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1. 「資格さえあれば仕事が来る」は本当か
「資格をとれば、自然と仕事が舞い込むはず」
このように淡い期待を胸に抱き、資格の取得に励んだ人もいるはずだ。特に、士業などの専門資格を取得することで、自ずと世の中から求められ、仕事が舞い込んでくると考えていたのではなかろうか。
しかし、実際に試験に合格し、多くの人が間違いに気づく。
「あれ、思ったより仕事がこない」と。
資格試験に合格・登録を経て、開業。そこには、鳴りやまぬ電話や読み切れぬメールではない。そんな現象が起きるとすれば、よほどの人気資格、かつ、競合がほとんどいない特殊な分野だけだ。そんな分野が実在しているなら、既にここで紹介していることだろう。
ではなぜ、人は「資格を取れば仕事が来る」と思い込むのか。
「待ちの姿勢」でいる人が陥る現実
資格取得後、「さぁ、仕事が来るぞ」と期待に胸膨らませ、全力大気の姿勢を保っている人が抱く想像の数倍、何も起こらない。特に、以下のような落とし穴は”あるある”だ。
求人を見つけるも「未経験不可」ばかり
資格を活かせる職を探し、ようやく見つけても、募集要項には「実務経験〇年以上」の文字。資格を持っているだけでは門前払いである。
開業するも、問い合わせゼロ
独立・開業に憧れ、これを前提とした資格を取得。晴れて開業したものの、集客方法がまったくわからず、とりあえずで作った名刺だけを抱え、ひっそり廃業へ。
周囲に「仕事がない」と相談しても、アドバイスがもらえない
友人知人に対し、「せっかく資格を取ったのに、仕事がもらえない」と話しても、「で?」「何か対策は?」と素っ気なく返される。冷たい。そもそも、資格を持っているだけでは仕事にならない現実が、意外にも世間に共有されていない。
こうした現実に直面した合格者は、「資格を取得した意味がなかった」と落胆し、途方に暮れるのだが、その原因は本当に資格のせいなのか。
「営業しなくても仕事が来る資格」と「自分が動かないと仕事にならない資格」
資格により、取得しただけである程度は仕事につながるものもある。たとえば、以下の資格だ。
- 医師、看護師等の医療系資格
→人手不足が慢性化しており、求人が豊富 - 公務員
→資格取得が採用試験の条件 - 自動車整備士、電気工事士等の国家資格
→業界での需要が高く、即戦力となりやすい
これらの場合、資格が仕事を運んでくれる側面もあるにはある。とはいえ、ほとんどの資格はこうもいかない。
特に、行政書士・社労士・税理士・弁護士などの士業資格、ファイナンシャルプランナー・コンサルタント関連のフリーランス向けの資格は、資格を取得しただけで仕事が舞い込む可能性は限りなくゼロだ。
これらの資格は、「名乗る権利を獲得した」に過ぎず、実際に仕事につなげるには、営業・発信・人脈形成が不可欠である。
資格を取得したのに仕事がないと嘆く前に、自分の資格がどちらのタイプかを冷静に見極める必要がある。
仮に、「自分で動かないと仕事にならない資格」なら、待っていても始まらない。だが、具体的にどうすればいいのかわからない?ならば、次の章で「待ちの姿勢」では稼げない理由から掘り下げるとしよう。
2. 「待ちの姿勢」が招く3つの勘違い
資格試験合格後、多くの人が「待ちの姿勢」に入る。原因の一つとして、
資格取得に伴い、自動で仕事が舞い込むという何ともおめでたい思い込みが挙げられる。ここでは、特に多い3つの勘違いを紹介したい。
① 「資格を持っているだけでお客様が来る」
「資格さえあれば、仕事のほうからやってくる」と信じる人が多いが、現実はそう甘くない。
「資格がある=信用される」と思い込んでいないか?
資格を持っていることは、持っていない場合と比較すると重要な要素となる。しかし、それだけで信頼を得られるかといえば、また別の話だ。
たとえば、「弁護士資格を持っている人」と「信頼できる弁護士」がいる場合、あなたはどちらに仕事を頼みたいだろうか。
これは、どんな資格にもいえることだ。
顧客が求めるのは単なる資格者ではなく、安心して仕事を任せられる人である。特に、士業やコンサル系の資格者については、「この人なら大丈夫」と思わせるだけの要素が求められる。
資格より「この人にお願いしたい」が優先される
現代において、単に資格を持っているだけで食べていけないことはお話したとおりだ。SNSや口コミサイトなどの影響力は年々強まり、どんな人かわかりづらい資格者より、信頼できる実績ある人に仕事は集まる。
たとえば、行政書士や社労士等が開業したとする。その後、特に何の発信活動も行わぬまま待っていて仕事は来るだろうか。答えは、ノーである。
しかし、ブログやSNS等で実務に関する情報発信を行っていると、実際に会わなくともどんな人なのかをうかがい知ることができ、自然と依頼につながっていく。
② 「資格があれば就職・転職もラクに決まる」
資格を取得すると、就職や転職市場で優位になり、スムーズに事が運ぶ――こう思い込んでいる人を見かける。この点、実際の求人市場を見てみると、資格よりも「スキル」「経験」「人脈」を重視する傾向にある。
求人の現実:資格よりも経験を重視
転職サイトや求人票を見ると、「資格必須」と記載されているものは意外に少ないことに気づく。反対に、「〇年以上の実務経験」「業界経験者優遇」といった条件のほうが圧倒的多数を占める。
たとえば、宅建士の場合、資格を持っていても未経験者は採用につながりづらいし、社労士の場合、資格を持っているだけで実務経験がない場合には、事務所からの採用はほとんどない。
資格を持っていても未経験では採用されない理由
なぜ、苦労して資格を取ったのに、未経験というだけで採用されないのだろうか。この点、企業側の視点に立って考えるとわかりやすい。
資格を持っている未経験者の場合、最低限の知識・スキルがあることはわかるが、実際の業務をこなせるかどうかまではわからない。一方で、実務経験豊富な無資格者の場合、未経験の資格者と比べ、即戦力となる可能性は数倍高い。採用リスクが少ないのはさて、どちらだろうか。
資格を活かして転職するには、資格を取得するだけでは足りない。そのため、どうにか実務経験を積むことを考えよう。具体的には、副業やアルバイト、インターン、ボランティアの活用、ブログやSNSでの情報発信を通し、依頼につなげる方法などが考えらえる。
ただ資格を取っただけで立ち止まっていては、仕事につながるどころか、履歴書の資格欄がにぎやかになる程度の変化しかもたらさないのだ。
③ 「開業すれば資格が仕事を連れてくる」
士業等の専門資格は、独立開業できることが魅力の一つだ。しかし、資格を取得して開業したとして、自然と仕事が舞い込むなどと考えていると、大きな誤算に直面する。
行政書士や社労士でも、開業しただけでは仕事がない
行政書士・社労士・司法書士・税理士などの士業は、独立開業が可能な資格として人気が高い。しかし、資格を取得しただけで何か変わるかと言えば、その資格を名乗ることができる程度に過ぎない。開業してもはじめの数か月~1年の間、依頼件数ゼロのケースも珍しくない業界だ。
その理由として、あなたが「資格を持っていること」は、顧客に何の影響も及ぼさないことが挙げられる。
資格取得者が増え続ける現在において、ただ資格試験に合格しただけ、開業しただけでは、他の強豪との差別化がかなわず、仕事が入らないのは当然の流れだといえる。
「開業=スタート」なのに、ゴールと勘違いする人の特徴
登録・開業と同時に「士業」としての肩書を手に入れると、それだけで満足する人も多い。具体的には、以下のケースである。
・開業届を出しただけで、何の営業活動もしていない
・ホームページを作ったものの、PV数が伸びない
・事務所を借りたのに、お客さんが一人も来ない
これらの人に共通するのは、開業時点で目的を達成した気になっていることだろう。現実には、開業はゴールではない。そこから仕事をつくることが本当のスタートだが、多くの人は「待ちの姿勢」を貫き、ひたすら自分の椅子を温めている。
「仕事が来ない…」と悩む前に
いざ開業し、仕事を獲得するには、待つより動く必要がある。たとえば、以下の通りだ。
・SNSやブログで発信し、専門性をアピール
・異業種交流会やセミナーに参加し、人脈を広げる
・ターゲットである顧客層に向け、直接営業をかける
これらはあくまで一例だが、単に資格を取った、開業したというだけでは、仕事は一向に来ない。仕事は待つのではなく、取りに行くという意識を持つ必要がある。
3. なぜ「待ちの姿勢」では仕事が来ないのか
資格を取った、開業しただけで、黙っていても仕事が舞い込むなどあり得ない。それどころか、待ちの姿勢でいるとチャンスを逃し続けることになる。では、どうして待っているだけでは仕事につながらないのだろうか。
これからその理由について、詳しく解説したい。
① 仕事は「自分で動いた人」の元に集まる
資格の取得はスタートラインに立つこと。レースに出場する権利を得たに過ぎない。そこから実際に仕事を得るには、自分で動くしかない。たとえば、士業資格の場合、何の営業活動も行わずじっとしていては、世界中の誰もあなたの存在を知ることができない。
仕事を得るのは「資格を持っている人」ではなく「行動した人」
世の中には、資格を持ちながら仕事を得られない人と、無資格なのに活躍している人がいる。両者の差は行動力にある。実際に成功している人には、以下の共通点がある。
・SNSやブログで発信し、自分の専門知識をアピールしている
・異業種交流会や勉強会に積極的に参加し、人脈を作っている
・知り合いに自分の仕事を伝え、口コミで仕事を広げている
これらからもわかるように、資格はあくまで「入り口」に過ぎず、そこから先の実績づくり、営業活動なくして、仕事を得られないことがわかる。
② 資格業の仕事は「人と人のつながり」で生まれる
資格業には、人と人とのつながりが欠かせない。どんな難関資格を持っていようが、顧客に届かなければ仕事にならない。
仕事は「知っている人」にしか依頼されない
たとえば、企業が就業規則の作成を外注する際、候補となるのは「知っている社労士」か「紹介された社労士」だ。たとえ資格があっても名前を知らなければ、選択肢にすら入れないのである。
士業の成功者は「営業が上手い」
士業者のうち、成功を収める人は総じて、営業や人脈形成に積極的だ。
・定期的に異業種交流会に参加し、経営者とのつながりを作っている
・士業同士のネットワークを活かして、仕事を紹介し合う
・顧客との関係を大切にし、リピートや紹介を増やしている
これに対し、「待ちの姿勢」でいる人は、人脈を広げる努力をせず、結果的に誰からも仕事を頼まれることなく終わってしまう。
③ 「資格があるだけの人」は埋もれる
20年ほど前まで遡れば、資格を持っているだけで仕事が舞い込むことはあったのかもしれない。けれど、インターネットの普及により現在の状況は大きく異なる。
情報が溢れた現代では、資格を持っているだけで差別化できない
インターネットが発達する前は、資格者は貴重な専門家として重宝される場もあったのかもしれない。しかし、少なからず今は違う。
・Googleで検索すれば、専門知識を無料で得られる
・SNSやYouTubeで情報発信している資格者が増えている
・AIやツールの進化により、一部の業務は自動化が進んでいる
このような時代では、「資格を持っているだけの人」は簡単に埋もれる。実際に仕事を得ているのは、「資格+α」の強みを持っている人である。
ネットで目立つには「発信」が必須
今の時代、仕事を得るにはネットの活用が欠かせない。資格を活かして仕事を広げたいのなら、以下の発信が有効だ。
・ブログやSNSで専門知識を分かりやすく解説する
・YouTubeやTikTokで動画を発信する(顔出ししなくてもOK)
・Twitter(X)でリアルな体験談をシェアする
資格だけでは差別化できない時代だからこそ、「この人に頼みたい」と思わせる工夫が不可欠である。
4. 「待ちの姿勢」から抜け出す行動戦略
繰り返すが、資格を持っただけで仕事は来ない。「待ちの姿勢」から抜け出し、実際に仕事をもらうには、自分から積極的に動くしかない。ここでは、具体的な行動戦略を4つご紹介する。
① まず自分を知ってもらう(認知を広げる)
SNS・ブログ・YouTubeなどで情報発信を始める
今の時代、どんな仕事も「知ってもらうこと」が最初のハードルとなる。資格を持っていたとして、それを知ってもらえなければ、誰も依頼しようがない。
そこで積極的に活用したいのが、SNSやブログ、YouTubeなどのオンラインでの発信。以下のような発信を続けると、見込み客や仕事のチャンスを広げることができる。
✔ ブログ:業界の情報や専門知識を発信し、SEOで集客する
✔ SNS(X・Instagram・Facebook):リアルタイムでの情報発信や交流
✔ YouTube・TikTok:動画での解説により、信頼を積み重ねる
実績がなくても「発信」により仕事につなげる
資格取得後、実績がないことを理由に発信ができないと考える人もいるかもしれないが、発信すること自体に実績は不要だ。むしろ、発信を続けることで仕事につながるケースが多い。
たとえば、行政書士事務所を開業した人が「開業準備のリアル」をブログで発信した結果、同じように開業を目指す人から相談を受け、そこから仕事につながった事例もある。筆者である。
はじめから「完璧な情報」を目指す必要はない。「学びながら発信する姿勢」が、結果的に仕事を運んでくれるから。
② 自分から営業する勇気を持つ
「仕事が欲しい」なら、自分からアクションを起こす
資格があるのに仕事が来ないと悩む人の多くは、「待ちの姿勢」を保っている。しかし、実際に仕事を得ている人は必ず、自分から動いている。
「営業」と聞くと、その商品やサービスを必要としていない人に対し、ゴリゴリ売り込むイメージを抱くかもしれないが、大間違いだ。営業の本質は、いま困っている人に自分の価値を知ってもらうことである。
✔ 過去の友人・知人に「こういう仕事を始めた」と伝える
✔ 異業種交流会や地元の商工会など人の集まる場所に顔を出す
✔ 「無料相談」を実施し、最初の接点を作る
資格者でも「営業」は必要。自分を売り込める人が強い
たとえ取得が難しい資格を持っていたとしても、資格試験の難易度と仕事獲得とは別の問題だ。実際に仕事を得るには、営業が欠かせない。
具体的に、行政書士なら「補助金申請が得意」「外国人ビザの専門家」など、自分の強みを明確にし、それを積極的にアピールすることで、依頼につなげやすくしよう。
③ 小さな仕事でも実績を作る
最初は「ボランティア」や「安価な仕事」でも、経験値を積むことが大切に
「仕事が来ない」と悩む人の多くは、何の実績も持っていない場合が多い。実績がなければ信頼してもらいにくいだけでなく、本人にとっても自信が持てないことから、結果として仕事が増えないという悪循環に陥る。
そこで、最初のうちは以下のような「小さな仕事」から積極的に受けることをお勧めしたい。
✔ 知人の相談に無料で乗る:実績としてブログに書く
✔ 地域のNPOやボランティア活動で仕事の機会を得る
✔ クラウドソーシングを活用して、低単価でも経験を積む
「無料相談」などを活用し、まずは信頼の獲得を
たとえば、士業やコンサルタントの多くは無料相談を実施し、とにかく人との接点を作り出すことだ。無料相談の結果、「この人に頼みたい」と思ってもらえれば、そこから正式な依頼・契約へとつながることも多い。
また、実績として記載するのに有償・無償は問われない。最初の実績をつくることで、口コミや紹介の可能性も広がり、次第に高単価の仕事を受けられるようになる。
④ 人脈を作るために動く
異業種交流会・勉強会・SNSでの交流を積極的に活用する
資格業の場合、「人と人とのつながり」から仕事につながるケースが多い。そのため、資格を取得したら人脈形成を意識して。
✔ 異業種交流会や商工会などに参加し、経営者とつながる
✔ 同業者の勉強会に参加し、情報交換をする
✔ SNSで業界の人と交流し、仕事の話につなげる
仕事は「紹介」から生まれることが多い
資格業は、とにかく信頼関係が重要視されるため、「紹介」が重要な要素となる。たとえば…
・税理士が行政書士を紹介する
・弁護士が社労士を紹介する
・顧客が別の顧客を紹介する
こうした「紹介のネットワーク」を作ることで、安定した仕事につながりやすくなる。
5. 「待つ」より「攻め」の姿勢を!
資格を取ったのに仕事がないと悩む人の多くは、「待ちの姿勢」でいる。しかし、どんなに優れた資格も持っているだけでは何の役にも立たない。
「待ちの姿勢」ではなく、「攻めの姿勢」を持つ
資格さえあれば仕事が舞い込む―――これは幻想である。実際に仕事を得ている人は、必ず自分から積極的に動いている。営業や発信、人脈作りなど、あなたの行動が仕事を運んでくるのだ。
自分から動いて仕事をつかみに行く意識が重要
口では「仕事が欲しい」と言いながら、何も行動しなければ仕事はなくて当然だ。本当に仕事が欲しいなら、次の3つを意識して。
✔ まず「知ってもらう」ために発信をする(SNS・ブログ・YouTubeなど)
✔ 「営業=売り込み」ではなく、「価値を伝える」意識を持つ
✔ 仕事は「紹介」から生まれるため、積極的に人脈を作る
「営業は苦手」ではなく、「まず知ってもらうこと」から始めよう
営業に苦手意識を抱く人は多いが、その本質は、「自分の仕事・価値を知ってもらうこと」にある。無理な売り込みは論外。まずは、発信や交流を通じ、自分の価値を伝えることを意識しよう。
ただ資格を持っているだけで生まれる仕事などない。自分から動き、積極的に仕事をつかみに行く人だけが成功する。今、この瞬間からできることはある。
さぁ、あなたは何からはじめる?