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当ページでは、定款を自分で作成する方法と注意点、認証までの流れを開設します。
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筆者プロフィール
榊原 沙奈(90′) / 榊原行政書士事務所 代表行政書士 / 3級FP技能士 / やぎ座のO型 / 趣味は写真を撮ること、神社をめぐること
定款とは
定款とは、会社の根本規則を定めたもので、設立時に必要なものです。
一部の法人を除き、作成した定款は「公証役場」というところで、認証を受ける必要があります。
紙定款と電子定款の違い
定款は「紙」「電子」に分類されます。
紙定款 | 電子定款 | |
---|---|---|
印紙税 | 4万円 | 0円 |
必要な機器 | 不要 | 専用ソフト、カードリーダ等 |
紙定款の場合、文書作成ソフト等で作成した定款をプリントアウトし、押印したものを作成・保管する必要がある一方、電子定款の場合、作成した定款をPDFに変換したものに電子署名をして、データにて保管することになります。
印紙税は、紙文書にのみかかるため、電子定款の場合にはかかりませんが、作成には専用ソフト等が揃える必要があります。
定款の作成に必要なもの
定款の作成には、下記が必要です。
許可・認可手続 | 開業を予定している事業により、事前に許認可の取得が求められる場合があります |
印鑑登録証明書 | 発起人、役員等の印鑑登録証明書 |
認証費用 | 資本金の額により異なりますが、3万円から5万円程度です |
定款の謄本代 | 1枚250円 |
CD-R、DVD-R、USBメモリ等の記録媒体 | 電子定款の場合に必要 |
会社の代表印 | 一般的に会社の実印、角印、銀行印の3つを用意しますが、1つでも構いません |
資本金振込用の通帳 | 法人名義の通帳は、設立(登記)後でなければ作成できませんので、個人名義の通帳で構いません |
定款作成の流れ
定款は、下記の流れで作成します。
- 定款案の作成
- 公証人に事前相談
- 公証役場にて定款認証
1.定款案の作成
定款に記載する事項は、大きく3つに分類されます。
絶対的記載事項 | 会社法により記載が義務づけられる事項 |
相対的記載事項 | 特定の状況・条件に対応するため、記載する必要がある事項 |
任意的記載事項 | 法律で記載は義務づけられていないものの、会社が自由に決定できる事項 |
(1)絶対的記載事項
絶対的記載事項には、下記を記載する必要があります(会社法 第27条)
- 目的
- 商号
- 本店の所在地
- 設立に際して出資される財産の価額 または その最低額
- 発起人の氏名 または 名称 及び 住所
(2)相対的記載事項
相対的記載事項として、一般的には下記を記載します(会社法 第28条、第29条)
- 変態的記載事項
(1) 現物出資
(2) 財産引受
(3) 発起人の報酬、特別利益
(4)設立費用の求償 - 株式の譲渡制限に関する定め
- 取得請求権株式に関する定め
- 取得条項付株式に関する定め
- 株券発行の定め
- 基準日
- 取締役会、会計参与、監査役、会計監査人、委員会、代表取締役の設置
- 取締役等の任期の短縮
- 取締役等の任期の伸長
- 監査役の任期の伸長
- 取締役会の招集通知期間の短縮
- 取締役会の決議の省略
- 役員等の責任の軽減に関する定め
- 剰余金配当の定め
- 公告の方法
(3)任意的記載事項
任意的記載事項は、定款外で定めても構わない事項ですが、定款に記載することでより明確になります。
ただし、定款に記載した事項を変更する場合、その都度、株主総会の特別決議が必要な点に注意しましょう。
- 事業年度(決算期)
- 役員等の員数
- 役員報酬の決定方法
- 定時株主総会の招集時期
- 株主総会の議長 など
合同会社の場合、利益配当の定め、社員の損益分割割合の定め、残余財産分配の定め等も任意的記載事項に含まれます。
1-1.定款の用紙サイズと書式等
定款を作成する際は、下記に注意しましょう。
用紙サイズ | A4サイズ (横210mm×縦297mm) |
書式 | Microsoft Word等の文書作成ソフトでの作成可 |
作成部数 | 3部 (公証役場保存用、登記用、会社保存用) |
文字の向き | 横書き |
文字の大きさ | 10.5ptから12pt |
フォント | 明朝体 または ゴシック体 |
紙定款の場合、定款末尾に発起人全員の署名押印が必要ですが、電子定款の場合は不要です。
1-2.定款の綴じ方
作成した定款は、ホチキスで留めて割印をします。
割印は、各ページの継ぎ目にしますが、製本テープで袋綴じにする場合は、表裏の製本テープと原本との間に押します。
上記は示談書の例ですが、定款も同様です。
2.公証人に事前相談
定款案が完成したら、公証役場に連絡し、公証人による事前確認を受けます。
提出先は、設立する会社の本店所在地を管轄する法務局 または 地方法務局に所属する公証人となります。
要するに、本店所在地のある都道府県内の公証役場なら、どこでも構いません。
提出した定款案について、問題がある場合には公証人から指摘がありますので、この段階で修正しましょう。
3.公証役場にて定款認証
事前確認の終了後、予約をとり、公証役場にて認証手続を行います。
認証完了後、定款の謄本を受け取りましょう。
3-1.定款認証に必要なもの
定款の認証手続には、下記が必要です。
発起人自身が定款を作成した場合 | ① 定款 3通 ② 発起人全員の印鑑登録証明書 (2) 代理人が公証役場に行く場合 (1)に加えて ① 委任状(発起人の実印を押印したもの) ② 代理人自身の確認資料として下記のいずれか ア 印鑑登録証明書と実印 イ 運転免許証と認印 ウ マイナンバーカードと認印 エ 住民基本台帳カードと認印 オ パスポート、身体障害者手帳、在留カードと認印 |
代理人が定款を作成した場合 | (1) 定款作成代理人が公証役場に行く場合 ① 定款 3通 ② 発起人全員の印鑑登録証明書 ③ 委任状 ④ 定款作成代理人 ア 印鑑登録証明書と実印 イ 運転免許証と認印 ウ マイナンバーカードと認印 エ 住民基本台帳カードと認印 オ パスポート、身体障害者手帳、在留カードと認印 (2) 定款作成代理人の代理人が公証役場に行く場合 (1) の資料に加えて ① 委任状 ② ア 印鑑登録証明書と実印 イ 運転免許証と認印 ウ マイナンバーカードと認印 エ 住民基本台帳カードと認印 オ パスポート、身体障害者手帳、在留カードと認印 |
3-2.定款の認証手数料
定款認証にかかる費用は、法人形態・資本金の額により異なります。
下表は、株式会社 または 特定目的会社の定款認証手数料です(手数料令 第35条1号、2号、3号)
資本金の額等が100万円未満 | 3万円 |
資本金の額等が100万円以上300万円未満 | 4万円 |
上記以外 | 5万円 |
定款に資本金の額等が記載されていない場合 | 5万円 |
一般社団法人、一般財団法人の定款認証手数料は5万円です(手数料令 第35条)
3-3.謄本の請求手数料
紙定款の場合、謄本が必要ですが、1枚につき250円の手数料がかかります。
おおむね8枚程度となり、2,000円くらいです。
3-4.収入印紙代
紙定款の場合、印紙税法により課税文書として扱われ、収入印紙代4万円が必要です。
電子定款の場合、収入印紙代の代わりにCD-R、DVD-R、USBメモリ等の記録媒体に対し、電磁的記録の保存手数料 300円/回 がかかります。
定款を自分で作る方法、認証までの流れ まとめ
当ページでは、定款を自分で作る方法と認証までの流れを開設しました。