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なぜ行動できないのか?その理由と解決策は、ここにある
行したいのに動けない―――このような経験はないだろうか。筆者自身、本書を読むまで行動できない理由が何なのか気づくことができなかった。
しかし、本書を通し、行動経済学的な視点から見た「シンプルなのに強力な答え」を得ることができた。
『行動経済学が最強の学問である』の概要
人間の「非合理的な意思決定のメカニズム」を説明する理論の集まりが、行動経済学です。
本書によると、「行動経済学」とは、私たちが日常生活で行う意思決定や行動に隠された“非合理”な選択の理由を科学的に解き明かす学問である。本書では、この行動経済学の基本概念をわかりやすく解説し、具体例とともに日常生活や仕事にどう応用できるかを紹介されている。
本書の最も大きな特徴は、単なる理論書にとどまらず、「どうすれば行動を変えられるか」という実践的アプローチに重点を置いているところだろう。各章末に要点が箇条書きでまとめられており、忙しい人でも短時間で学びを得られる構成になっているのも有難い。
本書が解決する課題とは
本書により、以下の課題解決のヒントを得ることができる。
- なぜ行動できないのか
- どうすれば行動を起こせるか
- 行動を継続させるコツとは
本書で得られる気づき
本書を通し、あなたは以下の気づきを得られるだろう。
- 短期的快楽を求める心理とその克服法
- 意思決定をサポートする「環境設計」の重要性
- 行動を変えるために効果的な「小さな一歩」の力
(1)序章まとめ
- 行動経済学を一言で言うと、「人間の『非合理な意思決定のメカニズム』を解明する学問」である。これにより、「なぜ人はそう行動してしまうのか?」を理解することができ、だからこそ、対策を講じることもできる。
出典:「行動経済学が最強の学問である/相良奈美香氏 著」より
(2)第1章まとめ
「『なぜ動けないのか?』と自分を責めてはいないだろうか。
人間の意思決定は、理性よりも感情に強く影響される。特に、目先の楽しみや快楽を追い求める傾向は本能によるものだ。これが「ダイエットしたいのにスイーツを食べてしまう」、「資格学習をしようと思っているのに、スマホで動画を”だら見”してしまう」といった行動の原因である。
第1章では、短期的快楽を抑える対策として、“ルール”と“環境作り”の重要性を説いている。たとえば、「スマホを別の部屋に置く」、「動画の視聴は勉強の合間に5分のみ」などの制限を設けることで、集中力の維持に役立つはずだ。
「時間」も認知のクセになる。
出典:「行動経済学が最強の学問である/相良奈美香氏 著」より
(3)第2章まとめ
人は意思の力に頼るより、物理的・心理的な障害を取り除くほうが行動に移すのが楽になる。そのためには、行動を促す仕掛けや行動を起こしやすい環境を整える環境設計が重要だ。たとえば、健康的な食事を摂るには、冷蔵庫内にヘルシーな食材をそろえ無駄なものは入れない等の対策が有効である。
本書では、こうした“環境が行動をデザインする力”を詳しく解説している。
- 人間は「自分で主体的に意思決定している」と思いたがるが、実は周りの状況に「決定させられている」場合が多い。
- 私たちの判断に影響を与える「状況」には「情報量」も含まれる。
出典:「行動経済学が最強の学問である/相良奈美香氏 著」より
(4)第3章まとめ
目標が大きすぎると人は圧倒され、行動を先延ばしにしてしまう。本書では、目標を小さなステップに分けることで行動しやすくなることを説いている。この考え方は、1冊の本を読むよりも「1日10ページだけ読む」というように負担を減らすことがポイントだ。
たとえば、『行政書士資格の取得』をゴールとするなら、計画は1週間単位に分けるといい。たとえば、『今週は憲法の原則を3つ覚える』程度の小さな目標にすると、取り組みやすく、達成感を得ることができる。
- 人間は感情によって非合理な意思決定をする。意思決定が感情に左右されているということ自体、実に非合理である。
- 感情は「お金の使い方」にも影響を与え、そのせいで、人間は無駄遣いをしてしまう。
出典:「行動経済学が最強の学問である/相良奈美香氏 著」より
(5)エピローグまとめ
自分が促進焦点か予防焦点化を知っておくことで、意思決定や行動の傾向がわかる。
出典:「行動経済学が最強の学問である/相良奈美香氏 著」より
3. 実生活との関連
3-1. 「環境設計」で勉強の習慣化
行動経済学は、「人は合理的でなく、環境や状況によって行動が左右される」という基本概念に基づく。そのため、環境を整えることで意思の力に頼らず自然に行動を促進できる。
筆者の場合、資格学習を継続するため、机上には常に学習道具をセットしていた。どんなに疲れていようが「座る」というルールも決めたことから、着席と同時に取り掛かることができる仕組みだ。結果として、特別な努力はなく、自然と勉強する習慣が身についた。
また、顧客に「仕事終わりに勉強するつもりがだらだらしてしまう。気づけば夜遅くなっておりそのまま…」と悩む人がいた。そこで、帰宅後すぐに勉強ができる場所の確保と、スマホを別室にて保管という環境設計を提案したところ、「不思議と学習時間が増えた」というフィードバックを得た。
3-2. 目標の細分化で計画を実現
本書では、大きな目標を細分化することで行動を起こしやすくなると説いている。
最近でいうと、「独立したい」という目標を掲げる顧客の「何から手をつけていいか分からない」という相談について、本書を基に「まずは週に1件、関連するセミナーや書籍を調べる」というアクションプランを提案した。その結果、「プレッシャーが減り、行動を継続できるようになった」と喜びの声をもらった。
3-3.選択の負担を減らすことで意思決定を楽に
選択肢が多すぎると、意思決定に時間を要することが指摘される。
かつて、多くのタスクに直面した場合の優先順位をつけることが苦手だった筆者だが、「重要なタスクは午前中に済ませる」という自分なりのルールを決めたことで解決した。これについて、本書で解説される選択肢に一定の制限を加えることで思考がクリアになるという効果を知り、腑に落ちた。
また、資格取得を目指す視聴者より、「教材で迷い、なかなか着手できない」との相談が寄せられた。そこで、「教材をできる限り少数に絞り、最終的には1に」とアドバイスした結果、この単純なルールが功を奏し、以前に比べて行動に対するハードルが下がったそうだ。
3-4.短期的快楽を抑えた行動選択
人間は、短期的な快楽を優先する傾向にある。
仕事の締め切りが近いとき、本来であれば仕事に集中しなければならないにもかかわらず、スマホやタブレットをいじってしまった――という経験はないだろうか。この点、本書における「短期的な快楽を遠ざける環境づくり」が有効で、作業中の通知オフや別室での保管などを実施することで集中力の向上が見込まれる。
実際に、ネットサーフィンばかりに時間を費やしていた顧客に対し、同様のアドバイスを行った。具体的には、作業時間中に指定したサイトにアクセスできないアプリを導入。その結果、時間管理が格段に楽になったとの反響があった。
5.本書の魅力
本書の魅力について、以下にご紹介する。
5-1.どう行動すればいいのか
本書は、単なる理論書ではなく、実際に使える具体的な手法を日常に応用できる形で教えてくれる。環境をどう整えるか、どのような目標設定が効果的かといった実践例が豊富なため、すぐに行動を起こしたくなるだろう。
5-2. 忙しい人でも読みやすい構成
多忙な人に勧めたいのが、各章末のまとめだ。内容が箇条書きで整理され、全てに目を通すことなく要点を把握することができる。隙間時間に一章ずつ読み進めるだけでも、行動のヒントが得られるはずだ。
5-3. 「なぜ行動できないのか?」を科学的に解明
これまで「やる気がでない理由」について悩んできた人に対し、本書は答えをくれる。人間のもつ非合理的な心理を科学的な視点から解説し、それらをどのように乗り越えるかを示してくれるのだ。
5-4.悪者をつくらない視点
本書の魅力は、行動できない自分や他者を攻撃することなく、なぜそうなるかに重点を置き、冷静に分析することで解決策を提示してくれるところにある。読むだけで肩の力を抜くことができ、自分にもできるのではないかと希望を持つことができる。
5-5.再現性がある方法
本書にて提案される方法について、「自分にできるだろうか」と悩む必要はない。いずれも特別な能力やコスト、時間が必要なものではなくシンプルだ。たとえば、「目標を小さく分ける」や「行動を促す仕掛けをつくる」といった方法は気負わず、すぐに取り入れられるのではないだろうか。
6. まとめ
行動を変えたいと思うなら、今がそのタイミングだ。まずはこの本を開き、“はじめの一歩”を踏み出してほしい。その一歩が、未来を大きく変えるかもしれないから。
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