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フリーランスとして開業前後にやることを解説

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当ページでは、フリーランス開業にやることを前後に分け、解説します。

フリーランスとは

フリーランスとは、会社等の団体に所属・専従せず、業務委託などの方法で仕事を受注・提供する人(働き方)を指します。

(1)フリーランスと個人事業主の違い

個人事業主とは、税法上の「事業所得」を得る人を指します。

フリーランスも個人事業主も、特定の団体に属さない点が共通しますが、下記の点が異なります。

個人事業主フリーランス
開業届の提出
請負の有無×
従業員を雇用×
実店舗の有無×

開業前にやること

開業前、下記を行いましょう。

  1. 必要資金の算出
  2. クレジットカードの新規契約
  3. 賃貸借契約(必要な場合)
  4. 会計処理の準備

1.必要資金の算出

2.クレジットカードの新規契約

フリーランスの場合、会社員と比べ、収入を証明することが難しくなります。

特に、開業年度は確定申告を行っておらず、提出できる書類がありません。

このため、会社を退職する前にクレジットカードの新規契約を行っておくと安心です。

(1)事業用口座・カードも検討すると○

詳細は後述しますが、開業後の会計処理を分けるため、事業用の銀行口座と、これに対応するクレジットカードも作成しておくと良いでしょう。

開業後の資金繰りに困った場合、キャッシング機能を使うことで一時的に凌げる場合もあります。

フリーランスの場合、必ずしも屋号名義で作成する必要はありません。
筆者は退職前に楽天カードとエポスカードを作成しました。

3.賃貸借契約(必要な場合)

引っ越しの予定がある場合、退職前に済ませましょう。

フリーランスは、継続的な収入証明が難しく、会社員に比べると審査が厳しい傾向にあります。

現在、通勤前提の物件を契約している場合や、月々の固定費(家賃など)を下げたい、フリーランスとして新たな環境ではじめたい人は検討しましょう。

同じ理由から、住居の新築・購入予定など割賦契約ローンを要する高額な買い物は開業前に済ませることをオススメします。

4.会計処理の準備

開業までに、開業後の会計処理について、検討・準備を進めましょう。

(1)会計ソフト

会計ソフトとは、日々の経理・会計作業を効率化するために用いるツールですを指し、下記に分類されます。

クラウド型インターネットを介し、オンラインで会計処理を行う
インストール型自身のパソコン等にソフトをインストールして会計処理を行う

いずれの場合も費用はかかりますし、一定の会計知識は求められますが、他の方法に比べると安価で、銀行口座やクレジットカードと連携でき、会計処理にかかる負担を軽減することができます。

日々の会計処理は自己責任なので、会計知識がない状態だと慣れるまで時間はかかります。

(2)税理士との顧問契約

税に関する手続きは、税理士に依頼することができます。

税理士は「税」に関する専門家であることから、正しい処理や節税に繋がるサポートが期待できます。

いっぽうで、税理士報酬がかかりますし、いわゆる「丸投げ」はできない点に注意しましょう。

会計ソフトの場合、正誤・要否の判断を自分で行う必要があるのに対し、税理士と顧問契約を結ぶことで、相談・対応を任せることもできるので、事業に集中できるメリットがあります。

(3)経理担当の雇用

フリーランスの定義から外れてしまうことになりますが、経理担当者を雇用する方法もあります。

専属の経理担当者を置くことで、給与や福利厚生費がかかる一方で、有識者なら経理全般を任せることができ、自分の業務を効率化することができます。

会計ソフトや税理士の利用と併せて導入する場合、費用・管理が二重になる点には注意です。

開業時にやること

開業に際し、下記を行いましょう。

  1. 開業届の提出
  2. 健康保険に加入する
  3. 国民年金への切り替え

1.開業届の提出

開業届(正式には「個人事業の回廃業届出書」といいます)とは、開業を税務署に知らせるために提出します。

提出時期事業の開始等の事実があった日から1か月以内
作成・提出方法・窓口または郵送
・パソコンからe-Taxを介し、届出書を作成・提出
添付書類本人確認書類の提示または写しの添付(e-Taxの場合は不要)
提出先納税地を管轄する税務署長
(出典:A-15 個人事業の開業届出・廃業届出等手続

開業届の提出は強制ではなく、罰則等もありませんが、提出することにより受けられるメリットも多いため、本格的に事業を行うのなら出すことをオススメします。

(1)確定申告の方法

開業届を出すタイミングで検討したいのが申告方法です。

確定申告は、下記に分類されます。

青色申告白色申告
適用条件青色申告承認申請書の提出
メリット・最大65万円控除
・赤字を3年繰り越せる
・家族への給与を経費計上できる
・会計知識がなくても処理できる
注意点・複式簿記による記帳が求められる
・申請書の提出が必要
・青色申告で受けられる控除の全部または一部が受けられない

(2)青色申告の要件

青色申告を行うには、下記の要件を満たす必要があります。

  1. 青色申告書による申告をしようとする年の3月15日までに提出すること※
  2. 不動産所得または事業所得を生ずべき事業を営んでいること
  3. これらの所得に係る取引を正規の簿記の原則(複式簿記)により記帳すること
  4. 確定申告時において、貸借対照表および損益計算書を確定申告書に添付し、控除の適用を受ける金額を記載し、その年の確定申告期限(翌年3月15日)までに当該申告書を提出すること

※その年の1月16日以後に事業を開始した場合、事業開始から2か月以内に提出する必要があります。

2.健康保険に加入する

フリーランスになる場合、会社の健康保険から他の保険に加入する必要があります。

この際、選択肢は下記の通りです。

会社の健康保険を任意継続退職後も勤務先の健康保険に継続加入する
国民健康保険に加入原則、退職日の翌日から14日以内に加入手続が必要
 国民健康保険組合に加入同種の事業・業務に従事する人で組織される保険

(1)会社の健康保険を任意継続

現在の勤務先で加入する健康保険について、下記を満たす場合には「任意継続」することができます。

  1. 資格喪失日の前日(退職日)までに継続して2か月以上被保険者だったこと
  2. 資格喪失日から20日以内に「任意継続被保険者資格取得申請書」を提出すること

ただし、任意継続の場合には「退職日の翌日から2年間」の加入期間を超えることができない他、喪失事由に該当すると、加入期間中でも資格喪失となります。

  1. 2年間の加入期間満了
  2. 保険料の未納
  3. 就職により他の健康保険に加入
  4. 75歳の誕生日を迎える、または後期高齢者医療制度の被保険者となる
  5. 自ら資格喪失を希望
  6. 被保険者の死亡

在職時には会社が負担してくれていた部分が自己負担となり、保険料が高くなる点に注意しましょう。

(2)国民健康保険に加入

国民健康保険とは、他の公的な医療保険制度に加入していない日本人を対象とした制度です。

原則、退職日の翌日から14日以内にお住まいの市区町村役所で加入手続をしなければならず、離職票や社会保険の資格喪失証明書、身分証明書などが必要です。

国民年金に加入する場合、いっしょに手続をすると手間も省けますよ👌

(3)国民健康保険組合に加入

国民健康保険組合とは、同じ業種の人が組織する組合を指します。

従業員5人未満の個人主および従業員、または個人の構成を基本としているほか、特定の地域に属する人を対象としているため、どこでも誰でも加入することはできません。

どれを選んでも医療費の負担はありますが、保険料が異なります。
このため、納付予定額をあらかじめ確認しておくと安心です。

3.国民年金への切り替え

会社員からフリーランスになる場合、勤務先で厚生年金の脱退手続が行われます。

会社に所属しない場合やフリーランスになる場合、その期間中は国民年金の「第1号被保険者」の手続が必要です。

手続窓口住所地の市区町村役所
必要なもの基礎年金番号が確認できる書類(基礎年金番号通知書、年金手帳など)
提出期限退職日の翌日から14日以内
提出者本人または世帯主
出典:国民年金に加入するための手続

開業後にやること

フリーランスとして開業した後、下記を行うことをオススメします。

  1. ホームページ・連絡先を作成
  2. 名刺を作成
  3. SNSアカウントを作成
  4. ポートフォリオを作成
  5. 仕事環境を整える

1.ホームページ・連絡先を作成

開業後、自分のホームページと問合せ先となる連絡先を用意しましょう。

既存のプラットフォームでホームページを作成する方法もありますが、長期的に見るとサーバーを契約し、自分で運営するのがベター。

連絡先は電話、テキストベースでのやり取りができるものを選びます。

チャットワークやslackも使用場面が多いものの、メールアドレスの登録を求められる場面も多いので、1つは持っておいて損はありません。

2.名刺を作成

対面で名刺交換をする機会は減っていますが、作成することで下記のメリットが考えられます。

  1. 専門的な印象を与えられる
  2. 業種・スキルを明確に伝えられる
  3. イメージ向上につながる

「名刺を渡す」「名刺を受け取る」という実動作を伴うことから印象に残りやすいだけでなく、出会いの場でスマートな自己紹介が可能となるのもメリットだといえます。

一般的な記載事項は、下記の通りです。
1.氏名
2.屋号
3.肩書き/保有資格
4.メールアドレス
5.電話番号
6.ホームページ・SNSアカウント
7.実績など
これらは必須ではないので、自分に合ったものを取捨選択しましょう。

3.SNSアカウントを作成

フリーランスがSNSを使用する目的は、集客、コミュニケーションツールとしてが大半を占めます。

自分が提供する商品・サービスを発信することで、これを見たユーザーや企業からオファーをもらえる可能性があるほか、認知度を上げることで価格設定で優位に立てるメリットもあります。

はじめはどのプラットフォームを利用するか悩むかもしれませんが、同業者やターゲットの動向を観察し、少しずつ狭めていく方法もあります。

4.ポートフォリオを作成

ポートフォリオとは、自分の実績を相手にアピールし、仕事に繋げる営業ツールを指します。

会社の場合、実績やブランド力により信頼を勝ち取り、顧客からの受注獲得に繋がる場面もありますが、フリーランスの場合、自分自身の実績やスキルで戦わなくてはなりません。

また、資格や経歴だけで本人のスキルや実績を知ることは困難なため、一辺倒な内容ではなく、自由に作成しましょう。

デザイナー等、視覚に訴えかける業種の人が活用するイメージが強いかと思いますが、職業にかかわらず貴重なツールですので作成をオススメします。

5.仕事環境を整える

仕事環境とは、自身が仕事をするための環境を指し、はじめは必要最低限を揃え、徐々に導線等を意識して整えましょう。

具体的には、下記の通りです。

  1. 見積書・請求書・領収書等の伝票
  2. インターネット環境の整備
  3. クラウドソーシング等への登録
  4. 体調管理

体調管理?と思う方もいるかもしれませんが、フリーランサーは特に身体が一番なので、食生活等にも気を遣えるといいですね。

フリーランスとして開業前後にやること、注意点まとめ

当ページでは、フリーランスとして開業前後にやることと注意点をまとめました。

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カテゴリー: 個人事業・フリーランス


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榊原沙奈
(さかきばら さな)
ヲタク行政書士®
やぎ座のO型、平成弐年式
法人設立、事業承継が得意
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