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会社の定款変更に必要な手続き、注意点を解説

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当ページでは、会社の定款変更に必要な手続き、注意点を解説します。

筆者プロフィール

榊原 沙奈さかきばら さな(90′) / 榊原行政書士事務所 代表行政書士 / 3級FP技能士 / やぎ座のO型 / 趣味は写真を撮ること、神社をめぐること

定款とは

定款とは、会社の根本規則を定めた書類を指します。

定款と電子定款の違い

法人を設立する際、定款を紙 または 電子にて作成します。

いずれの場合も、認証を受けた公証役場に原始定款の謄本を請求することができます。

電子定款で認証を受けた場合、公証役場に「同一情報の提供」を請求することになります。

定款の記載事項

定款の記載事項は、下記に分類されます。

  1. 絶対的記載事項
  2. 相対的記載事項
  3. 任意的記載事項

1.絶対的記載事項

絶対的記載事項とは、会社法により定款に必ず記載しなければならない事項を指します。

具体的には、下記の事項です。

  1. 商号(会社名)
  2. 本店の所在地
  3. 目的
  4. 発行可能株式総数
  5. 資本金の額 または 準備金の額
  6. 発起人の氏名 または 名称 及び 住所

2.相対的記載事項

相対的記載事項とは、記載しなくても定款自体は有効に成立しますが、定款に記載しなければ、その内容について効力が認められない事項を指します。

一般的には、下記を記載します。

  1. 株式の譲渡制限に関する定め
  2. 取得請求権株式に関する定め
  3. 取得条項付株式に関する定め
  4. 株券発行の定め
  5. 基準日
  6. 取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人、委員会、代表取締役の設置
  7. 取締役等の任期の短縮
  8. 取締役、監査役等の任期の伸長
  9. 取締役会の招集通知期間の短縮
  10. 取締役会の決議の省略
  11. 役員等の責任の軽減に関する定め
  12. 剰余金配当の定め
  13. 公告方法 など

3.任意的記載事項

任意的記載事項とは、定款に記載することで、その内容を明確にし、変更時に手続を発生させる効果をもたせる事項を指します。

記載しなくても定款自体は有効に成立しますが、記載した場合、変更時に株主総会の特別決議等が必要になります。

  1. 事業年度
  2. 役員の員数
  3. 役員報酬の決定方法
  4. 定時株主総会の招集時期
  5. 株主総会の議長 など

定款の変更が必要になる場合

下記に変更が生じた場合、定款を変更する必要があります。

  1. 商号
  2. 本店所在地
  3. 役員
  4. 代表取締役の住所
  5. 事業目的

定款変更の登記が必要な場合

下記に該当する内容について、定款を変更した場合、登記手続が必要です(会社法 第911条 第3項 / 第915条 第1項)

  1. 目的
  2. 商号
  3. 本店 及び 支店の所在場所
  4. 株式会社の存続期間 又は 解散事由
  5. 資本金の額
  6. 発行可能株式総数
  7. 発行する株式の内容
  8. 単元株式数
  9. 発行済株式の総数 並びに その種類 及び 種類ごとの数
  10. 株券発行会社である旨
  11. 株主名簿管理人の氏名(名称)又は 住所(営業所)
  12. 新株予約権の数
  13. 取締役の氏名
  14. 代表取締役の氏名 及び 住所
  15. 取締役会設置 又は 廃止
  16. 会計参与設置 又は 廃止
  17. 監査役設置 又は 廃止
  18. 監査役会設置 又は 廃止
  19. 会計監査人設置 又は 廃止、会計監査人の氏名(名称)
  20. 一時会計監査人の設置、交代
  21. 特別取締役に関する事項
  22. 指名委員会等の設置 又は 廃止、各委員会の委員、執行役の氏名など
  23. 責任限定契約の締結に関する事項
  24. 公告方法に関する事項 など

登記変更手続が必要な場合、変更が生じてから2週間以内に、本店の所在地において、変更登記を行わなければなりません(会社法 第915条第1項)

期限内に登記申請をしなかった場合、代表者に100万円以下の過料に処される可能性がありますが(会社法 第976条)登記自体は可能なので、早めに手続を行いましょう。

定款変更手続の流れ

定款変更手続は、下記の流れで行います。

  1. 株主総会特別決議
  2. 議事録作成
  3. 変更登記申請

1.株主総会特別決議

定款を変更する場合、公証人による認証手続は不要です。

ただし、株式会社の定款を変更するには、原則、株主総会の特別決議により決定を経る必要があります(会社法 第466条/第309条)

取締役会(設置していない場合は取締役)で株主総会の招集事項を決定し、開催日の2週間前までに招集通知を発し、当日の議事を経て、特別決議が成立した時点で定款変更となります。

株主総会の特別決議における成立要件は下記の通りです。

定足数行使可能議決権の過半数をもつ株主が出席すること
(定款により、3分の1以上まで緩和が可能)
賛成数出席した株主がもつ議決権の3分の2以上の酸性を得ること
(定款により加重可能)

2.議事録の作成

株主総会について、下記を記載した議事録を作成します。

  1. 開催日時 及び 場所
  2. 議事の経過の要領 及び その結果
  3. 述べられた意見 又は 発言内容の概要
  4. 出席した取締役、執行役、会計参与、監査役、会計監査人の氏名 又は 名称
  5. 株主総会の議長の氏名
  6. 議事録を作成した取締役の氏名

出典:会社法第72条|e-Gov法令検索

議事録は、本店で10年間、支店で5年間保存する義務があります(会社法 第318条第2項、3項)

法律上、議事録に押印義務はありませんが、署名押印をしても差し支えありません。

3.変更登記申請

変更する内容により、変更登記を申請します。

登記申請が必要な変更事項が生じた場合、原則、株主総会 特別決議の翌日から2週間以内に、本店の所在地を管轄する法務局に登記申請を行う必要があります(会社法 第915条 第1項)

3-1.必要な書類

定款変更自体に必要な書類はありませんが、変更登記を申請する際は、「登記申請書」「株主総会議事録」「株主リスト」等が必要です。

本店を移転し、法務局の管轄が変更となる場合、登記申請書を2件分用意する必要があることと、新たに印鑑登録を行う必要がある点に注意しましょう。

必要書類等は、法務局 または 司法書士まで、事前にご確認ください。

3-2.かかる費用

定款変更の登記を申請する場合、登録免許税額3万円/1件が必要です。

決算月を変更する際は税務署に届出

決算月を変更する場合、定款を変更する必要があります。

この場合、変更登記は不要ですが、税務署に変更の届出が必要です。

「異動届出書」「株主総会議事録」等を提出しましょう。

会社の定款変更に必要な手続、注意点まとめ

当ページでは、会社の定款変更に必要な手続と注意点を解説しました。

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榊原沙奈
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