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当ページでは、ガーデニングショップの開業にあたり、必要な資格と注意点を解説する。
Contents
ガーデニングショップとは
ガーデニングショップとは、植物やガーデニング関連の商品を専門に取り扱う店舗を指す。
ガーデニングショップ開業に必要な資格
ガーデニングショップを開業する際、法律上求められる資格はない。
ただし、取り扱う商品・提供するサービスに応じ、必要な許認可や届出、取得が望ましい資格はあるだろう。
ガーデニングショップ開業に必要な手続
ガーデニングショップで肥料を取り扱う場合、肥料取締法に基づく届出が必要な場合がある。
1.肥料とは
肥料とは、下記に該当するものを指す。
- 植物の栄養とするため、土地に施用するもの
- 植物の栄養とするため、植物の葉などに施用するもの
- 植物の栽培に役立つよう、土壌に価額変化をおこさせるため、土地に施用するもの
2.肥料の分類
肥料は、下記に分類される。
分類 | 概要 | 生産・輸入の条件 |
---|---|---|
特殊肥料 | ・農家の経験や五感により品質を識別できる単純な肥料 ・品質が多様で、主成分の含有量のみに価値を依存しないため、一律的な評価を行うことができない肥料 ・特殊肥料同士を配合した混合特殊肥料 ※一部は品質表示の義務あり | 都道府県知事への届出が必要 |
普通肥料 | 特殊肥料以外のもの | 公定規格に適合させ、農林水産大臣または都道府県知事に登録申請 |
特定普通肥料 | 施用方法により、人畜に被害を生ずるおそれがある農産物が生産されるもの |
上記のいずれにも当てはまらないものは、生産・輸入・販売いずれも禁止されます。
3.登録の有効期間
肥料の登録について、その種類等に応じて3年または6年の有効期間がある。
登録した肥料を期間満了後も生産・輸入するには、更新手続をとる必要がある点に注意したい。
4.申請内容に変更が生じた場合
特殊肥料の生産・輸入の届出、登録の申請、指定混合肥料の生産・輸入の届出後、申請内容に変更が生じた場合、下記の期限内に手続が必要である。
特殊肥料 | 変更日から2週間以内に都道府県知事へ届出 |
登録肥料 | 下記の事項が生じた場合、または変更しようとする場合、登録申請先に届出 ア 氏名又は住所を変更した場合。法人で登録申請したときは、法人の代表者を変更した場合(変更後2週間以内) イ 生産する事業場(工場)の名称や所在地が変更した場合(変更後2週間以内) ウ 保管する施設の所在地が変更した場合(変更後2週間以内) エ 肥料の生産や輸入を相続した場合(相続した日から2週間以内) オ 登録をとった法人が、合併や分割した場合(合併や分割した日から2週間以内) カ 登録証をなくしたり、汚した場合 キ 肥料の名称を変更しようとする場合(名称を変更する前に届出) ク 次の理由で登録が失効した場合(次の理由が発生してから速やかに届出が必要) ・登録した法人が解散した ・肥料の生産や輸入をやめた ・保証成分量などを変更した ・登録の有効期間が終了した |
指定混合肥料 | 変更した日から2週間以内に届出先に届出 |
5.届出が必要な範囲
生産・輸入・販売を行う業者は、事業場のあるすべての都道府県に対し、届出を行う義務を負う。
期限は、業務開始から2週間以内で、内容に変更が生じた場合や当事業を廃止した場合は、その日から2週間以内にその旨を都道府県知事宛に届出なければならない。
本店のみ届出ればOKとはいかず、変更の都度、知らせなければならないわけです。
6.事業者が負う義務
生産・輸入・販売を行う事業者は、下記の義務を負う。
- 表示の義務
- 異物混入の禁止
- 帳簿の備付の義務
- 農林水産大臣または都道府県知事への報告義務
- 立入検査への協力義務
登録・届出をすれば終わりというわけにはいかない点に注意しましょう。
開業に役立つ資格
ガーデニングショップの開業に資格は不要だが、下記は役立つだろう。
1.園芸装飾技能士
園芸装飾技能士とは、厚生労働省が認める技能検定制度の一種を指し、1~3級に分類される。
等級区分 | 概要 | 受験資格 |
---|---|---|
1級 | 初級技能者が通常有すべき技能の程度 | 下記、いずれかの実務経験を有する者 (1)7年以上 (2)2級合格後2年以上 (3)3級合格後4年以上 ※学歴により実務経験不要 |
2級 | 中級技能者が通常有すべき技能の程度 | 実務経験2年以上 または、3級合格者 ※学歴により実務経験不要 |
3級 | 上級技能者が通常有すべき技能の程度 | 不問 |
試験は「学科試験」「実技試験」により、それぞれ合格点が異なる。
前期 | 後期 | ||
---|---|---|---|
受験申込 | 4月上旬から中旬 | 10月上旬から中旬 | |
試験実施日 | 実技 | 6月中旬から9月上旬 | 11月下旬から翌2月下旬 |
学科 | 7月下旬から9月上旬 | 1月下旬から2月下旬 | |
試験内容 | 実技 | 室内園芸装飾作業 | |
学科 | ・室内園芸装飾法 ・材料 ・庭園 ・植物一般 ・観賞用植物の維持管理 ・園芸施設 ・安全衛生 | ||
合格基準 | 実技 | 60点以上/100点 | |
学科 | 65点以上/100点 |
受験料は各都道府県により異なるが、実技試験18,200円、学科試験3,100円が標準とされる(参照:JAVADA中央職業能力開発協会)
2.フラワー装飾技能士
フラワー装飾技能士とは、フラワーアレンジメントや花の装飾に関する国が認めた技能検定制度の一種である。
受験資格として実務経験が求められるが、専門学校やフラワースクール等で特定の課程を修了することにより受験資格を得る方法もある。
受験資格 | 1級 | 下記、いずれかの実務経験を有する者 (1)7年以上 (2)2級合格後2年以上 (3)3級合格後4年以上 ※学歴により実務経験不要 |
2級 | 実務経験2年以上 または、3級合格者 ※学歴により実務経験不要 | |
3級 | 不問 | |
試験内容 | 実技 | フラワー装飾作業 |
学科 | ・フラワー装飾一般 ・フラワー装飾作業法 ・材料 ・植物一般 ・安全衛生 | |
申込期間 | 前期:4月上旬から中旬 後期:10月上旬から中旬 | |
試験日 | 実技 | 前期:6月上旬から9月中旬 後期:12月上旬から2月中旬 |
学科 | 前期:7月中旬から9月上旬 後期:1月下旬から2月上旬 | |
受験料 ※各都道府県により異なる | 実技 | 3,100円 |
学科 | 18,200円 |
3.グリーンアドバイザー
グリーンアドバイザーとは、公益社団法人 日本家庭園芸普及協会が認定する検定資格で、植物に関する正しい知識を持ち、植物の育て方、園芸・ガーデニングの魅力を伝えることができる精通者に対し、与えられる称号を指す。
受験資格 | 不問 ※中学生以下の申込には親権者の同意を要する | |
試験形式 | CBT方式 ○×式40問、三者択一式40問の計80問 | |
試験日 | 9月中の1日を選び、予約可能 | |
受講・受験料 | 一般 | 40,700円(内税3,700円) |
学生 | 20,350円(内税1,850円) | |
再受講・受験 | 29,700円(内税2,700円) | |
試験の範囲 | ・植物に関する生理学的基礎知識 ・現代生活と花・緑 ・種子・球根・苗の基礎知識 ・植物分類 ・植物の特性 ・播種・定植の方法 ・繁殖・交配の方法 ・用土・肥料の基礎知識 ・病害虫と薬品の基礎知識 ・園芸用品・用具の基礎知識 ・園芸作業 ・花壇・コンテナ・鉢物栽培の基礎知識 ・園芸デザインと飾り方 など | |
資格の有効期間 | 5年間 | |
登録料 | 10,450円(内税950円) |
4.造園施工管理技士
造園施工管理技士とは、建設業のうち、緑地・緑化に関する工事全般を担当する者を指し、国家資格の1つである。
具体的には、公園工事・広場工事・道路緑化工事などのほか、墓園、住宅団地、その他造園に必要な各施設の工事等を幅広く管理する。
造園施工管理技士は、その難易等により1級・2級に区分される。
1級 | 監理技術者として施工管理者(主任技術者等)の指導・監督及び下請負人の技術的な指導・監督 |
2級 | 主任技術者として建設現場の施工計画書の作成から品質管理・工程管理等を行う |
2級の受験資格・試験概要は、下記の通り。
学歴又は資格 | 造園施工に関する実務経験年数 | |
指定学科の卒業者 | 指定学科以外の卒業者 | |
大学卒業者 専門学校卒業者(「高度専門士」に限る) | 卒業後1年以上 | 卒業後1年6か月以上 |
短期大学卒業者 高等専門学校卒業者 専門学校卒業者(「専門士」に限る) | 卒業後2年以上 | 卒業後3年以上 |
高等学校卒業者 中等教育学校卒業者 専修学校の専門課程卒業者 | 卒業後3年以上 | 卒業後4年6か月以上 |
その他の者 | 8年以上 | |
技能検定合格者 | 4年以上 |
項目 | 第一次検定試験の概要 |
---|---|
試験範囲 | 造園言論 造園材料 植栽 造園施設 土木工学 関連工事 測量・設計図書 施工管理 法規 |
出題形式 | マークシート方式(四肢択一) 40問 |
試験時間 | 2時間10分 |
合格基準 | 60%以上(24問以上正答) |
試験日 | 令和6年11月7日(日) |
項目 | 第二次検定試験の概要 |
---|---|
試験範囲 | 造園言論 造園材料 植栽 造園施設 土木工学 関連工事 測量・設計図書 施工管理 法規 |
出題形式 | 記述式 3問 |
試験時間 | 2時間 |
合格基準 | 60%以上 |
試験日 | 令和6年11月17日(日) |
1級の受験資格・試験概要は、下記の通り。
区分 | 学歴と資格 | 造園施工管理に関する必要な実務経験年数 | |||
指定学科 | 指定学科以外 | ||||
イ | 学校教育法による ・大学 ・専門学校の「高度専門士」 | 卒業後3年以上の実務経験年数 | 卒業後4年6ヵ月以上の実務経験年数 | ||
(1年以上の指導監督的実務経験年数が含まれていること) | |||||
学校教育法による ・短期大学 ・高等専門学校(5年制) ・専門学校の「専門士」 | 卒業後5年以上の実務経験年数 | 卒業後7年6ヵ月以上 の実務経験年数 | |||
(1年以上の指導監督的実務経験年数が含まれていること) | |||||
学校教育法による ・高等学校 ・中等教育学校(中高一貫6年) ・専修学校の専門課程 | 卒業後10年以上実務経験年数 | 卒業後11年6ヵ月以上の実務経験年数 | |||
(1年以上の指導監督的実務経験年数が含まれていること) | |||||
その他(学歴を問わず) | 15年以上の実務経験年数 (1年以上の指導監督的実務経験年数が含まれていること) | ||||
ロ | 2級造園施工管理技術検定第二次検定に合格した者 (令和2年度までは実地試験) | 合格後5年以上の実務経験年数 (本年度該当者は平成30年度までの合格者) (1年以上の指導監督的実務経験年数が含まれていること) | |||
2級造園施工管理技術検定第二次検定合格後、実務経験が5年未満の者 (令和2年度までは実地試験) | 学校教育法による ・高等学校 ・中等教育学校 (中高一貫6年) ・専修学校の専門課程 | 卒業後9年以上の実務経験年数 | 卒業後10年6ヵ月以上の実務経験年数 | ||
(1年以上の指導監督的実務経験年数が含まれていること) | |||||
その他(学歴を問わず) | 14年以上の実務経験年数 (1年以上の指導監督的実務経験年数が含まれていること) |
項目 | 第一次検定試験の概要 |
---|---|
試験範囲 | 造園言論 造園材料 植栽 造園施設 土木工学 関連工事 測量・設計図書 施工管理 法規 |
出題形式 | マークシート方式(四肢択一) 65問 |
合格基準 | 60%以上(39問以上正答)かつ、施工管理法の応用問題において6問中2問以上正答 |
試験日 | 令和6年9月1日(日) |
項目 | 第二次検定試験の概要 |
---|---|
試験範囲 | 造園言論 造園材料 植栽 造園施設 土木工学 関連工事 測量・設計図書 施工管理 法規 |
出題形式 | 記述式 大問5つのうち、必須2問、選択式3問 |
試験時間 | 2時間10分 |
合格基準 | 60%以上 |
試験日 | 令和6年12月1日(日) |
草花を売るだけでなく、庭全体のデザイン・施工までやりたい方にオススメな資格です✨
開業に役立つキャリア・経験
資格のほか、下記のキャリア・経験があると、植物の仕入や販売方法、顧客とのコミュニケーションスキルを見つける事ができるだろう。
- 園芸店・花屋での実務経験
- 農業・園芸に関する知識
- 接客販売の経験
小売やサービス業の実務経験は、店舗運営や顧客対応の場面で多いに役立ち、相手の要望を的確に理解し、効果的な提案の助けになるだろう。
店舗ならではの管理方法、販売提供方法は場数をこなすことで精度向上が期待できるため、いきなり開業するより原賠経験を得る方が成功率は上がるように思います。
ガーデニングショップを開業する際に必要な資格、手続、注意点まとめ
当ページでは、ガーデニングショップの開業に必要な資格、手続、注意点を解説した。