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本記事では、複数の法人を経営するメリット・デメリットを解説します。
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複数の法人をもつ理由
起業後、別の法人を設立したいと考える経営者もいます。
その理由は、節税や事業区分の明確化などさまざまです。
複数の会社を設立するメリット
複数の法人を設立することで、下記のメリットがあります。
- 利益分散による節税
- 経費に算入できる費目の拡大
- 設立から2年間の消費税免税
- リスク分散
1.利益分散による節税
中小企業の場合、一定額内の利益について軽減税率を適用することができます。
既に運営している法人の利益が大きい場合、新たな法人に利益を分散することで、課税価格を抑えることができ、結果的に節税に繋がる可能性があります。
2.経費に算入できる費目の拡大
節税の基本は、課税価格の最小化です。
中小企業の場合、年間を通し、一定額までの交際費を損金に算入することができますが、これを超える交際費を支出している場合、新たな法人を設立することにより、超過分を経費算入できる可能性があります。
また、一定額以上の固定資産について、耐用年数に基づいた減価償却を行う必要がありますが、中書企業の取得する固定資産の一部は当該年度の損金に全額算入することもできます。
このほか、一方の従業員を他方に転籍することにより、退職金を支給することも可能となります。
3.設立から2年間の消費税免税
資本金が1,000万円未満の法人を設立する場合、設立から最大2年間は消費税が免税となります。
ただし、1期目の6か月間において、課税売上高、給与支払額がいずれも1,000万円を超える場合には、2期目から課税事業者となる点には注意が必要です。
既存法人で多額の消費税を支払っている場合、新設法人に課税割合の大きな事業を任せることで、大きな節税効果が期待できます。
4.リスクの分散
新設法人において、既存の法人で行っている事業を単純に分割するのではなく、事業別に運営することにより利益の最大化を目指すことができます。
これを反対に言えば、いずれかの事業が失敗しても、犠牲になるのは一社で済むことからリスク分散効果が期待できます。
リスクの高い新規事業を新設法人で行えば、致命傷は避けることができますね。
複数の法人を設立する際の注意点
複数の法人を設立する場合、次の点に注意しましょう。
- 手間の増加
- 運営コストの増加
- 租税回避を疑われる可能性がある
1.手間の増加
法人の運営には、下記の事務処理が必要です。
- 人事労務関連手続
- 契約関係の処理
- 書類の作成、管理
- 会計、税務処理
法人を複数もつということは、これらの手間も2倍かかる点に注意しましょう。
2.運営コストの増加
法人の運営において、下記の運営コストがかかります。
- 賃料等の固定費
- 水道光熱費
- 旅費交通費
- 人件費
- 広告宣伝費
- 設備管理費
- 支払保険料
- 租税公課
- 顧問税理士等に支払う顧問料など
これらの経費を確保するには、今まで以上の売上を確保しなくてはなりませんが、適切な処理には新たな人手も必要な場合があります。
時には外部サービスをうまく利用し、運営していきましょう。
3.租税回避を疑われる可能性がある
新設法人の会計において、既存法人の経費振替ばかり行っているなど、法人としての活動が形骸化していると認められた場合、税務署から指摘されることがあります。
これらを防ぐには、資金の出入り口を別個独立にすること、積極的に他者との取引を行うことが考えられます。
業務を完全に分割することで、客観的に別個独立の事業だと示すのが有効です。
複数の法人を設立するメリット、注意点まとめ
当ページでは、複数の法人を設立するメリット、注意点を解説しました。