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遺産の中に株式がある場合、上場株式と非上場株式に分けて考えなければなりません。
当ページでは、相続財産の中に株式が合った場合に必要な書類・手続を、できる限りわかりやすく解説します。
Contents
筆者プロフィール
榊原 沙奈(90′)
やぎ座のO型。
榊原行政書士事務所 代表を務めるかたわら、日常の疑問・悩みに効く情報を発信しています。趣味は、写真を撮ること、神社巡り。
相続する株式の種類
相続する財産に株式が含まれている場合、「株式を相続する手続」が必要です。
銀行を相手に行う預貯金の相続手続とパラレルな手続もありますが、株式の相続特有の手続も発生します。
上場株式・非上場株式で分けて説明します。
- 上場株式…証券取引所を介して取引している株式
- 非上場株式…証券取引所が介入しない株式
上場株式の相続
上場株式の場合、証券会社または信託銀行が株式の管理を行っています。
そのため、相続に関する手続きも、証券会社や信託銀行のルールに従い、必要書類を提出することになります。
非上場株式の相続
非上場株式の場合、証券会社や信託銀行は介入しないため、株式を発行している会社(株式会社)と直接やり取りすることになります。
上場株式の場合、相続する人が証券口座を持っていなければ相続手続を進められませんが、非上場株式の場合は必要ありません。
株式の評価
株式の場合、現金・預貯金と異なり、その価値が変動します。
価値が変動し続ける株式を相続する際、上場株式・非上場株式は、次の評価基準にて価値をはかります。
(1)上場株式 評価
上場株式の場合、証券取引所が公表する株価(厳密には終値)に従って評価します。
(2)非上場株式 評価
非上場株式の場合、国税庁が公表する財産評価基本通達に従って、評価するのが一般的です。
ただし、必ずしも上記に基づいた評価でなければならないわけではなく、自分達で専門家に鑑定を依頼することも可能です。
株式の相続に必要な書類
株式の相続に必要な書類は、次の場合により異なります。
- 遺言書がある場合
- 遺産分割協議書がある場合
- 遺産分割調停・審判による場合
遺言書がある場合
遺言書がある場合、対象となる株式を誰が取得させるかの希望が明らかであれば、遺言書で手続を進めます。
一般的には、次の書類が必要となります。
- 遺言書
- 被相続人の死亡がわかる戸籍謄本等
- 相続人(受遺者)の戸籍謄本
- 印鑑証明書※
- 証券会社の指定する申込書等
※印鑑証明書は、「発行後○か月以内のもの」など指定されることがほとんどです。焦って早く取得してしまうと、改めて取得しなければなりませんので計画的に取得しましょう。
遺産分割協議書がある場合
相続人の間で協議が調い、遺産分割協議書を作成している場合、遺産分割協議書を使用して株式の相続手続を進めます。
一般的に必要とされるのは、次の書類です。
- 遺産分割協議書
- 被相続人の戸籍謄本等
- 相続人の戸籍謄本等
- 相続人の印鑑証明書
- 証券会社等の指定する申込書等
遺産分割調停・審判による場合
遺産分割協議がうまく調わず、調停・審判に発展した場合、調停調書謄本または審判所謄本を使用し、株式の相続手続を進めます。
一般的に必要な書類は、次の通りです。
- 家庭裁判所の発行する調停調書謄本または審判所謄本(確定証明書)
- 株式を取得する相続人の印鑑証明書
- 証券会社等の指定する申込書等
株式を相続するまでの流れ
株式を相続するまでの流れは、次の通りです。
- 保有株式の調査
- 相続人名義で証券口座を開設
- 相続手続書類の作成・提出
- 株式の保有または売却
1.保有株式の調査
上場株式の場合、郵便物や通帳の取引履歴等から証券会社・信託銀行を特定することになります。
いっぽう、非上場株式の場合は、定期的な通知や書類等は期待できないため、被相続人が懇意にしていた人等をあたることになります。
2.相続人名義で証券口座を開設
上場株式の場合、株式を取得するために相続人名義の証券口座を開設します。
既に持っている場合、既存口座を使用することもできます。
※非上場株式の場合、この手続は不要です。
3.相続手続書類の作成・提出
上場株式、非上場株式、いずれの場合も証券会社・信託会社、または、株式会社の規定にしたがい、必要書類を取得・作成・提出します。
4.株式の保有または売却処理
被相続人名義の口座から相続人名義の口座へ、無事に株式の移管が行われたら、その後は株式のまま保有していても構いませんし、売却しても構いません。
株式の相続に必要な書類・手続 まとめ
当ページでは、株式の相続に必要な書類・手続を解説しました。