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当ページでは、副業で開業届を出すタイミング、メリットと注意点を解説します。
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副業で開業届を出すタイミング
会社員が副業で収入を得る場合、副業による所得が年間20万円以下の場合、原則、確定申告は必要ありません。この場合、所得区分は「雑所得」となります。
ただし、副業による収入が安定し、本業と同等の費用・時間を費やす場合、所得区分は「事業所得」となり、確定申告をしなければなりません。
このことから、副業で開業届を出すかどうか悩んでいる場合、確定申告の義務が生じるタイミングが適切だと考えられます。
開業届を出すと個人事業主に
個人事業主とは、法人を設立せず、事業を行っている人を指します。
事業とは、「独立」「反復」「継続」の全てを満たすものをいい、ほとんどの場合、一定規模以上の仕事になります。
個人事業主とフリーランスの違い
フリーランスとは、法人等の組織に所属せず、独立して仕事を請け負う人、働き方を指します。
自分のスキル、専門技術を活かし、個人で仕事をするもので、具体的には、士業者、カメラマン、ライター、デザイナー等が挙げられます。
これに対し、個人事業主は、税務署に開業届を提出し、税務上の区分が法人ではない事業者を指します。
要するに、開業届を提出しているかどうかの違いです。
個人事業主として開業するメリット
副業について、個人事業主として開業するメリットは次の通りです。
- 青色申告で最大65万円控除を受けられる
- 3年間の損失繰越が可能
- 30万円未満の資産を経費計上できる
確定申告をする場合、青色申告、白色申告から選択することができます。
このうち、青色申告を選択した場合を前提に解説します。
1.青色申告で最大65万円控除
青色申告を選択した場合、青色申告特別控除の適用を受けられます。
このうち、一定要件を満たすことで、最大65万円控除が適用されます。
青色申告特別控除には、65万円、55万円、10万円の控除枠が設けられており、それぞれ満たすべき要件が異なります。
2.3年間の損失繰越が可能
個人事業に損失が出た場合、その金額を翌年以降3年間に渡り、繰り越すことができます。
その結果、翌年以降における各年分の所得金額から、当該損失を控除することができるほか、損失額を前年分の所得金額に繰り戻し、所得税の還付を受けることもできます。
繰戻し還付制度を活用する場合、税務署から税務調査を受ける可能性がありますので、しっかり準備しておきましょう。
3.30万円未満の資産を経費計上できる
白色申告を選択すると、取得金額が10万円以上の場合について、耐用年数(使用できる年数)に応じた減価焼却処理をする必要があります。
いっぽう、青色申告の場合、30万円未満の資産は購入年において、全額を経費として計上することができ、結果的に所得税を抑えることができます(これを「少額減価償却資産の特例」といいます)
個人事業主として開業する際の注意点
個人事業主として開業する際、下記に注意しましょう。
- 事前の申請、知識が必要
- 帳簿書類の保管
1.事前の申請、知識が必要
青色申告を選択するには、事前に「所得税の青色申告承認申請書」を提出する必要があります。
開業届(個人事業の開業・廃業等届出)と併せて提出しましょう。
所得税の青色申告承認申請書は、開業から2か月以内(開業が1月1日から15日までの場合、3月15日まで)、その他の場合、翌年分からの適用となる点に注意が必要です。
また、青色申告を行うには、複式簿記による記帳が必要なため、会計ソフト等を利用することをオススメします。
2.帳簿書類の保管
確定申告時に使用する帳票は勿論、日々の取引に係る記録は、確定申告後も一定期間保管する義務があります。
青色申告者の場合、下記の通りです。
保存が必要なもの | 保存期間 | ||
---|---|---|---|
帳簿 | 仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳など | 7年 | |
書類 | 決算関係書類 | 損益計算書、貸借対照表、棚卸表など | 7年 |
現金預金取引等関係書類 | 領収証、小切手控、預金通帳、借用証など | 7年 | |
その他の書類 | 取引に関して作成し、又は受領した上記以外の書類(請求書、見積書、契約書、納品書、送り状など) | 5年 |
前々年分の事業所得 および 不動産所得の金額が300万円以下の場合、現預金取引等関係書類の保存期間は5年です。
いっぽう、白色申告の場合にも、帳簿書類の保存期間が定められています。
保存が必要なもの | 保存期間 | |
---|---|---|
帳簿 | 収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿) | 7年 |
業務に関して作成した上記以外の帳簿(任意帳簿) | 5年 | |
書類 | 決算に関して作成した棚卸表その他の書類 | 5年 |
業務に関して作成し、又は受領した請求書、納品書、送り状、領収書などの書類 |
保存方法は、紙だけでなく電子データとしても認められ、請求書・領収書のうち、電子データでやり取りをした場合は電子エータでの保存が必要です。
副業で開業届を出すタイミング、メリット、注意点まとめ
当ページでは、副業で開業届を出すタイミング、メリットと注意点を解説しました。