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【過去問】(令和6年 問49)その他(土地に関する知識)

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問49

土地に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 30度以上の角度をなす斜面を背後に控える宅地は、崖面への保護対策を講じるか、擁壁を設けるなどの必要がある。
  2. 高さ2m以下の擁壁であれば、水抜き孔を有しなくても、地震による被害が生じることはない。
  3. 重力式擁壁は、擁壁の自重により、背面からの土圧に抵抗するコンクリート構造物である。
  4. 工場跡地や埋立地などでは、重金属や揮発性有機化合物などによる土壌汚染が問題となることがある。

正解:2

1:適当

本肢の「30度以上の角度をなす斜面」とは、土砂災害のリスクが大きい土地であり、盛土規制法における「崖」に該当します(盛土規制法施行令第1条第1項)。

こうした崖には、コンクリート吹付工法や吹付法枠工法など崖面の保護対策を講じる、又は擁壁の設置等が求められます。

したがって、本肢は適当です。

2:不適当

擁壁の高さが2mを超える場合、擁壁の裏面の排水を良くするために、水抜穴を設け、かつ、擁壁の裏面の水抜穴の周辺に砂利その他これに類するものを詰めなければなりません(建築基準法施行令第138条第1項第5号、第142条第1項第3号)。

反対に、高さ2㎡以下の擁壁であれば、当該施行令の対象外であり、このような義務を負いません。

とはいえ、本肢のように「地震による被害が生じることはない」と言い切ることはできないことから誤りだと判断できます。

3:適当

重力式擁壁とは、斜面や土砂を支える「擁壁」の一種で、その擁壁自体の重さにより土圧や外力に対抗できる設計っであるものを指します。そのため、鉄筋は使わず、コンクリートや石積みで作られ、コストが抑えられ、施工が容易です。

その一方で、十分な厚さを要するため、土地の利用方法について制限を受ける点はデメリットだといえます。

鉄筋コンクリート造擁壁の場合、L字型にし、薄くても頑丈な構造となるものの、コストがかかります。

したがって、本肢は適当です。

4:適当

日本における土壌汚染問題で、最も知名度が高く、比較的最近の事例として挙げられるのは、東京都江東区の「豊洲新市場」の土壌汚染問題です。

豊洲新市場の建設地は、かつて東京ガスの工場が存在し、長年の工業活動により土壌が汚染されていました。

調査の結果、土壌や地下水から基準値を超えるベンゼンやシアン化合物などの有害物質が検出され、市場の安全性や環境への影響が強く懸念されました。

この問題について、土壌汚染のリスクや再開発における環境対策の重要性を再認識させる契機となっただけでなく、土壌汚染対策法の適用関係、行政の対応、情報公開の在り方について多くの議論がなされました。

少々話が逸れましたが、本肢は正しいです。

土壌汚染は全国的な問題であり、他の地域でも工場跡地や埋立地での汚染が報告されています。
例えば、香川県高松市では、グラビア製版会社の敷地内から六価クロム化合物が検出されるなどの事例があります。

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榊原沙奈
(さかきばら さな)
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