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問題27
消滅時効に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし、誤っているものはどれか。
1 債権者が権利を行使できることを知った時から5 年間行使しないときは、その債権は、時効によって消滅する。
2 不法行為による損害賠償請求権以外の債権(人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権を除く)は、その権利について行使することができることを知らない場合でも、その権利を行使できる時から10 年間行使しないときには、時効によって消滅する。
3 人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権は、その権利について行使することができることを知らない場合でも、その債権を行使できる時から20 年間行使しないときには、時効によって消滅する。
4 人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3 年間行使しないときは、時効によって消滅する。
5 債権又は所有権以外の財産権は、権利を行使することができる時から20 年間行使しないときは、時効によって消滅する。
正解:4
この問題は、不法行為の一般規定と例外規定の混同を誘発する意図を持ったものと考えられ、正確な条文知識が求められます。
「人の生命または身体を害する」不法行為には例外規定が適用され、短期消滅時効が3年から5年となる点を理解しなければ、誤答しやすいため注意しましょう。
1:正しい
債権の一般的な消滅時効期間は、「権利を行使できることを知った時から5年」又は「権利を行使できる時から10年」のいずれか早い方です(民法第166条第1項)。
したがって、本肢は短期消滅時効に該当し、正しいといえます。
2:正しい
民法では、権利を行使できることを知らなくとも「権利を行使できる時から10年」の消滅時効期間を定めています(民法第166条第1項第2号)。
したがって、法律の規定通りの本肢は正しいです。
3:正しい
生命・身体に関する損害賠償請求権について、行使できる時から20年で時効が成立します(民法第167条第2項)
本肢は法律の規定と一致し、正しいです。
4:誤り
不法行為に基づく損害賠償請求権は、「損害及び加害者を知った時から3年間」または「不法行為の時から20年間」で時効が成立します(民法第724条)
ただし、この規定は通常の不法行為に関するもので、人の生命または身体を害する不法行為の場合、「知った時から5年間」または「不法行為時から20年間」のいずれか早い時点を時効期間とします(民法第724条の2)。
したがって、人の生命・身体を害する不法行為の損害賠償請求権の消滅時効を「知った時から3年間」とする本肢は誤りです。
5:正しい
所有権以外の財産権について、「権利を行使できる時から20年」で時効が成立します(民法第167条第1項)。
本肢は法律の規定通りであり、正しいといえます。