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当ページでは、新たにガレージを設置(建設)する際に必要な手続、注意点を解説します。
Contents
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ガレージの設置に必要な申請
カーポート、ガレージを設置(建設)する場合、建築基準法、都市計画法等の規定により、建築確認申請が必要な場合があります。
建築確認とは
建築確認とは、建築物の着工に先立ち、関連法規に適合しているかを確認する手続をいいます。
建築確認は着工前に行う必要があり、問題がなければ「建築確認済証」が交付されます。
建築確認が必要な建物とは
建築確認が必要な建築物(建物)は、建築基準法等に定められ、ガレージ、カーポート、物置等も含まれます。
反対に、下記に該当する場合には建築確認は不要です。
- 都市計画区域外、準都市計画区域外、準景観地区外、都道府県知事が関係市町村の意見を聴いて指定する区域外の地域で、下記のいずれにも該当しない建築物
(1)建築基準法 別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積合計100㎡を超えるもの
(2)木造の建築物で3階以上の階数がある または 延面積500㎡、高さ13m もしくは 軒高9mを超えるもの
(3)木造以外の建築物で2階以上の階数がある または 延面積が200㎡を超えるもの - 法6条4号建物の大規模な修繕、模様替え
- 防火地域、準防火地域外において、増築、改築、移転に係る部分の床面積合計10㎡以内の場合
建築確認の流れ
建築確認申請は、下記の流れで行います。
- 建築確認申請
- 建築確認済証の交付
- 着工
- 中間検査
- 完了検査
- 建築物の使用
1.建築確認申請
1-1.申請先
建築確認の申請先は、下記の通りです。
- 指定確認検査機関
- 特定行政庁
ほとんどの場合、「1.指定確認検査機関」に申請しますが、特別な事情がある場合には、「2.特定行政庁」に申請します。
1-2.申請者
建築確認申請は、建築主の委任を受け、建築士が代理として手続を行います。
建築士のほか、設計業者、工事業者、ハウスメーカー等が代行してくれることもあります。
1-3.申請方法
申請は、検査機関の窓口、郵送、電子申請のいずれかで行います。
1-4.建築確認申請にかかる費用
建築確認申請は、検査機関により異なりますが、一般的には床面積によって定められています。
下記は神奈川県の例です。
建築物の床面積の合計 | 確認申請等手数料 | 中間検査申請等手数料 | 完了検査申請等手数料 | |
---|---|---|---|---|
中間検査なし | 中間検査あり | |||
30㎡以内 | 10,000 | 15,000 | 16,000 | 15,000 |
30㎡超から100㎡以内 | 18,000 | 18,000 | 19,000 | 18,000 |
100㎡超から200㎡以内 | 28,000 | 23,000 | 25,000 | 24,000 |
200㎡超から500㎡以内 | 36,000 | 32,000 | 34,000 | 31,000 |
500㎡超から1,000㎡以内 | 66,000 | 52,000 | 58,000 | 55,000 |
1,000㎡超から2,000㎡以内 | 93,000 | 70,000 | 78,000 | 75,000 |
2,000㎡超から5,000㎡以内 | 160,000 | 100,000 | 120,000 | 110,000 |
5,000㎡超から10,000㎡以内 | 280,000 | 160,000 | 190,000 | 180,000 |
10,000㎡超から30,000㎡以内 | 370,000 | 210,000 | 240,000 | 230,000 |
30,000㎡超から50,000㎡以内 | 460,000 | 260,000 | 300,000 | 290,000 |
50,000㎡超 | 900,000 | 530,000 | 610,000 | 600,000 |
1-5.申請書類
建築確認申請では、下記のような書類が必要です。
- 建築確認申請書
- 建築計画概要書
- 委任状
- 付近見取図
- 配置図
- 構造計算書
- 基礎伏図
- 電機設備図
- 消火設備図面など
必要書類、添付書類等は事案により異なるため、事前に確認しましょう。
2.建築確認済証の交付
検査機関による確認が終了すると、「建築確認済証」が交付されます。
確認済証は住宅ローン審査、住宅等を賃貸に出す場合や売却時に必要となることもあるため、大事に保管しましょう。
3.着工
建築確認済証が交付されると、着工となります。
工事の施工者は、工事現場の見やすい箇所に、建築主、設計者、工事施工者、工事の現場管理者の氏名 または 名称、建築確認を受けた旨を表示する義務を負います。
4.中間検査
建築物に特定の工程を要する場合、建築主事 または 指定確認検査機関に対し、中間検査を申請します。
中間検査に合格すると「中間検査合格証」が交付され、引き続き、施工に取りかかります。
5.完了検査
工事が完了すると、完了から4日以内に完了検査を受けなければなりません。
申請先は建築主事 または 指定確認検査機関で、完了検査申請から7日以内に完了検査が行われ、問題がなければ検査済証が交付されます。
6.建築物の使用
原則、検査済証の交付後でなければ、建築物を使用することは認められませんが、下記の場合、検査済証の交付前でも仮使用が認められます。
- 特定行政庁が安全上、防火上、避難上支障がないと認めたとき
- 建築主事 または 指定確認検査機関が安全上、防火上、避難上支障がないものとして、国土交通大臣が定める基準に適合していることを認めたとき
建築確認申請時の注意点
建築確認申請を行う際は、下記に注意しましょう。
- 申請書類は専門家に依頼
- 申請後、工事内容は変更不可
- 建築確認済証の保管
1.申請書類は専門家に依頼
申請時には、専門的な知識・書類が必要です。できる限り、専門家に依頼することをお勧めします。
この場合、代行申請にかかる費用が設計費等に含まれるかどうか、事前に確認しておくと安心です。
2.申請後、工事内容は変更不可
建築確認申請後、設計や間取り等の変更はできません。
計画内容を変更する場合、改めて、変更後の内容にて確認申請を行う必要があります。
例外として、軽微な変更ならば認められる場合もありますので、まずは担当者に相談しましょう。
3.建築確認済証の保管
建築確認済証、検査済証は、再交付してもらうことができません。
住宅ローン審査、売却時等に必要な場合があるため、紛失しないよう、大事に保管しましょう。
万が一紛失した場合、自治体に「台帳記載事項証明書」「建築計画概要書の写し」の発行を依頼する手もあります。
建築確認を怠った場合の罰則
建築確認が必要な場合にも関わらず、確認申請をしないまま着工した場合、「無許可工事」として、1年以下の懲役 または 100万円以下の罰金に処される可能性があります。
このほか、着工後、行政から差止命令等が出されたにも関わらず、これに従わず、工事を続けた場合には、3年以下の懲役 または 300万円以下の罰金に処される可能性があります。
無視を続け、違法建築物が完成した場合、違法建築物の除去(解体)命令 または 代執行となる場合もあります。
ガレージに固定資産税がかかる場合
下記に該当する場合、ガレージに固定資産税がかかります。
- 土地への定着性が認められる場合
- 室内外の空気を分断している場合
- 登記上「建物」と認められる場合
1.土地への定着性
土地への定着性は、土地にどの程度固定されているかという視点で判断されます。
移動が簡単な物置等は、「定着性なし」と判断され、非課税です。
2.室内外の空気分断
室内外の空気分断要件は、壁の枚数、屋根の有無により判断されます。
一般的に「三方以上が壁で囲まれている」「屋根がある」ものは固定資産税の課税対象となります。
3.登記上の「建物」
登記上の建物とは、建築目的となる用途に利用できるかどうかで判断されます。
建築物は、一定の用途を前提に造るもので、その用途に沿った利用ができる常態であれば「建物」として登記は可能です。
固定資産税の計算
固定資産税は「課税標準額(固定資産税評価額)×固定資産税率(1.4%)」にて算出します。
「ビルトインガレージには、緩和特例が適用される」という話がありますが、固定資産税とは関係ないため注意しましょう。
ガレージの設置に必要な手続、注意点まとめ
当ページでは、ガレージの設置に必要な手続、注意点を解説しました。