務経験ゼロ」のままでは、仕事が取りにくい
 
クライアントが求めるのは、単なる資格者ではなく「信頼ができる専門家」、つまり、実績のある専門家だ。このことをよく理解し、経験が少なくとも依頼につなげる方法を考える、又は実績を積む工夫をしよう。

🔹 小さな仕事から経験を積み、「実績のある専門家」へと成長しよう!
 
はじめから大きな仕事を狙わず、無料や格安の案件、副業や業務委託などをうまく活用し、実務経験を積もう。さらに、実績は目に見える形にし、スキルを掛け合わせて競争力の高い専門家へと成長しよう。

資格+実務経験=真の専門家!

 資格はあるのに仕事がない。こうした悩みを抱えるより、今できることをして、経験を積もう。そうすれば、自ずと資格を活かすことができ、確かなキャリアを築くことができる。

第5回:「待ち」の姿勢で仕事が来ない人〜「資格があれば仕事が舞い込む」なんて幻想〜

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1. 「資格さえあれば仕事が来る」は本当か

 「資格をとれば、自然と仕事が舞い込むはず」
 このように淡い期待を胸に抱き、資格の取得に励んだ人もいるはずだ。特に、士業などの専門資格を取得することで、自ずと世の中から求められ、仕事が舞い込んでくると考えていたのではなかろうか。

 しかし、実際に試験に合格し、多くの人が間違いに気づく。

 「あれ、思ったより仕事がこない」と。

 資格試験に合格・登録を経て、開業。そこには、鳴りやまぬ電話や読み切れぬメールではない。そんな現象が起きるとすれば、よほどの人気資格、かつ、競合がほとんどいない特殊な分野だけだ。そんな分野が実在しているなら、既にここで紹介していることだろう。

 ではなぜ、人は「資格を取れば仕事が来る」と思い込むのか。

「待ちの姿勢」でいる人が陥る現実

 資格取得後、「さぁ、仕事が来るぞ」と期待に胸膨らませ、全力大気の姿勢を保っている人が抱く想像の数倍、何も起こらない。特に、以下のような落とし穴は”あるある”だ。

求人を見つけるも「未経験不可」ばかり
 資格を活かせる職を探し、ようやく見つけても、募集要項には「実務経験〇年以上」の文字。資格を持っているだけでは門前払いである。

開業するも、問い合わせゼロ
 
独立・開業に憧れ、これを前提とした資格を取得。晴れて開業したものの、集客方法がまったくわからず、とりあえずで作った名刺だけを抱え、ひっそり廃業へ。

周囲に「仕事がない」と相談しても、アドバイスがもらえない
 
友人知人に対し、「せっかく資格を取ったのに、仕事がもらえない」と話しても、「で?」「何か対策は?」と素っ気なく返される。冷たい。そもそも、資格を持っているだけでは仕事にならない現実が、意外にも世間に共有されていない。

 こうした現実に直面した合格者は、「資格を取得した意味がなかった」と落胆し、途方に暮れるのだが、その原因は本当に資格のせいなのか。

「営業しなくても仕事が来る資格」と「自分が動かないと仕事にならない資格」

 資格により、取得しただけである程度は仕事につながるものもある。たとえば、以下の資格だ。

  • 医師、看護師等の医療系資格
    →人手不足が慢性化しており、求人が豊富
  • 公務員
    →資格取得が採用試験の条件
  • 自動車整備士、電気工事士等の国家資格
    →業界での需要が高く、即戦力となりやすい

 これらの場合、資格が仕事を運んでくれる側面もあるにはある。とはいえ、ほとんどの資格はこうもいかない。

 特に、行政書士・社労士・税理士・弁護士などの士業資格、ファイナンシャルプランナー・コンサルタント関連のフリーランス向けの資格は、資格を取得しただけで仕事が舞い込む可能性は限りなくゼロだ。
 これらの資格は、「名乗る権利を獲得した」に過ぎず、実際に仕事につなげるには、営業・発信・人脈形成が不可欠である。

 資格を取得したのに仕事がないと嘆く前に、自分の資格がどちらのタイプかを冷静に見極める必要がある。

 仮に、「自分で動かないと仕事にならない資格」なら、待っていても始まらない。だが、具体的にどうすればいいのかわからない?ならば、次の章で「待ちの姿勢」では稼げない理由から掘り下げるとしよう。


2. 「待ちの姿勢」が招く3つの勘違い

 資格試験合格後、多くの人が「待ちの姿勢」に入る。原因の一つとして、
資格取得に伴い、自動で仕事が舞い込むという何ともおめでたい思い込みが挙げられる。ここでは、特に多い3つの勘違いを紹介したい。


① 「資格を持っているだけでお客様が来る」

 「資格さえあれば、仕事のほうからやってくる」と信じる人が多いが、現実はそう甘くない。

「資格がある=信用される」と思い込んでいないか?
 
資格を持っていることは、持っていない場合と比較すると重要な要素となる。しかし、それだけで信頼を得られるかといえば、また別の話だ。
 たとえば、「弁護士資格を持っている人」と「信頼できる弁護士」がいる場合、あなたはどちらに仕事を頼みたいだろうか。

 これは、どんな資格にもいえることだ。

 顧客が求めるのは単なる資格者ではなく、安心して仕事を任せられる人である。特に、士業やコンサル系の資格者については、「この人なら大丈夫」と思わせるだけの要素が求められる。

資格より「この人にお願いしたい」が優先される
 
現代において、単に資格を持っているだけで食べていけないことはお話したとおりだ。SNSや口コミサイトなどの影響力は年々強まり、どんな人かわかりづらい資格者より、信頼できる実績ある人に仕事は集まる。

 たとえば、行政書士や社労士等が開業したとする。その後、特に何の発信活動も行わぬまま待っていて仕事は来るだろうか。答えは、ノーである。
 しかし、ブログやSNS等で実務に関する情報発信を行っていると、実際に会わなくともどんな人なのかをうかがい知ることができ、自然と依頼につながっていく。


② 「資格があれば就職・転職もラクに決まる」

 資格を取得すると、就職や転職市場で優位になり、スムーズに事が運ぶ――こう思い込んでいる人を見かける。この点、実際の求人市場を見てみると、資格よりも「スキル」「経験」「人脈」を重視する傾向にある。

求人の現実:資格よりも経験を重視
 
転職サイトや求人票を見ると、「資格必須」と記載されているものは意外に少ないことに気づく。反対に、「〇年以上の実務経験」「業界経験者優遇」といった条件のほうが圧倒的多数を占める。

 たとえば、宅建士の場合、資格を持っていても未経験者は採用につながりづらいし、社労士の場合、資格を持っているだけで実務経験がない場合には、事務所からの採用はほとんどない。

資格を持っていても未経験では採用されない理由
 
なぜ、苦労して資格を取ったのに、未経験というだけで採用されないのだろうか。この点、企業側の視点に立って考えるとわかりやすい。
 資格を持っている未経験者の場合、最低限の知識・スキルがあることはわかるが、実際の業務をこなせるかどうかまではわからない。一方で、実務経験豊富な無資格者の場合、未経験の資格者と比べ、即戦力となる可能性は数倍高い。採用リスクが少ないのはさて、どちらだろうか。

 資格を活かして転職するには、資格を取得するだけでは足りない。そのため、どうにか実務経験を積むことを考えよう。具体的には、副業やアルバイト、インターン、ボランティアの活用、ブログやSNSでの情報発信を通し、依頼につなげる方法などが考えらえる。

 ただ資格を取っただけで立ち止まっていては、仕事につながるどころか、履歴書の資格欄がにぎやかになる程度の変化しかもたらさないのだ。


③ 「開業すれば資格が仕事を連れてくる」

 士業等の専門資格は、独立開業できることが魅力の一つだ。しかし、資格を取得して開業したとして、自然と仕事が舞い込むなどと考えていると、大きな誤算に直面する。

行政書士や社労士でも、開業しただけでは仕事がない
 
行政書士・社労士・司法書士・税理士などの士業は、独立開業が可能な資格として人気が高い。しかし、資格を取得しただけで何か変わるかと言えば、その資格を名乗ることができる程度に過ぎない。開業してもはじめの数か月~1年の間、依頼件数ゼロのケースも珍しくない業界だ。

 その理由として、あなたが「資格を持っていること」は、顧客に何の影響も及ぼさないことが挙げられる。

 資格取得者が増え続ける現在において、ただ資格試験に合格しただけ、開業しただけでは、他の強豪との差別化がかなわず、仕事が入らないのは当然の流れだといえる。

「開業=スタート」なのに、ゴールと勘違いする人の特徴
 
登録・開業と同時に「士業」としての肩書を手に入れると、それだけで満足する人も多い。具体的には、以下のケースである。

・開業届を出しただけで、何の営業活動もしていない
・ホームページを作ったものの、PV数が伸びない
・事務所を借りたのに、お客さんが一人も来ない

 これらの人に共通するのは、開業時点で目的を達成した気になっていることだろう。現実には、開業はゴールではない。そこから仕事をつくることが本当のスタートだが、多くの人は「待ちの姿勢」を貫き、ひたすら自分の椅子を温めている。

「仕事が来ない…」と悩む前に
 
いざ開業し、仕事を獲得するには、待つより動く必要がある。たとえば、以下の通りだ。

・SNSやブログで発信し、専門性をアピール
・異業種交流会やセミナーに参加し、人脈を広げる
・ターゲットである顧客層に向け、直接営業をかける

 これらはあくまで一例だが、単に資格を取った、開業したというだけでは、仕事は一向に来ない。仕事は待つのではなく、取りに行くという意識を持つ必要がある。


3. なぜ「待ちの姿勢」では仕事が来ないのか

 資格を取った、開業しただけで、黙っていても仕事が舞い込むなどあり得ない。それどころか、待ちの姿勢でいるとチャンスを逃し続けることになる。では、どうして待っているだけでは仕事につながらないのだろうか。

 これからその理由について、詳しく解説したい。


① 仕事は「自分で動いた人」の元に集まる

 資格の取得はスタートラインに立つこと。レースに出場する権利を得たに過ぎない。そこから実際に仕事を得るには、自分で動くしかない。たとえば、士業資格の場合、何の営業活動も行わずじっとしていては、世界中の誰もあなたの存在を知ることができない。

仕事を得るのは「資格を持っている人」ではなく「行動した人」
 
世の中には、資格を持ちながら仕事を得られない人と、無資格なのに活躍している人がいる。両者の差は行動力にある。実際に成功している人には、以下の共通点がある。

・SNSやブログで発信し、自分の専門知識をアピールしている
・異業種交流会や勉強会に積極的に参加し、人脈を作っている
・知り合いに自分の仕事を伝え、口コミで仕事を広げている

 これらからもわかるように、資格はあくまで「入り口」に過ぎず、そこから先の実績づくり、営業活動なくして、仕事を得られないことがわかる。


② 資格業の仕事は「人と人のつながり」で生まれる

 資格業には、人と人とのつながりが欠かせない。どんな難関資格を持っていようが、顧客に届かなければ仕事にならない。

仕事は「知っている人」にしか依頼されない
 
たとえば、企業が就業規則の作成を外注する際、候補となるのは「知っている・・・・・社労士」か「紹介された・・・・・社労士」だ。たとえ資格があっても名前を知らなければ、選択肢にすら入れないのである。

士業の成功者は「営業が上手い」
 
士業者のうち、成功を収める人は総じて、営業や人脈形成に積極的だ。

・定期的に異業種交流会に参加し、経営者とのつながりを作っている
・士業同士のネットワークを活かして、仕事を紹介し合う
・顧客との関係を大切にし、リピートや紹介を増やしている

 これに対し、「待ちの姿勢」でいる人は、人脈を広げる努力をせず、結果的に誰からも仕事を頼まれることなく終わってしまう。


③ 「資格があるだけの人」は埋もれる

 20年ほど前まで遡れば、資格を持っているだけで仕事が舞い込むことはあったのかもしれない。けれど、インターネットの普及により現在の状況は大きく異なる。

情報が溢れた現代では、資格を持っているだけで差別化できない
 
インターネットが発達する前は、資格者は貴重な専門家として重宝される場もあったのかもしれない。しかし、少なからず今は違う。

・Googleで検索すれば、専門知識を無料で得られる
・SNSやYouTubeで情報発信している資格者が増えている
・AIやツールの進化により、一部の業務は自動化が進んでいる

 このような時代では、「資格を持っているだけの人」は簡単に埋もれる。実際に仕事を得ているのは、「資格+α」の強みを持っている人である。

ネットで目立つには「発信」が必須
 今の時代、仕事を得るにはネットの活用が欠かせない。資格を活かして仕事を広げたいのなら、以下の発信が有効だ。

・ブログやSNSで専門知識を分かりやすく解説する
・YouTubeやTikTokで動画を発信する(顔出ししなくてもOK)
・Twitter(X)でリアルな体験談をシェアする

 資格だけでは差別化できない時代だからこそ、「この人に頼みたい」と思わせる工夫が不可欠である。


4. 「待ちの姿勢」から抜け出す行動戦略

 繰り返すが、資格を持っただけで仕事は来ない。「待ちの姿勢」から抜け出し、実際に仕事をもらうには、自分から積極的に動くしかない。ここでは、具体的な行動戦略を4つご紹介する。


① まず自分を知ってもらう(認知を広げる)

SNS・ブログ・YouTubeなどで情報発信を始める
 今の時代、どんな仕事も「知ってもらうこと」が最初のハードルとなる。資格を持っていたとして、それを知ってもらえなければ、誰も依頼しようがない。
 そこで積極的に活用したいのが、SNSやブログ、YouTubeなどのオンラインでの発信。以下のような発信を続けると、見込み客や仕事のチャンスを広げることができる。

✔ ブログ:業界の情報や専門知識を発信し、SEOで集客する
✔ SNS(X・Instagram・Facebook):リアルタイムでの情報発信や交流
✔ YouTube・TikTok:動画での解説により、信頼を積み重ねる

実績がなくても「発信」により仕事につなげる
 
資格取得後、実績がないことを理由に発信ができないと考える人もいるかもしれないが、発信すること自体に実績は不要だ。むしろ、発信を続けることで仕事につながるケースが多い。

 たとえば、行政書士事務所を開業した人が「開業準備のリアル」をブログで発信した結果、同じように開業を目指す人から相談を受け、そこから仕事につながった事例もある。筆者である。

 はじめから「完璧な情報」を目指す必要はない。「学びながら発信する姿勢」が、結果的に仕事を運んでくれるから。


② 自分から営業する勇気を持つ

「仕事が欲しい」なら、自分からアクションを起こす
 
資格があるのに仕事が来ないと悩む人の多くは、「待ちの姿勢」を保っている。しかし、実際に仕事を得ている人は必ず、自分から動いている。

 「営業」と聞くと、その商品やサービスを必要としていない人に対し、ゴリゴリ売り込むイメージを抱くかもしれないが、大間違いだ。営業の本質は、いま困っている人に自分の価値を知ってもらうことである。

✔ 過去の友人・知人に「こういう仕事を始めた」と伝える
✔ 異業種交流会や地元の商工会など人の集まる場所に顔を出す
✔ 「無料相談」を実施し、最初の接点を作る

資格者でも「営業」は必要。自分を売り込める人が強い
 
たとえ取得が難しい資格を持っていたとしても、資格試験の難易度と仕事獲得とは別の問題だ。実際に仕事を得るには、営業が欠かせない。

 具体的に、行政書士なら「補助金申請が得意」「外国人ビザの専門家」など、自分の強みを明確にし、それを積極的にアピールすることで、依頼につなげやすくしよう。


③ 小さな仕事でも実績を作る

最初は「ボランティア」や「安価な仕事」でも、経験値を積むことが大切に
 
「仕事が来ない」と悩む人の多くは、何の実績も持っていない場合が多い。実績がなければ信頼してもらいにくいだけでなく、本人にとっても自信が持てないことから、結果として仕事が増えないという悪循環に陥る。

 そこで、最初のうちは以下のような「小さな仕事」から積極的に受けることをお勧めしたい。

✔ 知人の相談に無料で乗る:実績としてブログに書く
✔ 地域のNPOやボランティア活動で仕事の機会を得る
✔ クラウドソーシングを活用して、低単価でも経験を積む

「無料相談」などを活用し、まずは信頼の獲得を
 
たとえば、士業やコンサルタントの多くは無料相談を実施し、とにかく人との接点を作り出すことだ。無料相談の結果、「この人に頼みたい」と思ってもらえれば、そこから正式な依頼・契約へとつながることも多い。

 また、実績として記載するのに有償・無償は問われない。最初の実績をつくることで、口コミや紹介の可能性も広がり、次第に高単価の仕事を受けられるようになる。


④ 人脈を作るために動く

異業種交流会・勉強会・SNSでの交流を積極的に活用する
 
資格業の場合、「人と人とのつながり」から仕事につながるケースが多い。そのため、資格を取得したら人脈形成を意識して。

✔ 異業種交流会や商工会などに参加し、経営者とつながる
✔ 同業者の勉強会に参加し、情報交換をする
SNSで業界の人と交流し、仕事の話につなげる

仕事は「紹介」から生まれることが多い
 
資格業は、とにかく信頼関係が重要視されるため、「紹介」が重要な要素となる。たとえば…

・税理士が行政書士を紹介する
・弁護士が社労士を紹介する
・顧客が別の顧客を紹介する

こうした「紹介のネットワーク」を作ることで、安定した仕事につながりやすくなる。


5. 「待つ」より「攻め」の姿勢を!

 資格を取ったのに仕事がないと悩む人の多くは、「待ちの姿勢」でいる。しかし、どんなに優れた資格も持っているだけでは何の役にも立たない。


「待ちの姿勢」ではなく、「攻めの姿勢」を持つ

 資格さえあれば仕事が舞い込む―――これは幻想である。実際に仕事を得ている人は、必ず自分から積極的に動いている。営業や発信、人脈作りなど、あなたの行動が仕事を運んでくるのだ。


自分から動いて仕事をつかみに行く意識が重要

 口では「仕事が欲しい」と言いながら、何も行動しなければ仕事はなくて当然だ。本当に仕事が欲しいなら、次の3つを意識して。

✔ まず「知ってもらう」ために発信をするSNSブログYouTubeなど)
✔ 「営業=売り込み」ではなく、「価値を伝える」意識を持つ
✔ 仕事は「紹介」から生まれるため、積極的に人脈を作る


「営業は苦手」ではなく、「まず知ってもらうこと」から始めよう

 営業に苦手意識を抱く人は多いが、その本質は、「自分の仕事・価値を知ってもらうこと」にある。無理な売り込みは論外。まずは、発信や交流を通じ、自分の価値を伝えることを意識しよう。

 ただ資格を持っているだけで生まれる仕事などない。自分から動き、積極的に仕事をつかみに行く人だけが成功する。今、この瞬間からできることはある。

 さぁ、あなたは何からはじめる?

第4回:「資格を取る=ゴール」になっている人―取得しただけで満足する人が陥る落とし穴

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 第3回「資格があっても採用されない理由」では、「経験・人脈・スキルがないと厳しい現実」に焦点を当てた。第4回では、「資格を取るだけで満足してしまう心理」と「行動を起こさないことで生じる問題」にフォーカスしたい。

1. はじめに:資格取得はスタートラインのはずが…?

「資格さえ取れば人生が変わる」と思っていたのに、何も変わらない?

 多くの人が資格を取得する際、無意識に「これさえ取れば、自分の人生が変わる」と期待を抱く。資格を取得すれば仕事のチャンスが増える、収入が上がる、もっと良い生活が手に入るなど。特に、社会人になってから資格を取得するとなると、「これで一歩前進だ」「自分は努力している」と感じることが多い。

 しかし、現実に予想していた変化は起きないことがほとんどだ。むしろ、思っている以上に周囲の反応が薄いことに落ち込み、自己評価が低下することもある。「資格を取ったのに何も変わらない」と感じるのは、そういったギャップに由来する。

 資格取得をゴールと捉える人が多い理由として、教育システムや社会的に「資格=能力」と認識される場が多いことにある。試験に合格すれば何かが変わる。または、既に変わったと思い込む。これは、資格学習に集中している間に抱いた期待、資格取得により手に入れられると信じた未来の自分があまりに大きいことが原因だ。

 けれど、資格取得はスタートラインに過ぎない。にもかかわらず、資格を取得し、「やった!」と感じると同時に満足し、次の目標を見失う人が多いのも事実。試験をクリアすること自体が目標となり、その先に考えるべき「活用法」について見えないのだ。

なぜ多くの人が資格を取るだけで満足してしまうのか

 なぜ多くの人が資格を取るだけで満足してしまうのだろうか。その理由を掘り下げると、いくつかの心理的な要素が浮かび上がる。

 まず、資格取得は1つの「成果」で、その達成感から動きが止まる。さらに、社会的な価値基準や他人への期待も影響を及ぼし、資格を取ること自体が目的かするケースが多い。

 たとえば、ある資格を取ったのちに「次はどうするか」のフレーズが頭をよぎるとき、次の一歩を踏み出すには何らかの勇気が必要だ。この点、資格取得を「ゴール」と捉えていると、スタートとなるべき新たな挑戦への足掛かりに届かない。これが、資格取得後に何も変わらないと感じる原因のひとつである。


2. 資格取得に満足してしまう心理

「やり切った感」による達成感 → 本来の目的を見失う

 資格を取った後、多くの人が抱く達成感は非常に強い。この達成感は、長い時間をかけて続けてきた学習や努力の末に得た結果であり、何より「自分が頑張った証」として噛みしめることができる。しかし、この達成感は時に”落とし穴”となることもある。

 資格取得による達成感は自然なものだが、問題は、その先に何をするか考えず行動を止めてしまうことにある。資格取得自体が目的化し、次のステップに進む意欲が欠けてしまうことで、取得後の「本来の目的」を見失い、次に何をすればいいかわからないというジレンマに陥る。

「資格を持っているだけで評価される」という思い込み

 また、資格取得に満足する理由として「資格を持っているだけで評価される」という思い込みがある。資格は自分の能力を証明するものと考え、すぐに社会的な認知や評価につながるものと過信するのだ。特に、資格試験を受ける前には、自己肯定感を高める手段として資格取得を検討する場合が多い。けれど、現実はそうはいかない。資格を持っているだけで評価が得られることは稀で、実務経験やスキルが伴わない限り、その資格の価値は薄れる。むしろ、資格を持っていることのみを他人にアピールすれば、「本当に実力があるのか」という疑念を抱かれることとなる。

努力した分、すぐに報われると期待する心理

 さらに、「努力の分だけ、すぐに報われる」との心理もはたらく。資格取得に向け、多くの時間と労力を費やした後、誰もが「努力は実るべき」と思い込む。しかし、すぐに成果が出るわけではなく、「この資格をどう活かすか」という新たな壁に直面するのが現実だ。こうした期待と現実とのギャップに直面した結果、モチベーションが低下し、失望することもあるだろう。

 だからこそ、「資格」と「成功」を切り離して考え、資格をどう活用するかを考える必要がある。


3. 情報収集ばかりして行動しない人の特徴

 資格を取得した後、必要なのは「実際に行動すること」だ。しかし、「準備不足」と感じ、行動に移せないままでいる人も多い。特に、資格を取得した後に陥りやすいのが「もっと勉強しなくちゃ」「もっと知識を増やさなければ」と考え、知識の収集ばかりに集中してしまうこと。要するに、”頭でっかち”になる。

資格取得後も「もっと勉強しなきゃ」と思ってしまう

 資格試験に合格し、いったん自分を認めるべきところを、さらに自分を追い詰めることがある。このとき、「準備が不十分だからまだ動けない」という不安が潜んでいる。たとえば、実務経験や自信、市場動向に関する情報が不足していることを理由に、学習や調査ばかりを行う人がいる。

 学習自体は大切なことだが、知識ばかりを得たところで、実際の業務に活かすことができない限り、「机上の空論」で終わってしまう。

 この手のタイプは、自己啓発本やネット記事を読み漁り、自分がやるべきことに関する情報収集に時間と労力を費やす。しかし、いくら集めても安心できず、実際に活用することの重要性には気づけない場合が多い。こうして、知識ばかりが先行し、行動に移さないために状況が進展せず無意味に終わる。

「独立のために準備中」と言い続けて数年経過する人

 「独立したい」「フリーランスとしてやっていきたい」と目標を掲げ、資格を取得するも、実際に準備が進まないまま月日が経過するケースがある。準備は大切だが、「万年準備中」では意味がなく、その間に自分のポジションは後退するばかりだ。

 このような人たちは、準備不足を盾に動けないどころか、準備の過程そのものに満足感を抱いているのが特徴でもある。新たな資格を取得することを次のステップと捉え、他の成功者のストーリーばかりを追っては、自分の準備不足を感じ、さらに動けなくなる―――このような悪循環に陥る。

 もし、実際に準備が整ったとしても、実際に何をするか、どう行動するかを考える癖をつけなければ、また同じように準備ばかり続けるだけだろう。結局、こうした人たちが独立への道を一歩も進んでいないことに気づくのは、ずっと先のことだ。

SNSやネットで他人の成功談ばかり追いかけてしまう

 インターネットやSNSで見る他人の成功談に惹かれ、それらに多くの時間を費やす人がいる。確かに、他人の成功サクセスストーリーは魅力があり、自分もその人のようになりたいと憧れる気持ちは理解できるが、問題は、それが自分の幸せだと思い込むことにある。

 他人の成功を自分の成功だと錯覚すると、成功の方法を知るためにその人に関する情報を集めることとなり、あっという間に時間が過ぎる。その結果、「自分は何もしていなかった」という残念な結末を迎えることとなる。

 このほか、SNSで見る成功者の美談や、彼らが使用するツールやサービスに刺激を受け、自分も手に入れなければならないような気持になることがある。こうした情報収集のループに一度ハマってしまうと、次から次に新しい情報を求めるようになり、手と足は止まる。結果として、あなたは何の行動も起こせなくなる。


4. 行動しないことで起こる問題と実例

 資格を取得し、行動しないまま時間だけが過ぎていくことがある。ここでは、そのような場合に起きる問題について、具体例を交えて考える。

就職・開業のハードルが上がる

 資格試験への合格に満足し、実務経験を積むことを怠ると、時間が経つにつれて就職や開業に対するハードルはどんどん高くなる。たとえば、行政書士試験に合格したとする。しかし、合格後に「勉強は嫌と言うほどしたから、あとは実務経験だな」と思うだけで、実際には何の行動も起こさなかった場合、数年後、何の経験もないことに焦る。

 開業や転職を検討する際、同時期に資格試験に合格した人たちは既に、現場での経験や実績を積んでいるとしたら、選考で不利になるだけにとどまらず、依頼を受ける場合に信頼を獲得することも難しい。資格を保有するだけで実務経験が乏しいと、クライアントや雇用主から「実績がないこと」を理由に不安がられる。

 そのため、資格試験に合格してからの期間が長いほど、その実績を埋めるために多くの労力を費やすこととなるのだ。

 このように、資格取得から行動しないままでいた場合、行動しなかった時間だけ自分の成長を妨げることとなり、チャンスを逃すのである。

実際に動いた人のほうが成功確率は高く、時期も早い

 情報収集ばかりしていては、実際に行動した人に勝ることはない。資格を取得したばかりの人にありがちなのが、実務経験を積むのに必要な情報を集めるばかりで、考えすぎて動けなくなること。

 資格取得後、あなたが完璧に準備を整えようと考えている間、別の人はその資格を活かし現場に飛び込んでいる場合、後者は経験を積み、スキルを磨くことができる。その結果、先に成功を収めるが、頭でっかちになり動けなかった人は、ますます後れを取ることとなる。

 情報も大切だが、過度に依存し、行動できなくなるくらいなら無知なほうがマシということもある。

 そもそも、インターネット等で情報を集める場合、膨大な情報量を前に生後判定を行うのは至難の業で、ますます調べること自体を辞められなくなる可能性がある。それではあまりに勿体ないではないか。

資格取得だけで満足し、他のライバルとの差がつく

 資格取得をゴールだと思い込んだ場合、他のライバルとの差が大きくなる。たとえば、行政書士試験の場合。試験合格後、これに満足して終わってしまう人は多い。しかし、資格を持っているだけでは実際の仕事につながることはほとんどなく、登録を経て、実務を行っている人との差は広がるばかりだ。

 資格試験に合格し、すぐにでも実務に従事している人は、否が応でも実務経験を積むこととなり、必然的に他のスキルも身につくことから、成長が止まらない。他方、試験合格後に「これで十分」と考え、行動に移さない人の場合、同じ資格を持っているライバルとの差はどんどん広がり、最終的に、就職や転職、開業時に不利になる。 

 このように、資格取得そのものをゴールとする考え方は非常に危険だ。そのいっぽうで、資格を取得してからが初めてスタートなので、その後の行動によりいくらでも他者との間に差をつけられる。


5. 「資格取得=ゴール」から抜け出すために

 資格を取得すること、それ自体が一つの成果だ。しかし、「合格=ゴール」と考えてしまえば、資格を活かすのに必須である「行動」に移すことはなく、無駄な時間を過ごすこととなる。

 ここでは、資格取得後にどう行動すべきか、そして、成功に繋げる方法について詳しく見ていこう。

資格を取ったらすぐに動く!最初の小さな一歩を踏み出すコツ

 資格取得後、行動に移すことが難しいと感じ、思い悩む人もいる。その理由は、「踏み出すべき一歩の大きさ」に関する思い込みにある。

 資格を取得したあなたに必要なのは、「小さな・・・一歩」だ。

――にもかかわらず、何の根拠もなく「大きな・・・一歩」を踏み出すべきと考える人が後を絶たない。

 たとえば、行政書士の場合。

 登録後に初めての仕事(依頼)を受けるのに対し、不安を抱くのは自然だ。この点、いきなり有料相談を始めたり、大々的に広告宣伝を行うのではなく、「まずは無料で相談に応じる」「知人に資格取得を知らせる」など、小さなステップから踏み出すことをお勧めしたい。ここで肝心なことは、失敗を恐れず、まず手足を動かし、実務経験を積むことだ。

 行動を起こせば、あなたがどこでつまずき、今の自分に何が足りないのかを自認することができ、次にすべきことや方向性を知ることができる。しかし、何もせず、考えているばかりでは、なかなか「次の一手」は見つけられず、時間ばかりが過ぎていくこととなる。

 そのため、小さくてもいいので「初めの第一歩」を踏み出してほしい。

「行動すること」にフォーカスし、仕事につなげる方法

 資格を取得した後、最も大切なのは「行動すること」と繰り返している。なぜなら、資格を持っているだけで仕事に繋がることはないからだ。

 では、どのように行動すれば仕事につなげることができるのだろうか。

ネットワークを広げる:
 
資格取得後、まずはネットワーキングを始めよう。あなたの周りにいる人に対し、資格を取得したことを報告し、同じ業界で活躍する人たちとつながりを持つことをお勧めする。SNSやセミナー・勉強会、業界のイベント等に積極的に参加し、さまざまな情報を得たり、チャンスにつなげることを意識して。

実績作りにプロボノ活動やボランティアを行う:
 
実務経験が足りないと感じるのなら、はじめから依頼につなげることばかり期待するより、ボランティアや無料相談などから始め、徐々に実績を積む方法を検討しよう。これにより自信をつけることができ、クライアントや雇用主に対し、有効なアピールができるようになる。

具体的な目標を設定する:
 
資格を取得した後、漠然と「やりたいこと」を考えるばかりでは、行動に移すのが難しい。目標は具体的に設定し、達成までに必要な工程に分けて考えるといい。たとえば、単に「仕事をつなげる」と考えるより、「〇か月以内に初めての案件を受ける」「〇以内に5件以上の特定案件をこなす」といった具合に、実現可能性の高い目標を設定して行動することで、進捗確認を行いながら前進することができる。

成功している人は何をしているか

 いわゆる「成功者」には共通する特徴がある。彼らは資格を取得した後、いったい何をしてきたのだろうか。

1.継続的な自己研鑽

 成功者の多くは、資格取得後も学ぶ姿勢を保っている。それは、新たなスキルの習得に限らず、常に最新の業界動向を把握するためでもある。自分が得た知識やスキルについて、常に市場で通用するかを意識し、自己研鑽を続ける姿勢こそ成功へのカギである。

2.積極的なチャレンジ

 成功者は、リスクを恐れない。はじめは小さな案件から挑戦し、失敗を恐れることなく行動を続ける。資格を取得しただけで満足することはなく、自らチャンスをつかむため、次々に新しいことへ挑戦しているのである。

3.失敗から学ぶ

 成功者の多くは、失敗を「学びのチャンス」と捉える。はじめから完璧を目指すとあれこれ難しく考えなければならないが、彼らは失敗やうまくいかない場面で「それらをどう活かすか」を大切にしている。失敗を恐れて行動できないくらいなら、失敗を重ね、そのぶん成長していけば最終的に成功につながるのだ。


6. まとめ:資格は「使ってナンボ」

 資格を取得するには、少なからず費用コストと労力がかかる。それらを払ってでも得たこと自体は素晴らしい成果だが、その後の行動こそが何よりも大切なことを、ここでもう一度確認しよう。

 資格を取得しただけでは、現実は一ミリも変わらない。その資格をどう活かし、どう仕事に繋げるかはあなた次第だ。

資格を取っただけでは何も変わらない

 資格試験への合格は、あくまでもスタートラインに立つことだ。資格を手に入れた時点で得る喜びや達成感は理解できるが、それは、これから得る喜びや成功に比べれば小さなものだ。その後、どれだけ実務にて活用できるかこそ大切にしてほしい。

 たとえば、資格試験に合格した途端、「これで安泰」などと考えてしまえば、時間の経過とともにあなたの市場価値は下がる。実務経験の伴わない資格は、同じ資格を持つ経験者たちとの差を埋めるのが難しいのである。

 資格は「使ってナンボ」だ。持っているだけでは意味がない。実際に使わなければ、自分のスキルを証明し、価値を高めることはできないことを肝に銘じておこう。

行動しなければ、努力は報われない

 資格試験までに費やした時間や労力は決して無駄ではないが、合格後に行動しない限り、そこまでに費やした努力は水の泡となる。資格をとった後に行動しなければ、時間の経過とともに知識は風化し、他の合格者たちに後れをとる可能性ばかりが高まる。

 行動を起こすには大きな勇気が必要だが、その一歩は、あなたに必ず新たなチャンスをもたらす。初めての依頼・案件を受けることで実務経験となり、その後の成長へと繋がる。さらに、行動があなたと周囲の人々とをつなげる懸け橋となり、あなたの可能性を広げてくれる。

 「資格さえあれば」の考え方だけで成功に至ることはなく、行動こそ、資格を活かすのに必要な道である。

「勉強」より「実践」を意識して

 資格学習は重要だが、その後に待つ実践を意識することは更に大切だ。

 資格を持っていること自体を評価される場は限られ、その資格を活かし、現場にどれだけ貢献できるか、どれだけ成果を出せるかが評価のポイントとなる。

 実際に仕事をこなさなければスキルは磨かれず、学んだことを実践しなくては成長しない。資格の取得後、どれだけ多くの実務を経験し、自分のスキルを広げられるかが成功のカギを握っている。

 「勉強すること」はもちろん大切だが、それは実際の仕事やビジネスがあってのこと。資格の真価が発揮されるのは試験会場ではない。実践を通じ、あなたが感じ、学ぶことを糧に進む次のステップこそ、最も価値のあることだと筆者は思う。


最終ポイントは、資格を活かすための行動

 資格取得自体が無駄とはいわない。しかし、本当に大切なのは資格をどう活用するかだ。はじめの一歩を踏み出し、積極的に行動することが、資格を持っているだけの状態から脱却し、成功へ繋げられる唯一の道である。

 資格の取得をゴールと捉えず、取得後、どう動くかがあなたの人生における成功を左右する。学習や情報収集に偏らず、実践と行動を意識し、仕事に繋げることで資格は真に活かされ、結果として大きな成果を生み出す。

 資格試験に合格したあなたへ。

 おめでとうございます。次は、その資格をどう活かすかを考え、行動する番だ。成功は、あなたが動いた先に待っている。

第3回:資格があっても採用されない理由―経験・人脈・スキルがないと厳しい現実

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 「資格があれば就職や転職で有利になる!」 「独立して稼げる!」

 こうした期待を胸に資格を取得したものの、「不採用」「仕事なし」「収入なし」の三重苦に見舞われていないだろうか。

 実際に経験した人は痛いほど思い知っただろうが、資格を持っているだけでは大した武器にはならない。採用市場、独立市場のどちらも、である。無資格の頃には想像もしていなかった事態だと思う。

 有資格者のあなたの前に、新たに立ちはだかるのは「経験」「人脈」「スキル」という資格外の大きな壁だ。

 では、なぜ資格だけで通用しないのだろうか。そして、どうすれば資格を活かせる職に就けるのか。

 今回は、資格取得後に多くの人が直面する「不採用の理由」を掘り下げ、資格+αで市場価値を高める方法を考えたい。


1. なぜ資格があるのに採用されないのか

 無資格者の一部は次のような期待を抱く。

 「資格をとれば転職に有利なはず」「資格さえあれば独立して今より稼げるのに」と。

 しかし、いざ資格試験に合格し、意気揚々と向かった採用面接。結果はいずれも不採用で、力なくうなだれることとなる。その悲壮感漂う背中にあるのは、皮肉にも資格のみである。

 ここで考えられる不採用の理由は3つだ。


(1) 経験がないから

 採用市場において重視されるのは、資格ではなく実務経験だ。特に転職の場合、この傾向が顕著である。

 たとえば、宅建士の資格はあるが、不動産業界未経験の場合、同じく宅建士の資格がある営業経験者に劣る。同じく、実務経験のない行政書士試験の合格者が面接に来たとして、実務においては「一般人に毛が生えた程度」の扱いしか受けられず、即戦力とはなりえない。これが社労士司法書士でも同じことが言えるだろう。

 企業が欲しいのは、資格者ではない。即戦力だ。

 そのため、いくら「未経験者OK」と記載があっても、いざライバルが経験者となれば勝ち目はない。


(2) 人脈がないから

 意外かもしれないが、就職や独立に関し「人脈」の有無も影響を及ぼす。特に、行政書士社労士等の士業や、フリーランスで活躍する資格職の場合、独立初期に舞い込む仕事の大半は「知り合い経由」だ。

 そのため、資格を取得し、業界とのつながりがゼロの状態で求人を探したところで、好条件の職は見つかりづらいし、独立するにしても集客に苦労するだろう。

(3) スキルがないから

 資格は、一定の知識があることを示すものだが、スキルがあることを証明してはくれない。たとえば、プログラミングの資格があっても、実際にコードを書けるかは別問題だし、TOEICなど外国語関連の資格を持っているからと言って、現場で通用するレベルとは限らない。また、士業資格があったとしても、相談対応や書類作成をはじめ、交渉力などのスキルが伴わなければ仕事として成立しない。

 企業は一貫して「即戦力」を求め、資格だけでなく、実践的なスキルを身に着けることを意識したい。


2. どうすれば資格を活かせるか?

 では、「経験、人脈、スキル」がなければ資格を活かせないかといえば、必ずしもそうではない。諦めるのはまだ早い。

 以下に、資格+αで市場価値を高める具体的な方法を紹介する。

(1) 無料・低コストで経験を積む方法

 未経験でも、実務経験を積む方法はいくつか存在する。

インターン・アルバイト・業務委託を利用する
 
未経験者でも、短期インターンやアルバイトとして経験を積むことで、履歴書に記載できる「実績」となる。

副業としてスタートを切る
 
はじめから転職や独立を考える方法もあるが、クラウドソーシングや個人向けの小さな案件から着手し、コツコツ実績を積み上げる方法だ。

自分でプロジェクトを立ち上げる
 求人や依頼がないのなら、自らプロジェクトを立ち上げる方法もある。たとえば、ライター志望ならブログを運営したり、既存コンテンツへの寄稿、プログラマー志望なら自作アプリの開発・リリースが考えられる。

 要するに、経験を積めない状況に置かれたとしても、能動的に自分で経験を作ることが大切だ。

(2) 人脈を作る方法

 資格業界における人脈は、仕事のチャンスに直結することも多い。そのため、勉強会や交流会への積極参加、SNSブログで発信し、横のつながりを意識するほか、業界のイベントに顔を出す方法が有効だ。

 人脈がないと悩むときこそ、積極的に動く必要がある。

(3) 資格+スキルで市場価値を上げる

 資格単体で捉えるのではなく、「資格+α」の思考を大切にしたい。
 たとえば、以下の通りだ。

  • 行政書士+マーケティングスキル → 独立時の集客力UP
  • FP+ライティングスキル → 資産運用コラムで収益化
  • TOEIC+翻訳スキル → 実務翻訳の案件獲得

 資格は常に基盤ベースであり、キャッシュポイントは「+α」の部分に集約される。


3. まとめ

 資格だけでは仕事(収益)につながらない理由は、「経験」「人脈」「スキル」の不足が考えられる。そのため、資格を活かすには、経験をつくり、人脈を形成し、スキルを身に着ける必要がある。また、資格単体で見るのではなく、実践的なスキルと組み合わせることで市場価値を高めていこう。


「資格はあるのに採用されない」「仕事につながらない」

 こうした悩みを抱えているあなたには、ぜひ上記3点を意識してほしい。

 資格はあくまでスタート地点だ。そこからどう動くかはあなた次第である。

第2回:自己分析の欠如 — 自分の強みと市場のニーズを見誤る

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1. 仕事がある資格・ない資格の違い

 資格をとることは一つの自己投資だが、その後、市場においてどれほど活躍でき、仕事に結びつけるのかにより、資格の市場価値は大きく変動する。つまり、市場なくして資格の価値ははかれない

仕事がある資格

 仕事がある資格は「市場価値が高い資格」と言い換えられる。価値が高いということは需要が高く、仕事が多く存在するということだ。

 たとえば、プログラミングやネットワーク関連等のIT資格、看護師や医療事務などの医療・介護関連資格、行政書士司法書士弁護士などの法務関連資格は安定的な需要が見込めるため、専門知識を活かし、他の仕事に比べると仕事に直結させやすいといえる。

 IT関連資格では、システムエンジニアやプログラマーなど、ネットワーク関連の資格も企業のIT部門で求められることが多い。特に、デジタル分野の発展にともない、これらのスキルを持つ人材へのニーズは年々上昇している。

 医療や介護に関わる資格についても、急速に進む高齢化や医療の複雑化に伴い、安定した需要が見込める。特に、看護師や医療事務等の資格は、実務経験が求められるケースは多いものの、専門職としての需要が”常に高い”ため、経験が浅くとも収入につなげやすい。

 法務関連資格では、行政書士司法書士弁護士など法律に関わる手続きのサポート業務が多く、需要は不変的である。ただし、他の資格と比べ、取得にかかる時間と費用コストが高い傾向があり、その点を考慮して挑戦することをお勧めする。

仕事がない資格

 いっぽうで、市場価値が低く、仕事に繋げるのが難しい資格も存在する。これらの資格は、時代のニーズに合ったスキルや知識を提供できない場合が多のが原因だ。たとえば、過去に流行した資格や、競合が多く、飽和状態にある分野については、就職や転職に武器として役に立たないだろう。

 では、どんな資格が該当するのかといえば、マイナー資格や業界が限定的なものだ。これらの資格は活用範囲が限定されることから、需要そのものが低くなり、資格取得者の数が増えるほど供給過多となる。そのため、就職市場でそれに見合うポジションを探すのに苦労する場合がある。


2. 資格取得者の飽和問題

 資格を取ること自体は素晴らしい一歩だが、その後、飽和状態がもたらす現実は決して軽視できるものではない。資格の取得者が増え、需要がそれに見合わなくなると、単に資格を保有するだけで仕事を得るのは難しい。


1) 資格を持っている人が多すぎる

 現在、特に人気の資格分野において、資格取得者が急増している。たとえば、行政書士宅地建物取引士簿記など、数年前には大変競争率が高かった分野でも、今では資格保持者が増え、競争が激しくなっている。これが飽和問題の根本的な原因である。

資格取得者の増加と需要のアンバランス
 資格が人気になると、それに伴って資格を取得する人も増える。しかし、需要はそれに追いつかず、競争だけが激しくなり、どれだけあなただけの価値を見出せるかという壁が生じる。たとえば、税理士弁護士など法律専門職の場合、いくら資格があっても同業者と差別化できなければ難易度の高い案件を得ることはできない。


2) 競争の激化と差別化の必要性

 資格取得者の増加により、同じ資格を持つ人同士の競争が激化している。この状況で生き残るには、どれだけ他と差別化できるかにかかっている。

市場で目立つには:
 資格を取るだけでなく、その資格をどう生かすかがポイントだ。この点、より専門性を高め、他の追随を許さぬほど特化することで差別化が図れる。たとえば、行政書士の場合、単に「許認可申請を行います」というだけでなく、特定の分野に特化した許認可を専門にするなど、より細かな部分で差別化を狙うと効果的だ。

ターゲットを絞る:
 資格を活かし、実際に仕事を得るには、ターゲットの絞り込みが有効だ。たとえば、年齢層、業種、特定の地域などを対象にすることで、競争を避けることができる。また、個人・法人を区別することも差別化の一手となる。


3) 資格を持っているだけでは通用しない時代

 現代において、資格を取得するだけで仕事を得るのは困難だ。そのため、市場で資格以外のスキルや経験、自己アピールの方法を考える必要がある。

資格だけでは足りない時代:
 時代は、いま生きている我々がつくるものだ。現代を生きる人の多くが何らかの資格を取得している今、各業界で飽和状態となっており、スキルセットの拡充が求められている。たとえば、行政書士の場合は、ただ資格を保有しているだけでなく、ITやマーケティングなど業務に役立つ他のスキルとの掛け算を求められる場が多い。

付加価値をつける:
 資格を取得後、仕事の受注に繋げられない理由の一つとして、「他の資格取得者と同じことをしている」点が挙げられる。繰り返しになるが、市場で仕事を得るには差別化が必須の現代において、他の取得者と同じことをしていては意味がない。たとえば、宅地建物取引士として活動するのなら、不動産投資に特化した知識提供を行うなど、より専門的なスキルを持つことでクライアントからの信頼も厚くなるだろう。


4) 飽和問題に対する戦略

 資格の飽和問題に直面した場合、以下のアクションが有効だと考えられる。

パートナーシップの活用:
 激しい競争の中で生き残るには、他の専門家との連携サービスが考えられる。たとえば、行政書士の場合、自分と異なる専門を持つ行政書士と協力し、相続×不動産で提供するなど、横のつながりを意識してサービスを拡充することで差別化を目指す。

リピーターの獲得:
 飽和状態の市場で生き残るには、単発スポット業務に限らず、リピーターを増やすことを意識したい。そのためには顧客満足度を意識したコミュニケーションやアフターケアを大切にするといい。単に、○○屋さんと覚えてもらうより、一個人として覚えてもらうとさらに効果的である。


3. どうすれば仕事につながるか?

 では、実際に仕事を得やすい資格とはどのようなものだろう。
 答えは、現在だけでなく、今後も需要拡大が見込まれる資格だ。

1) ネットワーキングの活用

 資格取得後、はじめに自分の持つ知識やスキルを広めよう。資格取得者が集まる勉強会やイベント、セミナーには積極的に参加し、同じ志を持つ人々とのネットワークを築くのも効果的だ。

業界のイベントに参加する:
 特定の資格に関する勉強会やセミナーでは、同じ資格を持つ人とつながりを持つチャンスだ。また、そこで得られる業界の最新情報や、実際に働いている人から聞く生の声は大変貴重である。これにより、実際にその資格がどう活用され、どんな課題を抱えているかといったリアルな情報を得ることができる

SNSの活用:
 Instagram、Facebookなどを介し、資格に関わる情報を発信したり、専門家とのつながりを持つことも大切だ。そうした中で自分の知識やスキルを積極的にアピールすることで、他の資格者や企業とつながり、仕事に繋がる可能性を高められる。


2) 実務経験を積む

 資格の取得後、最も大切なことは実務経験を積むこと。取得したのみでは資格の可能性は未知数のまま。自分でもよくわからない資格を売り込むなど到底できるわけがない。現場において、実際にその資格がどう活用されているかを肌で感じることで、次のステップへ地下強い一歩を踏み出せるはずだ。

インターンシップやアルバイト:
 資格取得後に実務経験を積む方法として、インターンシップやアルバイト等が考えられる。特に、初めてその資格を活用する場合、実務を通し、知識と経験を経て少しずつ自信をつけよう。これにより、就職や転職時に用いる履歴書に強みを加えられ、他の求職者との差別化が容易となる。

フリーランスとして活動する:
 資格取得後に実務経験を積む場は、企業への就職だけではない。フリーランスとして働く選択肢もある。たとえば、行政書士の場合は、契約書の作成や許認可申請の代行を務められる。フリーランス最大の強みは、自分のペースで案件をこなせる点だが、その反面、集客や営業活動も自分に担うこととなり、経営スキルを総合的に磨くことができる。

ボランティアなど無償の仕事:
 経験を優先するのなら、はじめは報酬を求めず、ボランティアや無償での活動をおこなう方法もある。行政書士の場合、友人知人等の申請書類を作成するのを手伝うなど、実際の業務に触れ、スキル向上を目指すのも立派な手段だといえる。


3) 資格を活かした専門分野に特化する

 どの資格にもある程度の専門性を持たせることができ、一般的な資格取得者と差別化を図るため、特定の分野に特化するのが有効だ。広く浅く資格を活かすのに比べ、浅く深く掘り下げ、特定分野でしっかりとした強みを持つ方が仕事を得やすくなる。

 たとえば、行政書士なら、相続に関する手続きを専門にするほか、法人設立や許認可に特化したサービスを提供するなど、自分の強みをアピールすることが大切である。

ニッチな市場を狙う:
 いくら同じ資格を持つ人が多いとしても、特定のニッチ市場を狙うことで競争優位性を獲得することは可能だ。たとえば、介護業界なら、特に、介護福祉士やケアマネージャーなど、特定の職種に特化したスキルや知識をアピールするのが有効だろう。

認知度を高める:
 専門とする分野で認知度を高めることは、自分に依頼が集まる確率を高め、需要をつかむのに役立つ。認知度を高めるには、ブログYouTubeSNS等を活用し、専門家として信頼を築くことが重要だ。


4) セルフブランディングの実施

 資格取得後において、他の取得者と差別化を図るには、セルフブランディングが不可欠だ。自分の強みを意識し、積極的にアピールしよう。

プロフィール作成:
 あなたの経歴や資格、実績をしっかりとまとめ、履歴書やポートフォリオ、SNS等に反映させることで、他者に強い印象を与えることができる。特に、専門家の多いサイトの場合、自己紹介文や業務内容、資格取得証明書などを使用することで、より高い効果が期待できる。

実績の公開:
 資格を活かした仕事をしているのなら、その成果を公開するのも非常に効果的である。たとえば、あなたがどのような案件を担当し、実際にどのような結果を出したのかを客観的な指標を用いて提示することできれば、信頼性の向上に繋がり、結果的に仕事獲得が期待できる。


終わりに

 資格を取得することも大切だが、最終的な市場価値を決めるのは、その資格をどう活かし、他者と明確な差別化を図ることができるかだ。取得だけで満足するのも構わないが、本当に変わりたいのなら、その後の努力と工夫は不可欠なことをお忘れなく。

 これから資格を取得したいのなら、それにどの程度の市場価値があり、他者との競争率がどのくらいかを熟考の上、選ぶことをお勧めしたい。そして、実際に取得した後には、その知識やスキルをどう活用するかを常に意識し行動してほしい。

 あなたのスキルやキャリアアップに資格を用いるのなら、冷静な市場分析と適切な戦略が不可欠だ。

第1回:資格取得とその現実 — 期待と現実のギャップ

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1. 資格取得に対する期待

 資格は、自己投資の一環として魅力的に映るようだ。特に、30代~40代の男性に人気で、「この資格をとれば、キャリアアップや収入アップにつながる」と期待を抱く人も多い。なんとなくだが、気持ちはわかる。社会的な信用を得るため、必要なスキルを証明するのに資格を1つの武器としてとらえているのだろう。

 多くの人が、資格取得により”今の状態”から抜け出し、さらに良い状況やポジションに進めるのだと考える。おそらく、資格取得の|過程《プロセス》自体を自己成長のステップだと捉えているのだろう。こうした期待感こそが学習や試験へのモチベーションであり、原動力となる。 


資格を取る前の多くの人が持っている「理想」

(1)資格を取ればすぐに仕事が見つかる

期待:
「資格さえ取れば、就職や独立が簡単になる」
「求人が溢れていて、すぐに稼げるようになる」

現実:

  • 資格だけで採用されることは少なく、実務経験が重視される
  • 独立しても、すぐに顧客がつくわけではない
  • 競争が激しく、資格保持者同士の差別化が必要

具体例:
 行政書士試験に合格したものの、開業したら仕事がない…(資格取得後に実務経験を積む重要性)


(2)資格を取れば信用される

期待:
「資格を持っているだけで、権威性が生まれる」
「周囲からの評価が上がる」

現実:

  • 資格があるだけでは信用は得られない
  • 実績・経験・発信がなければ、資格の価値は生まれない
  • 顧客は「資格を持っているか」より「この人に依頼して安心か?」を気にする

具体例:
 宅建士の資格を取ったが、不動産営業では成績が上がらない(資格より営業力が求められる)


(3)資格を取れば収入が上がる

期待:
「資格を取れば、給料が上がる」
「独立すればすぐに高収入になれる」

現実:

  • 会社によっては資格手当がほとんどつかない
  • 資格を活かした仕事につかないと収入に直結しない
  • 独立しても、収入が安定するまでに時間がかかる

具体例:
 社労士資格を取ったが、企業の人事部で働き続けるだけでは給料がほぼ変わらない(資格を活かせる仕事に転職しないと収入に直結しない)


2. 現実とのギャップ

 しかし、現実はどうか。いざ資格を取得してみると、色々なギャップを感じるだろう。以下に、課題と理由を考える。

(1)「資格を取ったのに仕事がない」問題

  • 資格取得者が多すぎるため、供給過多になっている
  • 仕事を得るための営業・マーケティングが必要
  • 資格が活かせる職種に就かないと意味がない

 取得した資格について、取得者人口が多い場合、いわゆる「供給過多」の状態になっている。誰もが知る資格で起こり得る事例なので、取得前のリサーチである程度の予測はつくのだが、できない者もいるのが現実なのであなたは気を付けてほしい。

 また、医師や弁護士、公認会計士などの有名かつ取得が難しいといわれる資格でない限り、その資格を活かせる業種に就かない限り、雑談の種になるのがせいぜいである。

対策:
 考えられる対策は、「資格を活かせる分野を調べ、戦略的に行動する」こと。できれば、取得前にリサーチすることをお勧めするが、取得後でも遅くはない。


(2)「資格を取ったのにスキル不足」問題

  • 実務経験がないと使い物にならない資格が多い
  • 試験勉強と現場で求められるスキルが違う
  • 企業側も「資格はあるが実務ができない人」を敬遠する

 資格を取得すれば、すぐにキャリアアップや収入増加が実現するということはない。試験への合格は重要な第一歩だが、実際にその資格を活かせる仕事に就けるかどうかは別問題だ。多くの人が直面するのが、「資格を取得しても、実務経験が足りない」という現実である。

対策:
 こうした課題には、「資格取得後、積極的に実務経験を積む方法を考える」のが一番だろう。


(3)「資格を取ったのにお金が稼げない」問題

  • 競争が激しく、差別化できないと稼げない
  • 「資格取得=高収入」ではなく、ビジネススキルが求められる
  • 特に独立開業する場合は、集客が最大の課題

 資格を取得し、その資格を仕事でどう活かすかについて、具体的な|行動計画《アクションプラン》が見えていない人も少なくない。実際に、資格取得後のキャリアパスや実務での応用方法について、合格後でなければ感じることのできない難しさがあるように思う。

対策:
 このような課題に対し、有効なのは「マーケティングや営業力を身につけ、資格を活かすビジネスモデルを考える」ことだと思う。

 試験が難関と呼ばれるほど合格自体の達成感や満足度は高くなり、大きな自信につながる反面、その後、「実際に使う場面」で不安や迷いが襲ってくることもよくある。特に、現実の仕事環境において、資格があるからといって即戦力になれることはなく、すぐに結果が出ないことのほうが多いため、じっと耐えることも必要になるかもしれない。


3. ギャップを乗り越えるために

 こうしたギャップを乗り越えるため、必要なマインドセットを整理しよう。

(1)資格は「武器」であって「ゴール」ではない

  • 資格は仕事を得るための道具であり、それ自体が成功を保証するものではない
  • 仕事の選択肢を増やすためのツールと考える

 資格を取得した段階というのは、単なるスタートラインに過ぎない。取得は参加資格で、スタートしてから何を、どのように進めていくかはあなた次第だ。自分の頭で戦略を練り、その資格を自分の強みとしてどう展開するかを意識した行動が成功のカギを握る。


(2)実務経験がないなら、積極的に作る努力をする

  • 資格を取るだけではなく、関連業務を経験することが重要
  • 無報酬でも実務経験を積める場を探すのもアリ

 資格を活用するには、実務経験が不可欠だ。これだけは端折ることができない。たとえば、資格試験に合格後、必要なスキルや知識を補う目的でプロジェクトに参加し、インターンシップを活用する方法などが考えられる。


(3)「資格+α」のスキルを身につける

  • 資格だけではなく、マーケティング・営業・交渉スキルを磨く
  • 専門知識を発信し、自分の価値をアピールする

 自らアピールしない限り、資格の保有価値は薄くなる。たとえば、旅行中の飛行機内で急病人が出た際、「お医者様はいませんか」とアナウンスがあったとする。このとき、誰もが知る医師ならまだしも、本人や関係者が黙っていれば、医師であることがバレることはまずない。

 これを市場に置き換えると、見込み客の方から欲しいサービスを大声でアナウンスしてくれる場はほとんどなく、こちらから探すしかない。これが営業であり、マーケティングとなる。あなたの価値を決めるのは顧客だが、ある程度コントロールするのも売り手の役割であることを忘れないでほしい。


(4)継続的な学びが必要

  • 資格取得後も情報をアップデートし続ける
  • 競争力を維持するために、新しいスキルを学ぶ

 資格を取得したからといって、焦る必要はどこにもない。あなたのペースでステップアップを図るといい。肝心なのは、取得したことに囚われず、その先にある学びと経験を重ねていくことだ。そうすると、最終的には結果として目に見えるようになる。


4. まとめ

  • 資格は「取ること」が目的ではなく、「どう活かすか」が重要
  • 資格を取っただけで満足すると、現実とのギャップに苦しむ
  • 資格取得後の「行動」と「戦略」が、成功するかどうかを決める

 どの資格も、取得には相応の対価が必要だ。しかし、支払った対価と市場価値が同等かといわれると必ずしもそうとは限らない。その先には「資格をどう活用するか」「実務にどう結びつけるか」という新たな課題が待っている。

 資格を取ったからといってすぐに成功が手に入るわけではないことを肝に銘じ、その先に向けて地道に努力を続ける必要がある。資格取得は、あくまで自分のキャリアアップへの第一歩。ギャップを埋めるには、次のステップへの準備と実践が必要であることをお忘れなく。

5.次回予告

 第2回では、「自己分析の欠如 — 自分の強みと市場のニーズを見誤る」をお送りする。資格を取得したものの、うまく稼げない人の理由を更に掘り下げ、一緒に対策を考えよう。