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当ページでは、相続財産にゴミ屋敷が含まれていた場合の手続において、注意したいポイントを解説します。
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筆者プロフィール
榊原 沙奈(90′)
榊原行政書士事務所 代表行政書士
やぎ座のO型。趣味は写真を撮ること、神社をめぐること。
相続財産にゴミ屋敷が在る場合の選択肢
ゴミ屋敷とは、戸建やアパート等の居住空間において、過剰なゴミ・不要物が積み重なり、日常生活に支障を来す状態を指します。
被相続人(死亡人)の財産にこうした物件が含まれる場合、相続人には下記の選択肢があります。
1.相続放棄・限定承認
相続人は、相続放棄または限定承認をすることができます。
相続放棄は、相続人がもつ「相続する権利(相続権)」を完全に放棄するのに対し、限定承認は、相続はするものの責任や債務の一部を放棄することをいいます。
2.相続
相続は、被相続人の財産と権利を全て引き継ぐ手続です。
被相続人が遺言書を残している場合、その内容に基づいた分割がされますが、遺言書がない場合や遺言書の内容と異なる分割法を希望する場合は、法定相続人全員で話し合う必要があります。
相続放棄の注意点
相続放棄を選ぶ場合、次の点に注意が必要です。
1.プラスの財産も承継不可能に
相続放棄をした場合、負債等のマイナスの財産だけでなく、プラスの財産を承継する権利も手放すことになります。
1度行った相続放棄を取消すことはできず、後からプラスの財産が出てきた!という場合でも引き返せない点に注意しましょう。
2.放棄後も管理責任を負う
相続放棄の手続をすると、ゴミ屋敷の「所有権」は手放せバスが「管理責任」は残ります。
管理責任とは、然るべき管理人が適切な管理を行えるようになるまでに負う、財産の保全、記録等の保持、その他、必要な手続をする義務をいいます。
3.処分後には相続放棄ができない
ゴミ屋敷内にある家財道具等の動産を、相続放棄の手続前に処分してしまうと「単純承認」とみなされ、放棄できなくなります。
単純承認とは、被相続人の財産・権利を全て承継することを指し、プラスだけでなくマイナスの財産まで全て相続するものです。
被相続人の遺産(遺品)のうち、換価価値のあるものを勝手に処分する行為は「相続への同意」とみなされるんですね。
相続放棄を考えるのなら、被相続人の財産には手を触れないようにしましょう。
相続する場合の注意点
ゴミ屋敷を相続する場合、土地・建物内の不要品等の処分を行い、適切に管理する必要があります。
ゴミ屋敷は、住人だけでなく、近隣の衛生状態まで悪化させ、害虫や病気、火災リスクを高める等の問題点が指摘されますので、放置はできないものと心得て下さい。
片付けが終わっても、実際に人が住む、賃貸に出す等の活用ができなければ、特定空き家とみなされ、固定資産税等が通常の倍以上かかることもあります。
そもそもですが、不動産は所有しているだけでも維持・管理費用がかかるものです。
その後の活用法までしっかり検討し、相続を決めましょう。
ゴミ屋敷の相続で注意すべきポイント まとめ
当ページでは、相続財産にゴミ屋敷があった場合の注意点を解説しました。