日頃から耳にする「節税」ですが、1歩間違えると「脱税」となることもあります。
そこで今回、税務調査で脱税がバレる代表的なケースを5つご紹介します。
そもそも脱税とは
脱税は、税法を自分に都合良く読み替え、自分の所得を過少に申告するなどして、納税額を不正に少なくする行為をいいます。
脱税するとどうなる?
私達には、税法により納税義務が課せられています。
脱税はこれに違反する行為なので、行政処置の対象としてペナルティが課せられることになります。
このときのペナルティが「重加算税」です。
特に悪質と判断された場合、一定期間の懲役や罰金刑に問われる可能性もあります。
どうしてバレるの?
「全てがこのケース!!」というわけではありませんが、多くの場合は次のように発覚します。
- 税務調査
- 内外からの密告
税務調査は、怪しい企業のみが対象となるわけではありません。
ある程度の売上がある企業なら、3年から5年程度で調査対象となります。
また、内外からの密告により税務調査の対象となり、手がかりが見つかることで発覚することもあります。
よくあるパターン5選
領収書偽造
最も典型的なのが、領収書の偽造です。
税金を減らそうと考える場合、その多くは「課税所得を減らすこと」を考えます。
この課税所得は、収益ー費用にて算出されるため、収益を減らす又は費用を増やすことになります。
売上を誤魔化すには顧客の協力が前提となるせいか、多くの違反者は費用を増やす側に着目します。
結果、もらった領収書の金額・日付を改ざんしたり、自分で自分宛のものを作成する人もいます。
二重帳簿
時代劇などに登場する悪代官の常套手段ですね。
事業用口座として記録している口座とは別で、銀行口座を用意し、売上・経費を帳簿上から誤魔化す手段です。
当然のことながら、税務署は不正に容赦がありません。
少しでも不審に思えば、金融機関や事業所、店舗まで赴き、入出金記録、在庫、帳票類などの全てを調査します。
収益の隠蔽
税務署は、入出金履歴などを徹底的に調査しますが、公的機関に資産を預けない場合には見つけづらくなります。
つまり、現金が最も見つかりづらい資産だといえます。
このことを利用し、現金集金のみを隠したり、日々の取引から一定額ずつ除くような場合は、満場一致で脱税です。
人件費の水増し
経費のうち、特に比重が大きい人件費は、水増しに最適なのでしょう。
実際には人を雇っていないのに、パート・アルバイトを雇った体を装い、人件費を水増しする人もいます。
これに対し、税務署は周辺に細かく聞き取り調査を実施し、本当に人を雇っていた事実があるのかどうかを確認します。
ペーパーカンパニー
人に生き死にがあるように、企業にも寿命があります。
きちんと廃業手続をとらないまま消息を絶った企業の名前を利用し、さも当該企業との取引があったように見せかける人もいます。
しかし、相手不在の状況にて、取引明細等を細かく調査されてボロを出さない人は稀少というもの。
税務署は必ず証拠を掴んでくることでしょう。
ペナルティは?
脱税発覚後のペナルティは、次の通りです。
- 延滞税
- 過少申告加算税
- 無申告加算税
- 重加算税
- 懲役・罰金等
- 社会的制裁
本記事をご覧の皆様には縁遠いお話かと思いますので、深掘りしませんが、本来額で納税するより遥かに高額な金額を求められるのは言うまでもありません。
特に、悪質だと判断されれば刑法上の罰則を科せられる場合もありますので、絶対に辞めましょう。
まとめ
今回は、脱税について解説しました。
法律などの規則は、違反が発覚する度に厳格化していく性質があります。
なぜなら、再発を防止したいからです。
数々の媒体が節税方法を紹介していますが、最高の節税は適切な深刻だと私は考えています。
税金に関わるお悩みは、税のプロフェッショナルである税理士までご相談くださいね。
きっと心強い味方になってくれることでしょう。
この記事を書いたのは
ヲタク行政書士®榊原沙奈です。