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当ページでは、会社が黒字倒産する原因と、黒字倒産を回避する方法を解説します。
Contents
筆者プロフィール
黒字倒産とは
黒字倒産とは、帳簿上は黒字であるにも関わらず、事業の継続が困難になる場合をいいます。
赤字経営とは
黒字倒産の対義語として、赤字経営を考えてみます。
赤字経営とは、収入を支出が上回り、手元(会社)に現金が残らない状態を指します。
赤字でも、支払うべきタイミングで収入があれば日常的な取引には支障がなく、経営を継続することはできますが、長期かすればいずれは資金ショートとなり、倒産となります。
会社が倒産する原因
黒字、赤字に関わらず、会社が倒産する理由は様々です。
- ビジネスモデルが硬直的
- 過剰な投資
黒字倒産の原因
倒産のうち、特に黒字倒産の原因は、下記のようなものが考えられます。
- 滞留在庫
- 杜撰な売掛管理
1.滞留在庫
黒字倒産の大きな原因は、在庫管理が不適切なことです。
在庫は、現金を商品・材料等の「資産」に交換したもので、販売することで初めて「費用」計上されます。反対に言えば、売れるのを待つ商品・材料等は、売れるまで「資産」のままです。
対して、商品・材料等に交換するために支払った現金は、「仕入代金」として既に支出しています。
滞留在庫が増えるほど、会社の資産はうまく回転せず、経営上、致命傷となる場合があります。
2.杜撰な売掛管理
一般的に、商品は販売した時点で売上として計上します。
しかし、全ての取引で「商品」と「代金の回収」が同時に起こるわけではありません。
商品・サービスを提供したものの、その代金を受け取っていないものを「売掛金」として計上し、販売者は回収する必要が生じます。
帳簿上いくら売上があっても、売掛金を回収できなければ意味がありません。
黒字倒産を防ぐには、売掛金の管理、回収の実行を徹底する必要があります。
黒字倒産の回避方法
黒字倒産を回避するには、下記の点に注意しましょう。
- 在庫管理の徹底
- キャッシュフローの把握
1.在庫管理の徹底
滞留在庫が増えるほど、黒字倒産のリスクは高まります。
このため、自社の在庫が適正かどうか「棚卸資産回転率」を把握しましょう。
棚卸資産回転率=売上原価÷期末の棚折資産
売れている商品・サービスの場合、棚卸思案回転率は高くなり好循環といえます。
反対に、売れていない商品は延々と残るため、回転率は低くなります。
下記は、業界別の棚卸資産回転率平均です。
日本標準産業分類 (大分類) | 棚卸資産回転率 (回転) | 回転期間 (日) |
---|---|---|
建設業 | 10.74 | 33.98 |
製造業 | 8.89 | 41.04 |
情報通信業 | 27.89 | 13.09 |
運輸業・郵便業 | 103.30 | 3.53 |
卸売業 | 15.29 | 23.87 |
小売業 | 12.07 | 30.24 |
不動産業・物品賃貸業 | 3.50 | 104.25 |
学術研究、専門・技術サービス業 | 24.36 | 14.99 |
宿泊業・飲食サービス業 | 59.40 | 6.15 |
生活関連サービス業・娯楽業 | 64.32 | 5.67 |
サービス業(他に分類されないもの) | 60.01 | 6.08 |
財務分析では、業種別、同業他社の平均と比較し、在庫管理上、できる限り商品ごとの把握をオススメします。
2.キャッシュフローを把握する
決算書類のうち、現金について記録される「キャッシュフロー計算書」があります。
黒字倒産を避けるには、キャッシュフロー計算書において、期首現金残高と期末の現金残高を比較し、現金の流れを把握することができます。
損益計算書の場合、「入金予定」の金額は含まないため、より現実的な数値を把握することができます。
キャッシュフローは「営業」「投資」「財務」に分類され、いずれもプラスであることが望ましいものです。
仕入、締日、支払、売上と入金の流れを理解し、それぞれのタイミングをきちんと把握しましょう。
赤字でも存続できる場合
赤字でも経営できる会社は、下記の特徴があります。
- 現金決済がメイン
- 金融機関から融資を受けている
決済方法を現金にすると、常に手元には現金がある状態なので「自転車操業」が可能です。
また、金融機関等から借入し、うまく資金繰りを行っている場合も継続可能です。
中には、金融機関ではなく、取引先等に支払を待ってもらう方法もあります。
黒字倒産の原因、回避方法まとめ
当ページでは、黒字倒産の原因と回避する方法を解説しました。