個人事業主がクレジットカードを作るメリットと注意点

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当ページでは、筆者が行政書士事務所開業後に作ったクレジットカードを2枚、ご紹介します。

筆者プロフィール

榊原 沙奈さかきばら さな / 特定行政書士(ヲタク行政書士®)/ 3級FP技能士

会社員を辞めると信用ゼロ?

個人事業主(フリーランス)として独立・開業すると、クレジットカードをはじめ、入会審査が厳しくなるといわれます。

会社員と比べ、個人事業主等の経営者は収入が不安定な印象が強いことが原因だと考えられます。

クレジットカードの種類

クレジットカードは、「個人」「事業用」に大別されます。

事業用カードとは、「法人カード」「ビジネスカード」と呼ばれることもあり、個人事業主、中小企業、大企業向けに分けられます。

いっぽう、個人カードはユーザー個人が利用するものを指します。

事業用と個人用の違い

事業用カードの場合、カードの利用上限額が高く設定されているのが一般的で、引落し口座も「個人」「屋号」「法人」のいずれかを選択することができます。

個人カードの場合、事業用に比べ、年会費無料のものも多く、キャッシング機能、支払方法が複数用意されています。

筆者個人の意見ですが、小規模事業なら個人カードで十分です。

個人事業主がクレジットカードを作るメリット

個人事業主が事業用カードを作る場合、下記のメリットがあります。

  1. 記帳、確定申告が楽になる
  2. 特典が受けられる

1.記帳、確定申告が楽になる

クレジットカードの利用について、毎月一定期日において、利用明細が発行されます。

利用明細には、利用年月日、店舗、金額が明記されるため、資金の使途が一目でわかります。

事業に必要な支出について、できる限り事業カードで支払うことで、計上漏れ防止に繋がるだけでなく、会計ソフトと連携することで、記帳、確定申告時の手間を大幅にカットすることができます。

2.特典が受けられる

各カード会社において、利用者向けに様々な特典が用意されています。

例えば、ETCカード、従業員カード、レンタルサーバの初期費用等が無料になるもの、関連サービスの優待サービス等と幅広いのが特徴です。

利用頻度の高いコンテンツ・サービスと関連のあるカード会社を選びましょ!

クレジットカードを選ぶポイント

クレジットカードを選ぶ際、下記のポイントに注意しましょう。

  1. 年会費
  2. 機能、特典
  3. ポイント還元率、利用範囲
  4. 審査基準

1.年会費

個人カードの場合、年会費がかかるカードは少数ですが、事業用カードの場合、年会費無料のカードの方が少数です。

このため、ランニングコストを抑えたい場合、年会費が1つの基準となり得ます。

念のためですが…
会計上、クレジットカード等の年会費は経費計上できます。

2.機能、特典

クレジットカードにより、決済機能(タッチ機能の有無等)、カードの盤面に記載される情報等が異なります。

それだけでなく、カード会社、契約内容等に応じた特典が用意されていることも多いため、自身の要望に沿うものを選ぶといいでしょう。

3.ポイント還元率、利用範囲

クレジットカードでは、利用額に対し、一定のポイントが付与されるのが一般的です。

付与されるポイントの種類は、利用するカード会社により異なり、ポイントの利用範囲も異なります。

せっかく還元されたポイントの使い道がないのでは意味がありませんので、還元率と併せ、利用範囲も確認されることをオススメします。

4.審査基準

クレジットカードを作るには、審査を受ける必要があります。

審査基準、必要書類等は、カード会社によって異なるため、事前に確認しましょう。

ユーザーにとって魅力的な特典があるカードほど、審査が厳しい傾向にあります。

筆者が作ったカード

上記を踏まえ、筆者が独立開業後に作ったカードは次の2種類です。

  1. 楽天カード
  2. エポスカード

1.楽天カード

楽天カードは、14年連続 JCSI(日本版顧客満足度指数)調査におけるクレジットカード部門で1位を守り続けているカードです。

2023年3月末時点で、会員数2,863万人。日本人の4人に1人が持っている計算になります。

楽天カードには様々な種類があります。

  1. 楽天カード
  2. 楽天ゴールドカード
  3. 楽天プレミアムカード
  4. 楽天ピンクカード
  5. 楽天ANAマイレージクラブカード等

楽天カードのポイント還元率

楽天カードのポイント還元率は、原則1%(100円=1ポイント)です。

また、各種キャンペーンや楽天SPUを利用することで、更に還元率が上乗せされます。

楽天SPUとは

楽天SPUは、楽天モバイル(+1倍)、楽天銀行(+1倍)、楽天トラベル(+1倍)など、楽天グループのさまざまなサービスを対象に、ポイントを上乗せしてくれるシステムです。

楽天市場でポイントアップキャンペーンを実施している場合、楽天SPUとの併用も可能です。

「5と0のつく日」はポイント2倍、「楽天スーパーセール」「お買い物マラソン」などをうまく利用すると、より高い還元率を実現することができます。

楽天カードで選べるブランド

通常の楽天カードの場合、年会費は永年無料です。

国際ブランドは「VISA」「MasterCard」「JCB」「AmericanExpress」の4ブランドから選べます。

楽天カードがオススメな人

下記に該当する場合、楽天カードがオススメです。

  • 楽天グループのサービスを利用している
  • 公共料金、スマホ代の支払でポイントを貯めたい
  • できる限り少数のカードにまとめたい

事業に必要なサービスを楽天で統一すると、ポイント還元率が高くなるだけでなく、日々の管理がとてつもなく楽になるメリットがあります。

ポイントについて、楽天独自のサービス以外に、ENEOS、SEIYU、マクドナルド等でも利用が可能で、各店舗が提供するポイントとの二重加算も狙えます。

利用したいお店が楽天ポイント非対応の場合でも、楽天ポイントをカード請求額に充当でき、無駄がありません。

楽天ETCカードも還元率は同じ

事業で自動車を使用する場合、楽天カードでETCカードを作成することができます。

この場合、通行料金についてもポイント還元率は同様(100円で1ポイント)ですが、会員ランク「ダイヤモンド」以上でなければ年会費550円が必要です。

2.EPOSカード

エポスカードとは、株式会社丸井グループの子会社 株式会社エポスカードが提供するVISAブランドのクレジットカードです。

私はもちろん、推しデザイン

エポスカードの特徴は、次の通りです。

  • 年会費無料
  • OIOIのイベント時、10%割引が受けられる
  • ポイント還元率0.5%
  • カードデザインが豊富

エポスカードの会員数は600万人以上。若者を中心に、会員数がじわりじわりと増えています。

年会費永年無料

エポスカードは、年会費永年無料です。ETCカードも無料です。

ただし、2枚目の発行時やデザインを変更する場合には、手数料が必要なので、事前に確認しましょう。

還元率は0.5%

エポスカードのポイント還元率は、最大0.5%(200円で1ポイント)です。

楽天カードと比べると2分の1ですが、日常的にマルイグループを利用する場合、下記の恩恵を受けられます。

マルイのイベント時、10%オフ

年に4回開催される「マルコとマルオの7日間」。

この期間中にエポスカードで支払をすると、10%オフでお買い物ができます。

定価が高いものほど、割引金額は高くなりますので、ずっと欲しかったアイテムをお得にゲットするチャンスです!

エポスカードがオススメな人

下記に該当する場合、エポスカードがオススメです。

  • クレジットカードに年会費を支払いたくない
  • 日頃からOIOIグループを利用している
  • デザインにこだわりたい

難点を挙げると、ポイント還元率が低いこと、家族カードを作るには不向きなことです。

個人事業主がクレジットカードをつくるメリット、注意点まとめ

当ページでは、新人経営者にオススメなクレジットカードをご紹介しました。

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タイトルで察してほしい。筆者、不毛なことを考える。

我が輩は愚者である

折に触れて口にする言葉がある。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」

オットー・フォン・ビスマルクの格言

言うまでもないが、筆者は前者だ。気になることはすぐに実践、検証したい。すぐが無理なら、先駆者に「どうでした?」と聞いてまわり、インターネットで検索し、書籍を読み、更に気持ちは高揚する。賛否両論どちらの意見にも触れるよう心がけるが、結局、何を見聞きしようと自分で経験するまで熱は下がらない。

令和3年(2021年)6月、行政書士事務所を開業するときもそうだった。

激動の2年間、不動の存在

開業から数ヶ月、毎日が忙しなかった。開業そのものが1つのゴールだった筆者にとり、その先の経営はよくわからなかった。だから本を読み、セミナーに参加し、周りに教示を乞うた。今の自分からすると、浅はかで恥ずかしい。そして、数年後も生きていれば同じ感想を抱くだろう。筆者はいつだって浅はかで恥ずかしい存在なのだ。

けれど、そんな忙しない毎日が止まった。それまで出会った誰とも違う出会いに驚き、頭の中はその人でいっぱいになった。

ただ、身体は別だ。開業前の自分からは考えられない頻度で知らない場所、知らない人、知らないことに直面した。大袈裟に聞こえるだろうが、30年近くかけて出会った人数と、開業から2年間に会った人の数は、ほぼ同数だと思う。もちろん、互いの記憶に残る・残らないは別として。

他者との出会いは、自分がどのような人間か考え、気づくきっかけとなった。筆者は、それまでの自分が考えていたような人間ではなく、そのことに喜んだり悲しんだりしながら日々を送った。このように多感な時期の端々にはいつも、その人がいた。実際にいたわけではなく、単に筆者が相手のことを考えていたに過ぎないが、私はいつも、その人の話を聞きたかった。

自信のなさと比例して

開業から2年と少し。筆者は様々な席から離席した。会社という枠組みから飛び出たことで、糸が切れた凧のように彷徨い、時には路肩にうずくまった。どこでもいいから自分の居場所がほしかった。そうしてタッチし続けた先は、いずれも場違いだと気づいたのだ。そして、その人の近くにも居場所などなかった。
約2年、緩やかでも接点はあったはずだが、最後に話をしたのはもっと、遠い昔のようだ。それどころか、私たちは1度もきちんと向き合ったことはなかったのかもしれない。

だから、だろうか。

出会う場やタイミングが違ったなら、話をできたのではないか。そんなことを考える。その度に「それはない」と結論づけ、下らない妄想だと蓋をする。人生において、同じ瞬間は2度とない。あの瞬間だから築いた関係であり、崩れた関係だ。この先、もう1度交わることがあるとすれば、それは過去をなぞることとは異なり、新たな”何か”である。少なくとも、筆者はそう考えている。

悔いは残る

人生について「悔いのないように」と口にする人がいる。過去には筆者も、似たようなことを考え、言葉にしたことがあったかもしれない。けれど、悔いは残るだろう。34歳の私はそう思っている。厳密に言えば、残るのは悔いではなく名残惜しさ。一切惜しむもののない人生より、1つ、2つ、別れを惜しみながら逝きたいものである。ただし、下らない悔いは嫌だ。

筆者は、自分が思うような人間ではなかった。そして、相手もまた、筆者が思うような人間ではなかった。だからこそ、もっと知りたかったのだろうし、話を聞きたかった。この先に会う人に同様の感情を抱くことがあったのなら、筆者は好機を逃がさぬことに全力を注ぐだろう。なぜなら、例のその人との会話はおろか、顔も思い出せやしないのに、話を聞きたかったという思いは、今でも時々首をもたげるからだ。あぁ。筆者はまたも経験に学んだ立派な愚者である。

特定人の話を記事にするのはいかがなものかと思うが、いずれ忘れるだろう。というより、既に失念していることも多く、ご都合主義の記憶補塡(または改ざん)が行われているように思う。事実は1つ、解釈は人の数だけあるのだから仕方がないのだが。
だから、朧でも覚えているうちに書いておきたかったんだ。付き合ってくれてありがとう。そして、これを読んでいるあなたに、話をしたい相手がいるのなら、できるうちに話しておくと良い。遅かれはやかれ、その人は目の前からいなくなる。

最後にひとつだけ。
人生は、失うものより得るものの方が圧倒的に多い。

本件において筆者が得たのは、さて、何だろうなぁ。